「ボウリング場のハウスボールが曲がらない理由は?」と言われて、表面材質、内部構造、ドリルなどを挙げるかもしれない。
ここで視点を変えて、こう答えることもできる。「ボウリング場側の立場からすると、曲がってもらうと困るから。」
ボウリング場にくる人のほとんどは、レジャーとしてボウリングを楽しんでいる。フックボールのような高度な技術は必要としない。
むしろおかしなところで勝手に曲がったりするとややこしくなり、爽快感も薄れて楽しさが半減する。
ヘタすりゃクレーム騒ぎにもなりかねない。だからボウリング場は曲がらないボールを置く。
あまりにもむごい。
うちの近所のボウリング場。レーンは50ほどあり、ハウスボールの個数も山ほどある。だが、すべて同じドリリング。スパンは短く、穴は大きい。
大は小を兼ねる(スパンだと逆か?)というが、本当だろうか?
腕の力がなくて軽いボールを投げたいのに、指が太くて穴に入らず、重いボールを使わざるを得ない人。
手が大きくて指も長いが、指が細くて握力も弱く、太さが合うボールは軽すぎて威力がないという人。
彼らはハウスボールを使う限り、気持ちよくボウリングができない。ちっとも大は小を兼ねていない。
いくらレジャーとはいえ、ボールの選択の余地を与えないのは、ボウリング場の怠慢ではないだろうか。
第一、山ほどあるボールに、まったく同じドリリングを施すという感覚が理解できない。何のために山ほどあるのか。
単なる個数の確保だけなのか。そうかもしれない。所詮レジャー施設としか、経営者は考えていないだろうから。
ウレタンとまでは言わない。ポリエステルでもいいから、もっとスパンと穴の大きさのバリエーションを増やしてほしいものである。