>>264>>274、及び、
>>346>>890の考察に対する自己レス

ビットコインと金地金の戦い
http://tanakanews.com/171201bitcoin.php
ビットコインをバブル膨張させる資金の出どころは、QEによって作られたドル(や円、先進国不換紙幣)のバブル資金だ。
いずれQEの行き詰まりで金融のバブルが崩壊すると、ビットコインへの資金流入も終わる(QEのバブル崩壊
がいつ起きるか予測困難だが、以前の記事には、3−5年以内か?、と書いた)。それより前に、ビットコインの総資金量
が肥大化し、ドルなど既存の不換紙幣体制にとって脅威になると、ビットコインに金地金潰しをやらせることよりも、
ドルのライバルになりうるビットコイン自身を潰すことが重要になる。その場合、ビットコインからの資金逃避が誘発され、
ドルより先にビットコインがバブル崩壊する。用済みになったウサギの風船が、針で刺されてパンクさせられる。

QEのバブルが崩壊すると、その後に出てくる世界の通貨体制はおそらくIMFが準備してきたSDRに象徴されるような、
多極型の基軸通貨体制になる。この新世界秩序においては、米国や日本の相対的な国力が今より低くなり、中国やロシア、
BRICS諸国、イランなど新興諸国の力が強くなる。米日に象徴されるリベラルで自由市場優先のこれまで国際秩序から、
中露など、いかにも独裁的、権威主義的な、国家主義の諸国が幅を利かせる、国家臭の強い世界秩序に転換する。

この国家臭ただよう多極型の新世界秩序の中で、国家と対峙することで名声を博してきたビットコインは敵視される傾向になる。
すでに中国やロシアの政府は、ビットコインの取引を抑制したり、ビットコインに対抗する国家主催の暗号通貨の開発を進めている。
そして同時に、中国やロシアの中央銀行は、外貨備蓄の一環として、金地金をしこたま買い込み続けている。
ドルやビットコインが金地金をいじめて価格を安く引き下げている間に、中露の中央銀行が金地金を買い集めている。

中国人民元は、まだ国際通貨としての影響力が弱い。それを補うため、中国政府は、上海に新たな人民元建ての国際金市場を創設し、
人民元と金地金をリンクさせることで、金地金に人民元の国際影響力を下支えする策を開始している。