日韓が領有権を争っている竹島(島根県、韓国名・独島)をめぐる不穏な動きが起こっている。
島根県が2005年に制定した「竹島の日」の式典こそ混乱なく行われたものの、その直後に、県のウェ
ブサイトに対して、韓国に割り当てられたIPアドレスから、大量のアクセスが行われた。サイトの内容
の改ざんなどの「実害」はなかったが、まだ火種がくすぶっている様子だ。

約650万回のアクセスが集中、つながりにくい状態に

島根県は05年、竹島が島根県に編入された2月22日を「竹島の日」と制定。09年で、「竹島の日」は
4日目。制定当初は、韓国側の激しい反発があったものの、松江市内で行われた今年の記念式典は、大
きな混乱もなく終了した。

ところが、その4日後の2月26日、島根県のウェブサイトがトラブルに見舞われることになる。同日
14時頃から約20分間、約650万回のアクセスが集中。サイトがつながりにくい状態になった。アクセ
スは、韓国のプロバイダーに割り当てられた10程度のIPアドレスから行われていた。サイトの監視シス
テムからアラーム(警報)が出たため、県ではすぐに事態を把握。これらのIPアドレスからのアクセス
を拒否する設定に変更し、つながりにくい状態は解消された。この間、特にサイトの内容が改ざんされ
たり、業務に支障が出たりする影響はなかったという。

今回の大量アクセスは、「サイバー攻撃」に近い性格を持つとも言えそうだが、このような被害は、
今回が初めてではない。

06年5月31日から6月1日にかけて、約413万件のアクセスが集中し、やはりウェブサイトがつながり
にくい状態になった。さらに、5月31日から6月2日の3日間、県のメールアドレスに対して、およそ10
分間に約1200通近いメールが送りつけられるという被害もあった。メールの内容は、

「独島は韓国の領土だ」
などとハングルや英語で書かれていたといい、攻撃が竹島問題と関連していたことは明らかだ。

韓国南部の馬山市は「対馬の日」を制定

一方、今回の大量アクセスについては、情報政策課では

「『竹島の日』との関連は不明だ」
と話しているほか、総務課では

「普段から、竹島問題については1日に数通はメールが来ます。竹島についての報道があった時や『竹
島の日』の時でも、メールの量は『やや増えるかな』といった程度です。今回の大量アクセスの後も、
特にメールの数が増えたということはありません」
と話している。06年と比べて、大量アクセスの狙いははっきりしないとも言えそうだ。

一方、韓国南部の馬山市は、「竹島の日」に対抗して、05年に3月18日を「対馬の日」に制定。もっ
とも、韓国内でも「こんな主張をしたら、独島(竹島)についての主張についても信憑性を疑われる」
などと、冷ややかな見方が多い。