《 蠍座の毒とは 》

蠍座の支配星は、太陽系外縁天体である冥王星であり、
冥王星は「生と死」「二度と戻らない変革」「磁力」「絶望」「救済」を象徴する星です。

蠍座の毒は、言葉や行動、態度によってもたらされるものではありません。
他者の中心に、しっかりと根を張る、確固たる「精神」です。

良い別れ方をしようと、悪い別れ方をしようと、
「蠍座を忘れられない」情念が「蠍の毒」となり、人々を悩ませることとなります。

蠍座と関わった者は時に、冥王星の影響を受けた彼らの強烈な渦に飲み込まれ、
中毒症状を起こすようになるのです。

ロシア民謡の“黒い瞳”は、いかにも、蠍座によって呑まれた者の特徴と重なる歌です。

彼らは、指先一本触れることなく、放射能のごとく人の精神を侵します。
侵された者は、躍起になればなるほど、己の首を絞め、蠍座の呪縛によって悩まされる事となります。

蠍座に対する「勝利」、すなわち「解毒」とは、「蠍座を忘れること」を意味します。
ひとたび侵された者にとっては、容易な事ではないでしょう。
しかしながら、毒からの開放、「解毒」は、侵されてしまった者自身にしか成し得ない事なのです。

精神の成熟度によって、また、執着心や依存心の強い人々の中で、蠍座に向けられる情念は時間をかけて形を変え、
しばしば深い恨みや憎しみと変り果ててしまう事すらあります。
毒に疲れ果て、解毒の意志をも見失ってしまった人々です。

これほどまでに蠍座の毒とは強烈なものなのです。
このような理由から、蠍座と安直に関りを持たないことが重要です。