今ではまるで見なくなったが、小学六年あたりから大学三年くらいまでの間、年に一回程度のペースで毎回同じ内容の怖い夢をみていた。

だいたい風邪かなんかで弱っているときだ。
やけに口の中にねばつきや泡を感じるところから夢は始まり、俺はなぜか間違いなく死んでしまうような感覚に陥る。
まわりは真っ暗で何も見えず、生きているのか死んでいるのかもわからず、ただやけにリアルな死の恐怖だけが間をおいて襲ってくる。
なんとなくベルトコンベアで運ばれているような感じで、運ばれた先には確実な死が待っているのがわかり、5秒後の死に俺はずっとおびえている。たぶん窒息死だと思う。
起きると全身汗だくで、死のイメージは洗面台で口をゆすぐまでは消えなかった。