スパコン詐欺、2億円脱税疑い…レース損失補填
2018年1月21日 06時00分
 スーパーコンピューター開発会社「ペジーコンピューティング」(東京都千代田区)を巡る国の助成金詐欺事件に絡み、同社が外注費を水増しする方法で助成金を含む約8億円の所得を隠し、法人税約2億円を脱税した疑いのあることが関係者の話でわかった。

 東京地検特捜部と東京国税局は、同社が隠した所得の一部を関係会社が抱えていた自動車レース事業の損失補填ほてんに充てていたとみて法人税法違反容疑で捜査している。

 ペジー社は、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」が2012〜13年度に実施した二つの助成事業で、事業費を水増しした実績報告書をNEDOに提出し、計約11億3300万円の助成金を受給。
助成金は「雑収入」による所得として税務申告するが、関係者によると、同社は、電子部品を開発する関係会社「ウルトラメモリ」(八王子市)などへの外注費を約8億円水増しして支払い、ペジー社の所得を圧縮していたという。

 ウルトラ社は06年の設立時、「EMSマネージメント」の社名で全日本F3選手権などに参戦。
ペジー社の代表取締役・斉藤元章被告(50)(詐欺罪で起訴)はEMS社に多額の資金を貸し付けており、参戦するレースや購入するレーシングカーなどを事実上決めていたという。(ここまで538文字 / 残り251文字