■あの人はいま 元ゴルフ世界ランキング11位 渋野日向子さん(31歳)
2019年全英オープン最終日。 それを、TVで見つめる女性がいた。若干20歳で海外メジャーを制覇し、将来を嘱望された渋野さんは今……
「あの頃は若かったですね(笑)」
若き日を回想する渋野は、どこか寂しげだ。
「未だに当時の夢を見ることがあるんですよ。全英オープン最終日の最終ホール、優勝を決める一打がカップに吸い込まれていく夢を」
若くしてメジャーを制覇した後、東京オリンピックを目指すもコロナ禍により中止。目標を失った彼女は心機一転アメリカに拠点を移すも、故障がちになり、若手選手の台頭に押され目立った活躍はできず30歳を待たずして引退を決意。
今は地元でフルーツパーラーを営む傍ら、地元のゴルフスクールの臨時コーチも勤めている。
●暖簾の屋号の文字は元コーチの青木氏(享年44)の手によるものだ
「いらっしゃい」。東岡山駅北口から歩いて5分。「フルーツパーラーしぶこ」の金色の暖簾をくぐって店内に入ると、割烹着を身に纏った渋野さんの元気な声に迎えられた。
「去年の4月にオープンしました。暖簾の文字は無くなった主人に書いてもらいました。色も黄金世代だから金色がいいってきかなくて。
開店に合わせてスポーツ紙やテレビでも取り上げてもらったおかげで、県外から足を運んでくださるお客さんが多かったのはうれしかったですね」とはいえ、その分、プレッシャーも大きかったという。
「スイーツ好きなら飛行機に乗って全国食べ歩きに出かける時代ですから、私が修業した「くらしき桃子」は白桃のシロップ漬けが特徴だから、果実そのままと信じ込んでる人には少し甘さが強いようなんです。 それで怒られちゃったこともあるけど、それも修業のうち。伸び代しかないです(笑)」
●かつてのライバルで現世界1位の畑岡奈紗プロや、先日念願の海外メジャーを制した河本結プロについて尋ねると……
「先にメジャーを勝ったのは私なんですけどね。」「怪我さえ無ければって…歯がゆいですけど。」 「今はもう現役に未練はありません。今度は、教え子でメジャーを狙いますよ(笑)」
スマイリングシンデレラと呼ばれた現役当時さながらの笑顔で、そう答えてくれた。
【写真】今月のオススメ「岡山“晴王”の贅沢シャインマスカットチーズタルト」を手に持つ渋野さん。
皮ごと食べられる種なしのシャインマスカット“晴王(はれおう)”を丸ごと使った期間限定のチーズタルト。チーズ生地に爽やかなヨーグルトカスタードクリームを重ね、大粒で糖度の高い“晴王”をふんだんに飾り付けた逸品だ。