―― 第9シーズンSC終了後 ――


「あ、お疲れさまです! どーでした?」
「めっさ文句いわれたわ」
「やっぱり…」
「怪我させたらどうすんだ!って」
「まぁ、いちおう本人もわかってやってますしね。そこは大丈夫…」
「ていうかさ」
「はい」
「これ、単純に1フレをオープンにしてくれ、ってだけの話だったよな?」
「ですね」
「おまえ、ちゃんと伝えたよね?」
「ええ」
「なんであーなるの?」
「なんでって言うか、いちおうスプリット狙ったったみたいですけど、2〜3センチ裏に行っ…」
「いや、それはどーでもいいんだよ。何でコケるの?」
「……」
「おかしいだろ?」
「……」
「コントじゃねーんだから」
「……」
「普通にガターすりゃあいいだろうが」
「いや、残ったのが10ピンだけなら、それも考えたみたいっすけど」
「そもそもスプリット狙うんなら最初からカバーボールでど真ん中に投げろって!」
「それは、おかしいっすよ」
「なんで」
「色が違うし」
「コケるよりはマシだわ!」
「……」
「にしても不器用すぎて話にならんなぁ」
「でも、すごいイイ子なんすよ〜。7フレもミスって最後まで接戦にしてくれようとしたみたいだし」
「あのさぁ。そこは、もういいんだよ」
「え?」
「あそこまでいったら、もうボコってくれた方がノイヲタも納得するだろ」
「……(一貫性ないなぁ)」
「いちど、じっくり演出の基礎を教えといた方がイイかもな」
「……(あんまそういうの向く子じゃないと思うけど)」
「よし!今から反省会やるから。焼肉屋で。本人に声掛けといて」
「もう帰りました」