>>434 からの続き
「『幅広情報』の中で最も重視されているのは政治関連の情報、そしてマスコミ関連の動向です。特に政治情報は与野党を問わず、地方議会レベルの動
きから中央政界における閣僚や有力議員のスキャンダルに至るまで、ありとあらゆる情報を掻き集めています。
近年は公明党と創価学会関連の情報収集に熱心で、池田大作氏の動静や健康問題については、大きな関心事と位置づけられています」

 こうした情報の収集、管理にあたっているのが、公安警察内部で< I・S >、または< 07 >という符牒で呼ばれる組織なのだという。しかし、前
出の警備局元幹部はこうも語る。

「I・Sは最近の警備・公安警察の中軸を成す組織となっており、予算面でも厚遇されていますが、警察内でも実態を知る人がほとんどいない。ただ、警
備・公安警察の内部にも強い懐疑の声があるんです。このまま放っておくと、極めて危険な存在になりかねませんから・・・」

 戦後日本の警察は「自治体警察」の形態を取り、各都道府県警はそれぞれの都道府県公安委員会の管理に服することとなっている。警察という権力
装置の政治的中立と民主的運営を担保するためのシステムだが、これはあくまでも建て前に過ぎない。

 各都道府県警のトップをはじめとする枢要なポジションには警察庁採用のキャリア官僚が座り、事実上、警察庁を頂点とする牢固なピラミッド構造
が形成されていると考えてよい。

 この傾向は、公安警察においては一層顕著となる。警察法が「国の公安に係る警察運営」は警察庁が指揮監督すると定め、公安関連予算も国庫支弁
となっていることもあり、各都道府県警の公安部門は警察庁の直接指揮下に置かれている。

 かつて緒方靖夫・共産党国際部長宅を狙った盗聴工作('86年)など数々の非合法活動に手を染め、公安警察が運営する「協力者」という名のスパイを
一括管理する< チヨダ >の実態と現状については次号で記すが、一方の< I・S >は「オモテ」の理事官の管理下に置かれ、やはり警備企画課内に
ある「総合情報分析室」が情報の取りまとめ役を担っているという。

 少し前まで< I・S >業務に直接関わっていた現職公安警察官が明かす。