6,7年前くらいの話。
夜、私は北小金ボウルで投げていた。
センターの中をウロウロしている派手なズボンの男に気づき、誰かと思って見たら
山本氏だった。彼は当時、北小金ボウルのリーグに出ていたのだ。

事件が起こったのはその時だった。
端っこの方で投げていた土方風のDQNが突然センターに響き渡るような声で
怒鳴りだした。なんでも投げたボールが真っ直ぐ転がらないということで、店員
をレーンまで呼びつけて怒鳴っていた。内容の支離滅裂さから、おそらく彼は
チョンか統失かポン中だと推察された。

俺はこういう時、センターはどういう対処をするのか興味があったので観察して
いたところ、何とも興味深い風景を目撃した。

センターの柱のかげに身を隠し、絶対に見つからないポジション取りをしていた
不自然な男がいた。そしてまるで漫画の探偵のように柱のかげから修羅場をチョロチョロ
覗いているのである。そしてその男は騒ぎが収まるまで柱のかげから出ることはなかった。

何を隠そう、その柱男が山本氏である。
山本氏は単にリーグに呼ばれていただけであるから、センターの運営に関与する立場ではない。
しかし支配人が対応に苦慮しているのを柱のかげから覗くだけというスタンスに違和感を感じた。
氏がボウリング会の発展を願って活動しているならば、このような末端のトラブルにも毅然と対処
して、格好いいところを見せてほしかった。