【派遣】派遣社員に仲介料非公開 大手9社中6社

派遣労働者の賃金について、派遣先の企業が払う派遣料金から仲介手数料を差し引く割合(マージン率)を、
多くの派遣会社が労働者本人に公開していないことが、本紙の調査で分かった。
労働者一人一人のマージン率の公開が法律で義務付けられていないためで、公開は各社の自主判断。
情報公開に後ろ向きな業界の姿勢が鮮明となった。 (中沢佳子)

マージン率が30%の場合、企業が労働の対価として月三十万円の派遣料金を払っても、派遣会社が30%に当たる九万円を徴収し、労働者は二十一万円しか受け取れない。
厚生労働省の調べによると、支店など事業所ごとのマージン率の平均値は、20〜30%のところが多いという。

(中略)派遣会社にマージン率の公開を求めたが拒否されたという埼玉県の女性(43)は
「マージン率が分かれば、待遇を含めて自分で仕事を選び、納得して働けるのに」と話す。

派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「派遣先の企業が賃上げのために派遣料金を上げたのに、
派遣業者は労働者の賃金を上げなかったケースが実際にあった。
個別に情報を公開させるとともに、マージン率の上限を定めることも必要だ」と指摘している。

派遣会社が手数料を徴収する仕組み
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201704/images/PK2017043002100048_size0.jpg
派遣各社の手数料(マージン)率の公開状況
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201704/images/PK2017043002100049_size0.jpg

配信 2017年4月30日 朝刊
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201704/CK2017043002000131.html