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ふるさと納税制度の設計に携わった高橋洋一氏。

 ふるさと納税の真意は、納税者が自らお金の使い道を決められるということである。
ふるさと納税が実現して、国民が税の一部をふるさとに直接、納めるようになると、これまで「お上が吸い上げて、お上が配分していた」システムではなくなる。 この点を、私は発案者の一人として強調しておきたい。

 お上たる役所の論理では、こんな制度はとても許せない。役所は国民のカネも自分たちの権限で使って当たり前と考えている。中央省庁の官僚はとくにこの感覚が強く、「国庫にいったん入ったカネはすべて自分たちのものだ。
使い道を決めるのは自分たちで、他の者には手を一切触れさせない」とほとんどの者が思っている。

 国庫に入るカネが減って、しかも自分たちが独占している配分権まで侵される。中央省庁の官僚にとって、これほど業腹なことはない。