小柄な女子ゴルファー「西村優菜」
永峰は最終日、最終組の一つ前の組から首位と3打差を追った。最終的に永峰は通算12アンダーでホールアウトし、最終組の結果を待った。
一方でミレニアム世代の西村は、プレッシャーから4つもボギーを叩いて大会を終えた。
試合後「難しさを痛感しました。気持ちの部分もたくさんあると思います。なかなか体が動きませんでした」と悔しさをにじませた。
しかしライブ中継を見た人はわかると思うが、プレー中、終始笑顔を見せていた。愛嬌たっぷりの笑顔でコースを歩く姿が好印象で、ボギーを取っても次のホールに向けてプレーしようとする前向きな姿勢に好感を持った人も多いはずだ。
それに注目を浴びたのは、今季のルーキーでありながら優勝するかもしれないという見る側の“ワクワク感”もあっただろう。
身長148センチのルーキー「西村優菜」、ドライバーが飛ばなくても強い本当の秘密
西村は昨年のプロテストは1発合格し、ツアー出場権をかけたファイナルQT(予選会)で21位となり、今季の出場権を獲得している。
プロになってもすぐに通用すると見られていたが、同期プロで同じ“ミレニアム世代”の安田祐香、吉田優利、古江彩佳らの中では埋もれた存在だったかもしれない。
それに身長148センチと小柄で、平均飛距離は230ヤードと決して飛ぶほうではない。
身長が高いゴルファーほどパワーヒッターが多く、ゴルフはティショットを遠くに飛ばせるほど有利なのは、ゴルフを知らない素人でもわかるだろう。
球は“飛ばない”が、なぜ結果を残せるのか。それはショットの正確性にある。
今季5試合のフェアウェイキープ率は75パーセントつまり身長が低くて飛ばなくても、ティショットをフェアウェイに置くことには長けている。
最初の一打の正確性が、スコアをまとめる上で大切な要素であることがわかる。
彼女は小学2年生のとき、宮里藍が出場していた「サントリーレディスオープン」を観戦し、憧れの宮里からボールをもらっているという。
キラキラした宮里の姿を見て「プロになる」と決心。それに宮里の身長が157センチながらも、米ツアーで勝利を重ねていたことも、のちの西村に大きな自信を与えていたかもしれない。
それに現在は4度も賞金女王のタイトルを獲得しているアン・ソンジュと同じ事務所で、オフにラウンドする機会もあり、トップ選手から学びの機会が得られることも今後の成長につながるだろう。
ミレニアム世代身長148センチ”というインパクトよりも、より大きな爪あとを残せるか――。
すべてはツアー優勝にかかっている。