ロコ村は古来より豪農として知られていたが、江戸時代初期に存続の危機に立たされる。
野武士に落ちぶれていた豊臣家残党のゴロツキ達がその財産を狙い村人を皆殺しにしようとたくらんだのである。
村人たちは次々に殺され、伴田一族の跡取り娘である路子を残すのみとなってしまった。
 ところが、その時偶然にも伴田家に宿を借りていた旅の姫は、路子を守るために彼女を背負い、更に上から寺の鐘をかぶせてこれをしっかりと握りしめた。
豊臣兵たちは姫を殺さんと無抵抗の姫に槍や刀を浴びせるが、姫は微動だにせず鐘を背負い続けた。
 そして朝が来て、豊富兵達は「こんな姫がいれば、我々も盗賊に身を落とさなかっただろうに…」 と、敵ながらその壮絶な強さに感銘を受けた豊臣兵は路子を見捨て、そのまま逃走した。
たった一夜の関係に過ぎぬこの姫は
素性の一切知れぬ身であり伴田家との関係も「一晩宿を借りた」だけの間柄に過ぎなかったが、この姫が居なければロコ村断絶は間違いなく、この時姫に救われた路子はアイドルになった後、その活躍を絵画に遺しアートとして子々孫々に伝えたのである。