血液型と性格に関連性はない。日・米の大規模調査結果で明らかに(日本研究)

九州大学の社会心理学者、縄田健悟氏は日本とアメリカから合計10000以上の標本を分析し大規模調査を行った。その結果、血液型と性格の無関連であることを証明したという。

 日本の社会では,ABO式血液型と性格に関連があるという俗説が広く信じられている一方で,心理学の実証研究ではその関連性は認められていない。そこで縄田氏はその関連性の有無を検証する為、大規模調査の二次分析を行った。

 経済学分野の研究チームが行った日本とアメリカの10000人以上の意識調査データを使用し、血液型と性格の関係性を調査した。使用したデータは、日本の2004年のデータセット(N = 2,878-2,938)、2005年(N = 3,618-3,692)、それと 2004年の米国からのデータセット(N = 3,037-3,092)の3つで、このデータには回答者の血液型が記載されており、血液型と回答内容の違いを調べることができる。

その結果、3つのデータセット全68項目中65項目で血液型間に性格の有意な違いは確認されなかった。残り3項目も偶然の範囲内で、性格の個人差のうち血液型で説明できた割合は,一番大きなものでたったの0.3%、ほぼゼロだと見なせる数値であることがわかった。

 以上の結果により「血液型と性格は無関連である。」というより強い根拠が提示されたこととなる。この論文は日本心理学会の機関誌「心理学研究」に掲載された。