「有力容疑者発見」報道も飛び交う中、約8000万円の刑事補償を払って"事件"を終わりにするのか
「この足利で心穏やかに生活を送ってほしい」(大豆生田実・足利市長)。今、菅家さんは故郷で権力につけられた傷を癒やしている。
だが、その心の中から捜査機関、及び「真犯人」への怒りを、完全に取り去ることはできない---。

 すでに、菅家利和さん(64)から喜びのようなものは感じられなかった。1月13日、宇都宮地裁の佐藤正信裁判長は、
足利事件の冤罪被害者である菅家さんに対する刑事補償約8000万円の支払いを認めた。
1日1万2500円(刑事補償法上の最高額)×6395日。17年半という人生を狂わすのに十分な期間、無実の罪で獄に閉じ込めたことに対する国からの「慰謝料」である。
冤罪の神様:小野悦男 あと少しで。