5月11日朝日新聞夕刊より
『体操ルール改定 多くの技必要?』  上位選手も激しく消耗

 今期の体操は体力勝負?新ルールでの初の国内大会となった
4、5日の世界選手権第2次選考会では「予想以上に大変」との声が
選手から上がった。高得点を狙うには、よい多くの技を盛り込まなければ
いけなくなったためだ。

 「もっと体力をつけて修正できるようにしたい」。2次選考会を首位で
通過した冨田洋之(セントラルスポーツ)は言う。3位の水鳥寿思(徳洲会)も
「こんなに大変とは思わなかった」と振り返る。

 体操は五輪開催年ごとに採点方式を見直すが、アテネ五輪での採点ミス問題など
を受け、ほぼ完成していた05年採点規則の適用を見送った。今期の採点方式は
従来のものを一部手直ししたもので、男子では難しい技や組み合せを行うことに
よって得られる「加点」の幅が1.2から1.6に広がった。このため高得点を
狙うには、演技に多くの技を盛り込むことが必要となり、上位選手の消耗も激しかった。

 ただし、国際体操連盟は06年に採点方式を大幅に変更する見通しで、
10点満点が存続するかどうかも不透明だ。国際審判員の遠藤幸一・日本協会広報部長は
「今季のルールはあくまで暫定的。いずれにせよ、正確にきちんと演技するという
日本の方向性は間違っていない」と話している。 (阿久津篤史)

【写真】体操世界選手権第2次選考会を3位で通過した水鳥寿思の演技(鉄棒)