蟹座は、だから、他の人に相談しないのです。
だれよりも人目を気にしていますが、蟹座が内面に抱えた水の部分は、
それだけで成立しているので、ぜったいに人に触らせたくないと思っています。
よほどせっぱ詰まったときでなければ、人の意見なんか聞きません。
誰かに説得されるような自分ではないことを知っているからです。
蟹座がひとたび誰かを信用して、その水に手を触れさせるときは、
それはまさに特別なことと言えるでしょう。
誰かの心に触れることを好むくせに、自分の内面には人を立ち入らせない。
なぜなら、蟹座は自分が非常に傷つきやすいことを知っているからです。
傷つきやすいがゆえに、自分を激しく守ります。
時に高い城壁を築き、時にものすごい知識を蓄え、
地位を確立するために権謀述作を尽くし、おどろくべきタフさで動き回るのです。
傷つけられそうになると、もう、逆ギレか、すみやかに立ち去ります。
たとえば、うるさい子供がいるとしましょう、それに腹を立てた蟹座は、こう思います。
あいつらを殺すか、さもなくば自分を殺してくれと。
水がないでいるときは、蟹座は至極穏やかで優しく、
鏡のように他人の心に敏感に反応します。
わずかな風にも、すぐに振動します。
共鳴し、飛びはね、躍動します。