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シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(再)
0120名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/15(水) 17:46:35.21ID:???
『エヴァパイロット両名、エントリープラグに搭乗開始』
(カヲル「シンジ君は安らぎと自分の場所を見つければいい。
縁が君を導くだろう。また会えるよ」)
シンジ 「うん。そうだね、カヲル君」
0121名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/15(水) 17:52:31.98ID:???
コウジ「補機、出力安定。主機、臨界点を突破。水力上昇一千一六〇万トン」
スミレ「ジャイロコンパス作動中。操舵および重力制御、問題なし」
マヤ「エヴァ両機、射出位置に固定完了。エントリーを開始」
ヒデキ「各砲への動力伝達、エネルギー流入、異常なし」
ミドリ「無人艦隊、全艦発射位置に固定終了」
シゲル「直ちに、艦外の全作業を中断、非戦闘員は待機」
マコト「第一種戦闘配置への移行、完了しました」
リツコ「艦長、全艦発進準備完了。いつでもネルフ本部に殴り込めるわよ」
ミサト 「了解。艦長より通達。
これより本艦は、フォースインパクトの不可逆的な阻止のため、
旧南極爆心地跡に在留中のネルフ本部を強襲。
儀式のトリガーとなる、エヴァ第13号機の無力化を目的としたヤマト作戦≠決行。
これまでの全てのカオスに、けりをつけます。
全艦、発進!」
0122名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/11/15(水) 17:55:18.57ID:???
リツコ「エントリー終了、指揮系統を戦闘艦橋へ移行完了」
ミドリ「種子保管ユニット、射出ポイントに入ります」
ミサト「了解。ヴンダーとのリンクをカット。
内部電源および管理システムを、独立状態に切り替え。
全ての種子保管ユニットを射出」
0123名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/15(水) 17:57:46.28ID:???
シゲル「全ブロック、L5に投入完了。自律調整に問題なし」
ミサト「目標地点への降下を開始。大気圏突入」
スミレ「了解。大気圏突入開始」
0124名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/11/15(水) 18:02:06.69ID:???
シゲル「モニター、回復します」
スミレ「旧南極爆心地エリアに進入。L結界境界面に入ります。
L結界境界面を航行中。問題ありません」
ミドリ「ここが原罪で汚れた生命を阻むというL結界の上」
コウジ「人類がその浄化されたエリアを祝福も受けずに進んでいる。
加持のデータとアンチLシステムのおかげだ」
スミレ「L結界潜航可能ポイントまで、あと二〇」
ミサト「了解。全艦潜航準備」
0125名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/15(水) 18:09:25.22ID:???
ヒデキ「右舷第2船体に被弾!損害不明」
ミドリ「三時方向に艦影発見!」
リツコ「オップファータイプ搭載型2番艦エアーレーズング。
やはり完成していたのね」
冬月「すまんな。今少し碇のわがままにつきあってもらおう」
マコト「第13号機、再起動までの時間稼ぎか」
リツコ「同じ神殺しの力、やっかいね」
ミサト「タイマン上等!右舷砲撃戦用意。
ネルフ艦を牽制しつつ、潜航ポイントへ急ぐ。撃てぇい!」
0126名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/15(水) 18:13:19.48ID:???
ミドリ「あちこちに被弾!あっちの火力が圧倒的ですぅ」
ヒデキ「くそう!どこが同型艦だよ」
コウジ「未完と完成の違いだな。だが主機はこっちの方が、上だ!」
スミレ「L結界潜航可能ポイントに到達!」
ミサト「急速潜航!」
スミレ「了解!」
0127名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/15(水) 18:17:22.41ID:???
スミレ「L結界、第一層を抜けます。
第二層に突入。L結界密度プラス三〇」
ミドリ「艦首十二時方向、エヴァ・インフィニティの大群です!」
ミサト「かまうな、このまま突っ切る!」
ミドリ「艦首十二時方向に艦影出現!」
マコト「待ち伏せか!」
リツコ「3番艦エルヴズュンデ!まんまと挟撃されたわね」
ヒデキ「やばいです!これ以上やられると、航行に支障が」
ミサト「艤装が手薄な3番艦から排除する。舵そのまま、最大戦速!」
スミレ「了解!」
0128名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/15(水) 18:21:09.12ID:???
マコト「3番艦、回避行動!」
ミサト「逃がすな!このままぶつける」
ミドリ「こんなのやだぁ!」
ミサト「艦を回せ!ロール角百八十度。敵艦と体勢を入れ替える」
スミレ「りょぉーかいっ!」
冬月「3番艦を盾に使うか。フッ、相変わらず無茶をする」
0129名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/11/15(水) 18:29:29.25ID:???
ミドリ「インフィニティの群れを抜けました!L結界、第三層に突入」
シゲル「目標ネルフ本部を確認。既に黒き月の下方にシフトしています」
コウジ「第13号機の再起動が近いな」
マコト「2番艦および3番艦、艦尾より接近中」
ミサト「時間がない。黒き月を盾にしつつ、このままネルフ本部突入コースに、誘導弾発射準備。
目標、第13号機再調整区画」
ミドリ「艦尾六時方向、ネルフ戦艦群が接近中」
ミサト「艦を傾斜。被弾面積を最小限に抑える」
スミレ「りょーかい!左舷重力バラストブロー、ダウン二〇」
0131名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/11/16(木) 18:33:18.09ID:???
リツコ「主翼上の艦艇群の保護を最優先。A・T・フィールドを集中して」
ミドリ「うっ、艦尾主砲が大破!袋にされてます」
ミサト「うろたえるな!発射ポイントまで耐えればいい」
スミレ「誘導弾発射最適地点到達まで、あと一〇。軌道に乗りました!」
ミサト「誘導弾、全弾発射!」
マコト「誘導弾、全弾発射!」
0132名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/16(木) 18:40:02.25ID:???
シゲル「最終目標、第13号機を光学で確認!」
リツコ「予想どおり再起動前だわ。13号機はまだ動けない」
ミドリ「接近中のエヴァ7シリーズを確認。数は超いっぱい!計測不能です」
ミサト「雑魚にかまうな!エヴァ両機の射出を急げ」
リツコ「マヤ、エヴァ両機、射出準備」
マヤ「了解。エヴァ両機、射出準備」
リツコ「射出!」
ミサト「頼むわ。マリ、アスカ」
0134名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/22(水) 20:03:26.56ID:???
マリ「ひゃっほーい」
アスカ「どけー!えーい!」
マリ「はいはいー、ごめんなさいよー!」
アスカ「チッ!コネメガネ!次の得物」
マリ「あいよっ」
アスカ「とりゃーっ!ええいっ。次!」
マリ「姫!」
アスカ「おりゃー!」
マリ「にゃろめ!」
アスカ「ふん!エヴァもどきがまとめて通せんぼとは、邪魔くさい!
えい!チッ!コネメガネ、手を貸せ」
マリ「心得た!」
0135名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/22(水) 20:11:05.80ID:???
シゲル「エヴァ両機、ネルフ本部に降着!」
アスカ「目標地点はあの爆撃孔の下ね。
こいつら、マジうざすぎ!」
マリ「姫!お先にどうぞ」
アスカ「悪い、コネメガネ!」
0136名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/11/22(水) 20:16:21.72ID:???
アスカ「エヴァ第13号機――間に合った。
神の機体を謳ったところで、所詮は人の造り出した第十三番目の汎用ヒト型決戦兵器。
強制停止信号プラグをコアに打ち込めば、破壊は出来ずとも、動くことはなくなる。
これで、おしまぁぁぁいぃぃぃっ!
A・T・フィールド?
第13号機はA・T・フィールドを持たないはずなのに、なんで?
これって、このエヴァ自身のA・T・フィールド。新2が13号機に怯えているっていうの?」
マリ「何かおかしい。ゲンドウ君は何をたくらむ?」
0137名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/11/22(水) 20:24:16.53ID:???
ミドリ「はっ、変です。ネルフ戦艦が戦線を離脱、降下していきます」
ミサト「呪われたセカンドインパクトの爆心地カルヴァリーベースか。
地獄の門が再び開いている。まさか――。
光の翼?
セカンドインパクトと同じ方術でフォースを起こすつもりなの?」
リツコ「いいえ。ガフの守り人として建造された船をトリガーには出来ないはず。
それに黒き月を取り巻く事象が計画とは違う。
これはゼーレのシナリオには無い、私たちの知らない儀式よ」
ミサト「全くの予想外、アナザーインパクトというわけか。
状況はどうあれ、ネルフの計画は全て叩き潰す!」
0138名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/22(水) 20:26:00.45ID:???
ミサト「主砲発射準備!3番艦から先に沈める」
マコト「使用可能な全ての砲門を3番艦に向けろ!」
ミサト「超電磁直撃弾装填!方位盤、連動不要。各砲準備でき次第、発砲を開始!」
リツコ「しかし建造計画では、4番艦まであったはず」
ミサト「撃てえ!
状況は?」
ヒデキ「直撃です!何かに両舷の第2船体を貫通されました!」
マコト「艦首損傷!主砲塔システムダウン!」
リツコ「4番艦ゲベート!罠に嵌ったわね、私たち」
0139名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/11/22(水) 20:31:47.89ID:???
アスカ「仕上げのインパクトには、どのみちこいつが必要になる。
だから確実に今、始末しておくしかない。
得物が目の前にいて、ままならないなんて。
最後の手段ね。ごめん、新2。また無理をさせるわ。
全リミッターを解除。裏コード999」
シゲル「パターン青!ネルフ本部内に第9使徒の反応あり!」
マリ「姫! 使徒の力を使う気?」
アスカ「くっ――エンジェルブラッド、全量注入!うわー!」
マリ「姫……人を捨てる気?」
0140名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/22(水) 20:40:26.99ID:???
アスカ「新2のA・T・フィールドを、私のA・T・フィールドで中和する!
んーっ!うわぁぁぁっ!
シングルエントリーじゃなかったの?」
マリ「しまった!ゲンドウ君の狙いは使徒化した姫か」
0141名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/11/22(水) 20:48:12.77ID:???
アスカ「式波タイプ、私のオリジナルか」
アスカの姿をした女「最後のエヴァは神と同じ姿。
あなたは愛とともに私を受け入れるだけ。さあ、こちらへ」
アスカ「おあいにくね」
アスカの姿をした女「無駄よ、おバカさん」

虚無の中へと引き込まれていくアスカ。

マリ「アスカ!」
0144名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/12/15(金) 17:52:39.20ID:???
シゲル「新2号機、全ての信号をロスト、パイロットの状況不明!」
ヒデキ「補機N2機関、大破!」
マコト「くそ!今度は何だ!」
ミドリ「エヴァっぽい何かです。取りつかれました!」
リツコ「パターン青!エヴァ・オップファータイプね」
ミサト「パイロットごとマーク9を新造したのか」
ヒデキ「やばいです!艦内が物理的に侵食されていきます」
リツコ「排除、急いで!」
マヤ「やっていますが、侵入速度が速すぎて対処が追いつきません!」
シゲル「マーク9、VD防壁を突破!」
ヒデキ「駄目です!コントロールが全部乗っ取られました!」
コウジ「こいつは、やられたな」
リツコ「さすがは冬月副司令。見事だわ」
冬月「人工的なリリスの再現。そして黒き月の槍への強制流用。
舞台は整えた。あとの大詰めをどう演じる、碇」
0147名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/12/15(金) 18:03:54.14ID:???
ミサト 「ご無沙汰です。碇司令」
ゲンドウ「これまでご苦労だった。葛城大佐。この船は予定どおり私たちが使わせてもらう。
君か……。問答無用とは、相変わらず目的遂行に関し躊躇がないな」
リツコ「ええ、あなたに教わったことです」
ゲンドウ「神に障壁はない。来るものを全て受け入れるだけだ」
ミサト「碇ゲンドウ。ネブカドネザルの鍵を使い、望んで人を捨てたか」
ゲンドウ「この世の理を超えた情報を、自分の体に書き加えただけだ。問題はない。
私が神を殺し、神と人類を紡ぎ、使徒の贄をもって、人類の神化と補完を完遂させる」
ミサト「そのためにアスカを使い捨てるか、碇ゲンドウ!」
ゲンドウ「綾波と式波型パイロットは、もとよりこのために用意されていたものだ。問題ない」
0149名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/12/20(水) 09:31:54.78ID:???
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最後まで御精読いただきありがとうございました。
0150名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/12/30(土) 20:21:37.19ID:???
リツコ「これが人類。いえ、この星の古の生命のコモディティ化」
ミサト「全ての魂をコアに変え、エヴァ・インフィニティと同化させる、
フォースインパクトの始まりか」
ゲンドウ 「そうだ。セカンドインパクトによる海の浄化。
サードによる大地の浄化。そしてフォースによる魂の浄化。
エヴァ・インフィニティを形づくるコアとは、魂の物質化。
人類という種の器を捨て、その集合知を汚れなき楽園へといざなう、最後の儀式だ。
セカンドインパクトと引き換えに、
自らの仮説を実証した君の父上、葛城博士の提唱した人類補完計画だよ」
ミサト「父の世迷い言は、必ず止めてみせます」
0151名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/12/30(土) 20:28:15.73ID:???
ゲンドウ「知恵の実を食した人類に、神が与えていた運命は二つ。
生命の実を与えられた使徒に滅ぼされるか、
使徒を殲滅し、その地位を奪い、知恵を失い、永遠に存在し続ける神の子と化すか。
我々はどちらかを選ぶしかない。
ネルフの人類補完計画は、
後者を選んだゼーレのアダムスを利用した神への儚いレジスタンスだが、
果たすだけの価値のあるものだ」
リツコ「私たちは、神に屈した補完計画による絶望のリセットではなく、
希望のコンティニューを選びます」
ミサト「私は、神の力をも克服する人間の知恵と意志を信じます」
ゲンドウ「真理の捉え方の違いだ。
葛城大佐には世界が、赤城君には幸せの形が見えていない。
人の想いでは何も変わらんよ。これで全てのホースマンは揃った。
では、預けていたエヴァ初号機を返してもらう」
シンジ「父さん」
0153名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/12/30(土) 20:33:30.13ID:???
リツコ「ガフの扉の向こうは、ヴンダーには手出しできないマイナス宇宙。
残念ながらヴィレには補完計画を止める術はない。万事休すね」
シンジ「ミサトさん。僕が、エヴァ初号機に乗ります」
0154名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/12/30(土) 20:40:28.61ID:???
シンジ「綾波が消えた帰り道、加持さんに教えてもらった土の匂いがしたんだ。
ミサトさんが背負ってるものを、半分引き受けるよ」
ミサト「そのためには、碇ゲンドウと戦うことになるわよ」
シンジ「僕は、僕の落とし前をつけたい」
ミドリ「ちょっとやめてよ!冗談じゃない、まさかエヴァに乗せるつもりじゃないですよね。
こんなことになるんじゃないかと思ってた。艦長、この状況なら無条件発砲許可でしたよね。
疫病神!あんたの起こしたニアサーのせいで、私たちの人生めちゃくちゃよ。
全ての元凶、あんたら親子だけは絶対に許さない。はっ、サクラ!」
サクラ「碇シンジはエヴァには乗りません。
碇さんはエヴァに乗って、みんなを不幸にして、自分自身も不幸になったんや。
だからもう、碇さんはエヴァには乗らんのです」
シンジ「いえ、サクラさん。僕をエヴァに乗せてください」
0155名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2023/12/30(土) 20:45:02.57ID:???
サクラ「無茶言わんといて碇さん。怪我したら、もう乗らんで済みます。
痛いですけど、エヴァに乗るよりはマシですから、我慢してください!」
ミサト「うっ」
リツコ「ミサト!」
マコト「艦長!」
シンジ「ミサトさん!」
ミサト「いいのよシンジ君。十四年前、あなたがエヴァ初号機に乗らなかったら、
私たちはその時、既に滅んでいた。だから感謝しているの。
その結果、ニアサーが起こされたとしても――。
シンジ君のとった行動の責任は全て私にあります。
現在も碇シンジは私、葛城ミサトの管理化にあり、これからの行動の責任を私が負うということです。
私は今のシンジ君に全てを託してみたい」
サクラ「そうや!碇さんは私らを救ってくれた恩人や。
けどうちらのお父ちゃんもニアサーで消えてもうたんやぞ!
碇さんは恩人で仇なんや!もうこうするしかないんや!」
ミドリ「もういい! もういいよサクラ。もう明日生きてくことだけを考えよう」
サクラ「もう――何やの」
0156名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2023/12/30(土) 20:54:00.77ID:???
マリ「めんご!準備に手間取っちゃった。さあ行こう!ワンコ君」
リツコ「マヤ、艦長室に保管してあるプラグスーツを」
サクラ「弾はすぐに溶けます。今、応急処置してますから」
ミサト「大丈夫よ少尉。
碇シンジ君。父親に息子ができることは、肩をたたくか殺してあげることだけよ。
加持の受け売りだけど」
シンジ「ミサトさん、加持リョウジ君に会ったよ」
ミサト「元気だった?」
シンジ「うん」
ミサト「そう。良かった」
シンジ「すごくいいやつだった。ちょっとしか話してないけど、僕は好きだよ」
ミサト「ありがとう。必ずサポートする。頼むわ、シンジ君」
シンジ「うん。ミサトさん、いってきます」
ミサト「いってらっしゃい」
0157名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/04(木) 21:11:37.82ID:???
ミサト「では、仕事に戻りましょう」
リツコ「艦はボロボロ、主機も補機も失ったまま。こうして浮いているだけでも奇跡ね」
ミサト「それで結構。予備動力が尽きる前に、更なる奇跡を起こすわよ」
0158名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/01/04(木) 21:17:46.90ID:???
マリ「オーバーラッピング対応型の改8と、
アダムスの器を取り込んだプラスフォーインワン状態のおかげで、
この裏宇宙でも難なく進めてる。
ありがたいことだにゃ。さてワンコ君。
キミがやることは、アンチLシステムが全て止まって、
みんながコア化してしまう前に、第13号機を破壊し、起死回生を図るしかない」
シンジ「うん。分かってる」
マリ「しっかし、さすがはゲンドウ君。
裏宇宙なのをいいことに、量子テレポートを繰り返してる。
こりゃあ捕まえるのに骨が折れそうだにゃ」
シンジ「大丈夫マリさん、行ってくるよ」
マリ「ワンコ君、第13号機の中に姫の魂が残置されてる可能性がある。
だから姫を――アスカをお願い」
シンジ「やってみるよ。綾波……」
マリ「君がどこにいても、必ず迎えに行く。だから、絶対に待ってなよ。シンジ君」
シンジ「うん。ありがとう。待ってる」
マリ「Good Luck.」
0159名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/01/04(木) 21:22:35.04ID:???
ゲンドウ「もういいのか?レイ」
シンジ「綾波」
髪の伸びた大人の体で青白く発光する幽体のようなレイ「碇君、
ごめんなさい。碇君をエヴァに乗らないで済むようにできなかった」
シンジ「いいんだ。ありがとう、綾波。あとは僕がやる」
髪の伸びた大人の体で青白く発光する幽体のようなレイ「うん。お願い」
ゲンドウ「初号機パイロットが覚醒したか」
0160名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/01/04(木) 21:31:40.27ID:???
マヤ「改8経由でマイナス宇宙からの信号を受信!エヴァ初号機、再起動!」
ミドリ「めっちゃありえないっしょ!疫病神のシンクロ率はゼロなのに」
リツコ「まさかシンジ君の本当のシンクロ率はゼロではなく、それに最も近い数値」
マヤ「はい。シンクロ率、無限大です」
0161名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/04(木) 21:33:02.56ID:???
ゲンドウ「ほう。希望の槍カシウスと変わるか」
シンジ「もうやめてよ父さん!あ――」
ゲンドウ「駄目だ。私には、成すべきことがある!」
0162名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/01/04(木) 21:35:34.52ID:???
ミドリ「アナザーインパクトまで無理やり起こして、あの男は何がしたいんですか?」
リツコ「アナザーの目的として考えられるのはただ一つ、
フォース用に槍を新造し、アディショナルのために二本の槍を最後まで温存したのよ。
恐らく、たった一つの願いのために」
ミドリ「馬鹿らしい、ただのエゴじゃん」
0163名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/01/04(木) 21:40:12.66ID:???
ゲンドウ「もうすぐ会えるな、ユイ」
シンジ「くっ、動かない。離してよ父さん!あ―― あれは?」
ゲンドウ「ゴルゴダオブジェクトだ。
人ではない何者かが、アダムスと六本の槍とともに神の世界をここに残した。
私の妻、お前の母もここにいた。
全ての始まり。約束の地。人の力ではどうにもならない。
運命を変えることができる唯一の場所だ」
0164名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/04(木) 21:46:28.13ID:???
シンジ「ここは――
エヴァのケイジ? 何だ?ここ」
ゲンドウ「お前の記憶の世界だ」
シンジ「父さん」
ゲンドウ 「マイナス宇宙を我々の感覚機能では認知できない。
ゆえに、LCLが知覚可能な仮想の世界を形成している。
おとなしく初号機を渡せ。そうすれば、お前も再び母に会える。
無駄な抵抗を試みるか。これだから子供は苦手だ。
仕方がない。回り道をしよう」
0165名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/04(木) 22:10:02.87ID:???
第3新東京市の要塞。
ミサトの家。
クラスの教室。
レイの部屋。
ジオフロント。
加持のスイカ畑。
色々な場面で二人は槍を打ち付け合う。

シンジ「何だ?僕と同じ動きだ。やりづらい」
ゲンドウ「第十三のエヴァ。希望の初号機と対を成す、絶望の機体だ。
互いに同調し、調律をしている。これも私に必要な儀式だ」
シンジ「もうやめてよ父さん――ああっ」
ゲンドウ「無駄だ。お前のひ弱な力では、私を止めることは出来ない」
0166名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/04(木) 22:11:22.85ID:???
横に倒れたシンジが見た光景は、かつてカヲルとピアノを弾いた場面だった。
再び立ち上がるシンジ。

ゲンドウ「まだ分からないか」
シンジ「うわー!」

第3村のセットにて。

ゲンドウ「力でも敵わない。まして暴力と恐怖は、我々の決着の基準ではないからだ」

第3村で生きていた人々がシンジの頭をよぎった。

ゲンドウ「そうだ。これは力で決することではない」
シンジ「うん。父さんと話がしたい」
0168名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/12(金) 18:42:39.07ID:???
シンジ「父さん。父さんは、ここで何がしたいの?」
ゲンドウ「このゴルゴダオブジェクトでしか起こし得ない、アディショナルインパクトだ。
それが、私の神殺しへの道へとつながる。
そのために最後の二本の槍を、ここに届けた」
0169名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/12(金) 18:51:54.24ID:???
リツコ「やはり、マギコピーの予測も、碇司令が最後に槍を二本とも使い捨てる可能性が高いわね」
ミサト「槍を全て失うと、シンジ君が発動を止める術も失ってしまうか」
ミドリ「じゃあ、どうすんのよ」
ミサト「私たちで新たな槍を作り、彼の元へ届けます」
ミドリ「できっこないっしょ!それこそ、どうすんのよ」
ミサト「本艦がヴーセとして乗っ取られていた時、
艦隊は黒き月をマテリアルとして、見知らぬ槍を生成していた。
ならば、この艦を使って新たな槍を私たちで作り出せるはず。
ヴンダーに人の意志が宿れば、更なる奇跡もありえるわ。
リツコの知恵とヴィレとヴンダーの言霊を、私は信じる」
リツコ「無茶言うわね。サンプルは、さっきの発動データしかないのよ」
ミサト「リツコには十分でしょ」
リツコ 「そうね、やってみるわ。要は脊椎結合システムにありそうよ。
マヤ、悪いわね。ぶっつけ本番でいくわよ」
マヤ「ノープロブレムです。副長先輩。いつものことですから」
隊員A「整備長!幸い予備動力と脊椎結合ブロックは無事です!
ここで直接、組み換え作業しちゃいましょう」
マヤ「駄目よ!あなたたちは退避して!ここにいるだけで危ないのよ」
隊員達「最後の奉公です!やれるだけやりましょう!」
マヤ「これだから、若い男は」
0171名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/12(金) 18:58:02.79ID:???
ゲンドウ「初号機パイロット、お前に見せたい物がある」
シンジ「これは、黒いリリス」
ゲンドウ「お前の記憶では、そう映るのか。
エヴァンゲリオン・イマジナリー。
葛城博士が予測した、現世には存在しない想像上の架空のエヴァだ。
虚構と現実を等しく信じる生き物。人類だけが認知できる。
絶望と希望の槍が、互いにトリガーと贄となり、虚構と現実が溶け合い、全てが同一の情報と化す。
これで自分の認識、すなわち、世界を書き換えるアディショナル・インパクトが始まる。
私の願いが叶う唯一の方法だ」
0172名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/01/12(金) 19:01:41.65ID:???
深淵から出現した巨大化した白い仮面は綾波レイへと変わった。

ミドリ「これがアディショナル・インパクト?」
リツコ「ええ。恐らくあれが、エヴァ・イマジナリー。まさか実在するとはね」
ミドリ「変よこれ!絶対ヘン!」
0173名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/26(金) 19:44:39.66ID:???
無数のエヴァ・インフィニティは首なしの女体へと変わっていった。

冬月「うむ。ようやく始まったな。君か」
マリ「お久しぶりです。冬月先生。しっかしこの船の中、
L結界密度が高すぎません?」
冬月「ああ、元来有人仕様ではないからな。無理は承知だ。
人には常に希望という光が与えられている。
だが希望という病にすがり、溺れるのも人の常だ。
私も碇も希望という病にしがみつき過ぎているな」
マリ「ゲンドウ君は、自らが補完の中心になることで願いを叶えようとしている。
それを助けたい――いいえ、願いを重ねる冬月先生の気持ちも分かりますが、
人類全てを巻き添えにするのは、御免被りたいにゃ」
冬月「だろうな。私の役目は終わりだ。
君が欲しいものは集めてある。あとは、よしなにしたまえ。
イスカリオテのマリア君」
マリ「ふふっ、超久しぶりに聞いたなあ、その名前。では、おさらばです」
冬月「ユイ君、これでいいんだな」

冬月はLCLと化し爆散した。
0174名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/01/26(金) 19:47:59.70ID:???
マヤ「動きました!これでいけます!」
リツコ「艦長、あとはここにいるクルーで十分よ」
ミサト「了解。総員退艦」

『総員退艦!繰り返す、総員退艦!負傷者収容を最優先。脱出カプセルに急げ!』
0175名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/26(金) 19:52:26.66ID:???
マリ「アダムスの器たるエヴァ・オップファータイプが勢揃い。
さすが冬月先生、手際がいい、にゃ!
悪いけど、オーバーラッピングのための、糧になってもらうわ、よっ!
これで8プラス9プラス10!」
ふんっ!プラス11。
さあ、ラストいってみようか!」
0176名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/26(金) 19:55:08.61ID:???
『第4脱出カプセルまでのハッチを閉鎖。艦内残留者は速やかに5番カプセルに急いでください』

スミレ「やはり私、操艦席に戻ります」
コウジ「今は生き延びるのが俺たちの仕事だ。どれだけ辛くともな」
0177名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/26(金) 20:00:15.42ID:???
リツコ『艦長、組み換え作業を完了。これでいけると思うわ』
ミサト「了解。全ての操艦システムを艦長席へ。その後、速やかに退艦して」
リツコ「ミサト?」
ミサト「これは誰かが確実に、発動させなければならない。そして本艦の責任者は、私です。
生き残った命を、子供たちを頼むわ。リツコ」
リツコ「分かってる、ミサト。ベストを尽くすわ」
ミサト「ありがとう。
予備電磁力は残り僅か。やはり、最後に頼るのは昔からの、反動推進型エンジンね」
0178名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/26(金) 20:02:52.46ID:???
マリ「もうリリンが君らを使うこともない。ゆっくり眠りな、アダムスたち。
ヴンダーが動き出した。合流を急ぐかにゃ。
しっかし、人類のフィジカルとメンタル、両方の補完を同時に発動させるとはまあ。
ゲンドウ君、君は――」
0179名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/26(金) 20:06:00.71ID:???
シンジ「父さんは何を望むの?」
ゲンドウ「お前が選ばなかったA・T・フィールドの存在しない、
全てが等しく単一な人類の心の世界。他人との差異がなく、
貧富も差別も争いも虐待も苦痛も悲しみもない、浄化された魂だけの世界。
そして、ユイと私が再び会える安らぎの世界だ。
――ユイ! ユイ!――ユイ! ユイ! ユイ!――ユイ、どこだ!どこだ、ユイ!
ここにいるのは全てレイか?どこだ?どこなんだ?ユイ!」
0180名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/31(水) 19:46:47.48ID:???
シンジ「父さん、もうやめようよ」
ゲンドウ「なぜだ?なぜシンジがここにいる?」
シンジ「父さんのことが知りたいから。
寂しくても、いつも父さんに近づかないようにしていた。
嫌われているのが、はっきりするのが怖かったんだ。
でも、今は知りたい。父さんのことを」
ゲンドウ「A・T・フィールド?人を捨てた、この私に?
まさか、シンジを恐れているのか、この私が」
シンジ「これは捨てるんじゃなくて、渡すものだったんだね。父さんに」

音楽プレイヤーのSDATをシンジはゲンドウに差し出す。
0181名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/31(水) 19:48:15.52ID:???
シンジ「僕と同じだったんだ。父さんも」
ゲンドウ「ああ、そうだ。ヘッドフォンが外界と私を断ち切ってくれる。
無関心を装い、他人のノイズから私を守ってくれた。
だが、ユイと出会い、私には必要がなくなった」
0182名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/31(水) 19:50:34.10ID:???
ユイ「――名前、決めてくれた?」
ゲンドウ「――男だったらシンジ。女だったらレイと名付ける」
ユイ「――シンジ。レイ。うふっ」
0183名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/31(水) 19:55:24.82ID:???
ゲンドウ:
親の愛情を知らない私が親になる。
やはり、この世界は不安定で不完全で理不尽だ。
世の中は他人の言葉どおりに受け取っても上手くいかない。
その時々で人は違うことを言う。
どっちが本当で、どっちに合わせていいのか分からない。
多分どちらも、その人には本当なんだろう。
その時の気持ちが違うだけだ。
私は、人とのつながりを恐れた。
人であふれる世界を嫌った。
幼い頃から孤独が日常だった。
だから寂しいと感じることもない。
だが、世間にはそれをよしとしない人間もいる。
他の家に行くのが苦手だった。
興味のないクラスメイトや親戚の家に連れていかれて、
その生活の情報や実行を、押し付けられるのが嫌だった。
他人といるのが苦痛だった。
私は常に独りでいたかったのだ。
0184名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/31(水) 19:59:23.72ID:???
ゲンドウ:
子供の頃から、好きなものが二つあった。
一つは知識だ。
一方的に得るだけの知識は、私の心の飢えを満たしてくれた。
知識に気遣いは不要だ。
時間のある限り、私の中に好きなだけ与えることができたからだ。
もう一つはピアノだ。
調律された音は、鍵盤の正しい音を返してくれる。
そこに嘘はない。
裏切りも失望もない。
私を粛々と音の流れに変換してくれる。
そのシステムが好きだった。
独りが好きだった。
私も他人も誰も傷つくことがない。
独りが楽だった。
だが、ユイと出会い、私は生きていることが楽しいと感じることを知った。
ユイだけが、ありのままの私を受け入れてくれた。
ユイを失った時、私は私一人で生きる自信がなくなっていた。
初めて孤独の苦しさを知った。
ユイを失うことに耐えることができなかった。
ただ、ユイの胸で泣きたかった。
ただ、ユイのそばにいることで自分を変えたかった。
ただ、その願いを叶えたかった。
0185名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/31(水) 20:02:43.45ID:???
ゲンドウ「私は私の弱さゆえに、ユイに会えないのか。シンジ」
シンジ(幼少)「その弱さを認めないからだと思うよ」
シンジ 「ずっと分かっていたんだろう?父さん」
ゲンドウ「何だ?」
シンジ「きっとミサトさんだよ」
0186名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/31(水) 20:07:27.01ID:???
ミサト「まだまだあっ!」
ゲンドウ「馬鹿な……聖なる槍は全て失っている。
世界を書き換える新たな槍は、ありえないはずだ」
マリ「神が与えた希望の槍カシウスと絶望の槍ロンギヌス。
それを失っても、世界をありのままに戻したいという意志の力で作り上げた槍――ガイウス。
いえ、ヴィレの槍。
知恵と意志を持つ人類は、神の手助けなしにここまで来てるよ。ユイさん」
0187名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/01/31(水) 20:11:23.33ID:???
ミサト「取り付いた!
マリ!シンジ君を」
マリ「あたぼうよ!必ず連れて帰る」
ミサト「頼むわ!」
ゲンドウ「ユイに会えぬまま、新たな槍がここに届くか。残念だ」
ミサト「お母さん、これしかあなたにできなかった。ごめんね、リョウジ」
シンジ「ありがとう、ミサトさん」
ゲンドウ「他人の死と想いを受け取れるとは、大人になったな、シンジ」
0188名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/09(金) 19:44:38.22ID:???
ゲンドウ:
ユイを再構成するためのマテリアルとして、
シンジが必要か否なのか、最後まで分からなかった。
願いを叶えるには、報いが伴う。子供は私への罰だと感じていた。
子供に会わない、関わらないことが、私の贖罪だと思い込んでいた。
その方が子供のためにもなると信じていた。

父の背を見て泣きじゃくる子供のシンジをゲンドウは抱き寄せる。
0189名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/09(金) 19:45:08.26ID:???
ゲンドウ:
すまなかった、シンジ。
そうか、そこにいたのか――ユイ。

ゲンドウはSDATを持って列車から降りた。
列車は次の駅へ向かう。
0190名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/09(金) 19:48:46.84ID:???
カヲル「碇ゲンドウ、彼が今回の補完の中心、円環の元だ。
ここからは僕が引き継ぐよ、碇シンジ君。
君は何を望むんだい?」
シンジ「僕はいいんだ。辛くても大丈夫だと思う。僕よりも、アスカやみんなを助けたい」
カヲル「そうだった、君はイマジナリーではなくリアリティーの中で、既に立ち直っていたんだね」
シンジ「うん。父さんのやったことは、僕が落とし前をつける。アスカ――」
0192名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/09(金) 19:53:34.02ID:???
アスカ:
誰もいなくていいようにする。そうしないと辛いから。生きているのが苦しいから。
エヴァに乗る。
人に嫌われても、悪口を言われても、エヴァに乗れれば関係ない。
他に私の価値なんてないもの。
誰も必要としない、強い体と心を持つの。
だから、私を褒めて!私を認めて!私に居場所を与えて!
ほんとは寂しい。ほんとはただ、頭を撫でて欲しかっただけなの。
0194名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/09(金) 20:01:27.05ID:???
赤い浜辺で覚醒するアスカ。

アスカ「私、寝てた?
バカシンジ」
シンジ「よかった。また会えて。これだけは伝えておきたかったんだ。
ありがとう。僕を好きだと言ってくれて。僕も、アスカが好きだったよ」
アスカ「――」
シンジ「さよならアスカ。ケンスケによろしく」
マリ「姫、お達者で」

アスカ「!」

大人の体になったアスカが勢いよく13号機から射出された。
0195名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/18(日) 18:18:10.26ID:???
カヲル「行っちゃったね。シンジ君、寂しくないかい?」
シンジ「うん、大丈夫。今度は君の番だ。カヲル君。
思い出したよ。何度もここに来て君と会ってる」
カヲル「生命の書に名を連ねているからね。何度でも会うさ。僕は君だ。
僕も君と同じなんだ。だから君に惹かれた。幸せにしたかったんだ」
シンジ「そう、カヲル君は父さんと似てるんだ。だから同じエヴァに乗っていたんだね」
カヲル「なんだかいつもと違うね、シンジ君。泣かないのかい?」
シンジ 「うん。涙で救えるのは自分だけだ。
僕が泣いても、他の誰も救えない。だから、もう泣かないよ」
カヲル「そうか、君はもう成長してたんだった。少し寂しいけど、それもいいね」
シンジ「カヲル君、第13号機、君のエヴァも処分しようと思う」
カヲル「うん。エヴァを捨てるか――。すまない。僕は君の幸せを誤解していた」
0196名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/18(日) 18:26:54.79ID:???
加持「ええ、それはあなたの幸せだったんです。渚司令。
あなたはシンジ君を幸せにしたいんじゃない。
それにより、あなたが幸せになりたかったんです」
カヲル「僕の存在を消せるのは真空崩壊だけだ。
だから僕は、定められた円環の物語の中で、演じることを永遠に繰り返さなければならない」
シンジ(幼少)「仲良くなるおまじないだよ」
カヲル「相補性のある世界を望む。変わらないな、シンジ君は」
加持「だからこそ、あなたが彼を選び、生命の書に名を書き連ねた」
カヲル「ありがとう。リョウちゃんにも救われたよ」
加持「光栄です。渚司令」
カヲル「嫌だなリョウちゃん。そろそろカヲルって呼んでよ」
加持「ふっ、まだお預けです。渚司令。
渚とは海の陸の狭間。第一の使徒であり、
第十三の使徒となる人類の狭間を紡ぐ、あなたらしい名前だ。
あなたは十分に使命を果たした。
あとは、彼に引き継いでもらってもいいでしょう。
葛城と一緒に老後は畑仕事でもどうです?」
カヲル「そうだね。それもいいね」

二人が去っていき、舞台装置のシャッターが閉まる。
0197名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/18(日) 18:33:48.94ID:???
シンジ「残っているのは君だけだ、綾波」
ツバメの赤ん坊の人形を抱いた、
白いプラグスーツに身を包んだ髪の長いレイ「私はここでいい」
シンジ「もう一人の君は、ここじゃない居場所を見つけた。
アスカも戻ったら、新しい居場所に気づくと思う」

一人舞台装置に残っているケンスケ。
0198名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/18(日) 18:40:43.76ID:???
ツバメの赤ん坊の人形を抱いた、
白いプラグスーツに身を包んだ髪の長いレイ 「エヴァに乗らない幸せ。碇君にそうして欲しかった」
シンジ「うん。だから、ここじゃない君の生き方もあるよ」
ツバメの赤ん坊の人形を抱いた、
白いプラグスーツに身を包んだ髪の長いレイ「そう?」

二人の背景に走馬灯のように流れる長大な物語の断片(テレビ版、旧劇、新劇のタイトル)。
0199名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/18(日) 18:43:25.99ID:???
シンジ「そうだ。僕もエヴァに乗らない生き方を選ぶよ。
時間も世界も戻さない。
ただ、エヴァがなくてもいい世界≠ノ書き換えるだけだ。
新しい、人が生きていける世界に」
ツバメの赤ん坊の人形を抱いた、
白いプラグスーツに身を包んだ髪の長いレイ「世界の新たな創生、ネオン・ジェネシス」
シンジ「うん。それに、あとでマリさんが迎えに来る。だから、安心して」
レイ「そう。分かった。碇君、ありがとう」

レイが去り舞台装置のシャッターが閉まる。

シンジ「やってみるよ。綾波。ネオン・ジェネシス」
0200名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/18(日) 18:56:44.45ID:???
傷ついた友達さえ
置き去りにできるソルジャー
あなたの苦しさを 私だけに
つたえていってほしい
忘れない自分のためだけに
生きられなかった 淋しいひと

シンジ「誰?
綾波?いや、違う。
そうか、この時のために、ずっと僕の中にいたんだね。母さん。
やっと分かった。父さんは、母さんを見送りたかったんだね。それが父さんの願った、神殺し」

私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから

槍に貫かれ消滅する初号機と13号機。
同時に零号機が、2号機が、3号機が、ネーメズィスシリーズが、
オップファータイプが、エヴァの派生が背後に表れては槍の力で消滅する。
0201名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/18(日) 19:07:21.24ID:???
冷たい夢に乗り込んで
宇宙に消えるヴォイジャー
いつでも人々を 変えるものに
人々は気づかない
行く先は どれくらい遠いの
もう二度と 戻れないの

シンジ「さようなら。全てのエヴァンゲリオン」

シナリオが換わり、綾波レイの巨像が崩壊を始めた。
そして散らばるように、エヴァ・インフィニティの大群へと変わった。
エヴァンゲリオンの姿が、人の姿を取り戻して個々の存在へと分離していく。
0202名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/18(日) 19:13:18.82ID:???
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから

白紙の動画用紙の世界に変わる。

シンジ「!」
マリ「よっしゃー!間に合った。フッ、ぎりぎりセーフね」
シンジ「マリさん」

再びカラーのセル画の世界へ変わる。

マリ「ありがとう。8プラス9プラス10プラス11プラス12号機。
ご苦労さま。最後のエヴァンゲリオン」
シンジ「マリさん!」
0203名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/18(日) 19:17:30.70ID:???
マリ「お待たせ!シンジ君」

シンジ(青年)が意識を取り戻したのは、駅のホームだった。

『間もなく、列車がまいります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください』

向かいのホームにスマホを見ているアスカ、レイとカヲルのカップルがいる。
0204名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/18(日) 19:23:04.37ID:???
マリ「だーれだ」
シンジ(青年)「胸の大きい、いい女」
マリ「御名答。相変わらずいい匂い。大人の香りってやつ?」
シンジ(青年)「君こそ相変わらず可愛いよ」
マリ「ほほう、一端の口を利くようになっちって。
さあ、行こう。シンジ君」
シンジ(青年)「うん。行こう!」

実写に切り替わる。
宇部新川駅の外に出る二人。
0206名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/24(土) 18:23:53.27ID:???
初めてのルーブルは
なんてことはなかったわ
私だけのモナリザ
もうとっくに出会ってたから
初めてあなたを見た
あの日動き出した歯車
止められない喪失の予感

もういっぱいあるけど
もう一つ増やしましょう
(Can you give me one last kiss?)
忘れたくないこと

Oh oh oh oh oh…
忘れたくないこと
Oh oh oh oh oh…
I love you more than you'll ever know
0207名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/24(土) 18:24:57.04ID:???
「写真は苦手なんだ」
でもそんなものはいらないわ
あなたが焼きついたまま
私の心のプロジェクター
寂しくないふりしてた
まあ、そんなのお互い様か
誰かを求めることは
即ち傷つくことだった

Oh, can you give me one last kiss?
燃えるようなキスをしよう
忘れたくても
忘れられないほど

Oh oh oh oh oh…
I love you more than you'll ever know
Oh oh oh oh oh…
I love you more than you'll ever know
0208名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/24(土) 18:26:38.19ID:???
もう分かっているよ
この世の終わりでも
年をとっても
忘れられない人

Oh oh oh oh oh…
忘れられない人
Oh oh oh oh oh…
I love you more than you'll ever know
Oh oh oh oh oh…
忘れられない人
Oh oh oh oh oh…
I love you more than you'll ever know

吹いていった風の後を
追いかけた 眩しい午後
0209名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/24(土) 18:32:46.91ID:???
Beautiful world...

Beautiful boy...

もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて どんな場所でもいいよ

Beautiful world...

Beautiful boy...

もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて どんな場所でもいいよ
Beautiful world
迷わず君だけを見つめている
Beautiful boy
自分の美しさ まだ知らないの

It's only love
0210名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/02/24(土) 18:35:05.66ID:???
寝ても覚めても少年マンガ
夢見てばっか 自分が好きじゃないの

何が欲しいか分からなくて
ただ欲しがって ぬるい涙が頬を伝う

言いたいことなんか無い
ただもう一度会いたい
言いたいこと言えない
根性無しかもしれない
それでいいけど

僕の世界消えるまで会えぬなら
君の側で眠らせて どんな場所でも結構
Beautiful world
儚く過ぎて行く日々の中で
Beautiful boy
気分のムラは仕方ないね

Beautiful world...

Beautiful boy...

もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて

Beautiful world...

Beautiful boy...

It's only love
0216名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/03/20(水) 22:08:57.92ID:???
And you don't seem to understand
あなたも解っていないようね
A shame you seemed an honest man
あなたが誠実な人に見えたのが残念
And all the fears you hold so dear
あなたが大切に抱えている不安は
Will turn to whisper in your ear
いずれ貴方の耳の内で囁き出すでしょう
And you know what they say might hurt you
そしてそれらは貴方を傷つけるかもしれないけど
And you know that it means so much
あなたはよく解っているはずなのに
And you don't even feel a thing
それなのに何一つ感じやしない

I am falling
私は落ちていく
I am fading
私は消えていく
I have lost it all
私にはもう何もない
0217名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/03/20(水) 22:09:28.31ID:???
I am falling
私は落ちていく
I am fading
私は消えていく
I am drowning, help me to breathe
私は溺れている、助けて息ができない
I am hurting
心はもうボロボロ
I have lost it all
もう何もない
I am losing, help me to breathe
私の負け、助けて息ができない
0220名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/03/20(水) 22:17:06.16ID:???
四方田千砂「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…」
女A「ほらほら見て。あはははははは」
女B「あははははは」
四方田千砂「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…」
0222名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/20(水) 22:17:43.90ID:???
中年男性・ギャル「あははははは」
中年男性「ほうら」
ギャル「ああ、ダメえ」
中年男性「なんで?いいだろ?もったいつけないでよ。なあ、一緒に幸せなところへ行こうよ」
0225名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/20(水) 22:18:41.97ID:???
中年男性・ギャル「何だよ」
男A「何だよ」
男B「どうしたんだ!」
女C「やだ〜」
中年男性・ギャル「何だよ」
男C「どうしたんだよ!」
男B「知らねえよ!俺ら、関係ねえ」
男D「見ろ見ろ」
男E「助かんないんじゃねえか」
女D「もう寝れない行こ行こ」
0226名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/20(水) 22:19:25.21ID:???
中年男性・ギャル「…」
男A「何だよ」
男B「どうしたんだ!」
女C「やだ〜」
中年男性・ギャル「…」
男C「どうしたんだよ!」
男B「知らねえよ!俺ら、関係ねえ」
男D「見ろ見ろ」
男E「助かんないんじゃねえか」
女D「もう寝れない行こ行こ」
0231名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/20(水) 23:07:53.95ID:???
樹莉「うわあーん」
玲音「…」
ありす「樹莉、気にしない方がいいって」
麗華「そうだよ。いたずらに決まってるじゃん」
樹莉「だって…」
玲音「…」
ありす「うん、大丈夫」
樹莉「えーん」
玲音「…」
ありす「玲音」
玲音「え?」
ありす「あんたんとこ来なかった?」
玲音「何?」
ありす「メールだよ」
玲音「メール?」
0232名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/20(水) 23:09:05.62ID:???
ありす「四方田千砂からのメール」
玲音「私、苦手だから」
ありす「メールくらい毎日チェックしなさいよ。まあいいけどさ」
麗華「玲音は子供だからね」
樹莉「うわーん」
玲音「なんで、泣いてるの?」
麗華「だから、四方田千砂からメールが来ちゃったからじゃないよ」
玲音「千砂って?」
麗華「D組の子、先週渋谷で飛び降り自殺したの。先生も言ってたでしょうが」
ありす「樹里だけじゃないの。今週に入ってから何人にもメールが来てるのよ」
玲音「だって、その子」
ありす「そう、死んだ子からメールが来るはずがない。でも、来る」
玲音「…」
0250名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/23(土) 18:33:51.33ID:???
『あたしはこうしてまだ生きてるって説明できるの。
それを教えたくて、玲音に、このメールを送ってるの。分かる?
今、分からなくてもいい。きっとすぐに、分かるようになるから。みんなだって』
玲音「どうして、死んだの?」
『誰かのいたずらメールだとかって学校では、噂になってるそうだけど、
そうじゃないってことを玲音には、分かってもらいたいの』
玲音「どうして?どうして死んじゃったの?」
0255名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/23(土) 18:36:55.64ID:???
玲音「ママ」
美穂(玲音の母)「なあに」
玲音「メールが来たの」
美穂「…」
玲音「先週自殺した子から」
美穂「…」
玲音「…」
0259名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/23(土) 18:41:28.18ID:???
玲音「…」
康夫(玲音の父)「どうした?玲音。玲音がこの部屋に入ってくるの珍しいね」
玲音「あ…私の。私のNAVI、新しいのに」
康夫「あはは、やっと興味が出てきたのかい。玲音も、中学生になったんだ。
友達に遅れちゃうだろ?もっと良いマシンをつかいなさいって。あ?
この世界はね、玲音。
リアルワールドでも、ワイヤードでも、人間はみんなつながって、それで社会が動いてる」
玲音「…」
康夫「…
玲音のような子でも、すぐに友達が出来るんだよ。怖がることなんて全然ないんだ。
そこらへんのところが何故かママには理解出来ないんだなあ」
玲音「…」
康夫「…」
玲音「怖くなんかないよ。私」
康夫「でも、どうして、急にそんなこと言いだしたのかな?」
玲音「会いたい友達がいるの」
康夫「けっ、へへへへへへ」
0260名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/23(土) 18:43:02.65ID:???
乗客たち「ああ!」
玲音「うっ」
乗客たち「どうしたんだ」
『皆さま、お急ぎのところ申し訳ございません。ただ今この電車は事故の為停止中です』
乗客たち「なんだって?」「人身かな」
玲音「あ…」

玲音が電車の窓に手を触れると、電線から血がポタポタ垂れてくるのを感じる。
0267名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/23(土) 18:48:33.82ID:???
気付くと涙が出ていた。

先生「岩倉さん」
玲音「あ」
先生「岩倉さん」
玲音「あ、はい」
先生「ここ、テストに出るわよ」

再びぼやけてくすんで見える黒板。

早くワイヤードに来て―
0268名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/03/23(土) 18:49:45.78ID:???
帰りの通学路で、死んだはずの千砂とすれ違うのを感じる。

玲音「千砂ちゃん?そこ、どこ?」

微笑む千砂。

千砂「…」

消えてしまう千砂。

玲音「待ってよ」
0276名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/01(月) 16:37:42.30ID:???
玲音「ううん、違うよ。来てないんだ。分かんない」

朝から熊の着ぐるみを着て、パソコンに向かう玲音。

美香「なーんだ。誰か来てんのかと思った」
玲音「誰かって?」
美香「玲音の空想の、お・と・も・だ・ち」
玲音「…」
美香「とかね」
玲音「…」
(バタン)
美香「また遅刻するよ」
玲音「あ」

窓辺に並べられたクマ、ウサギ等のぬいぐるみ。
0277名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/01(月) 16:38:53.31ID:???
玲音が通学路を歩いていると、金髪の外国人が電柱に立っているのを見つける。
視線を感じしばらく見合うが、怖くて走って逃げてしまう。
青い目が頭から焼き付いて離れないのだった。
0278名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/01(月) 16:43:33.29ID:???
ありす「玲音!」
玲音「あ」
ありす「おはよう」
玲音「お、おはよう」
麗華「ほーら、やっぱり違うよ」
樹莉「そうかな。でも…」
0280名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/01(月) 16:45:03.20ID:???
ありす「よしなさいよ。可哀想じゃない、玲音が」
麗華・樹莉「ふふ」
ありす「何でもないよ。さあ、行こう」
玲音「うん」
樹莉「でもさあ」
麗華「ねえ」
ありす「もういいじゃない」
樹莉「うん、え?」
玲音「まだ、来てる?メール」
樹莉「メール?」
玲音「千砂ちゃんからの」
樹莉「ああ、あのこと?もう来てないって」
ありす「玲音にも来たの?いたずらメール」
樹莉「えー」
麗華「そうなの?」
玲音「…ちょっと、気になっただけ」
樹莉「なーんだ」
麗華「やっぱり似てっかな」
樹莉「え」
麗華「玲音、昨日の夜何してた?」
玲音「え」
樹莉「でしょでしょ」
ありす「だから違うって」
麗華「だよね、似てない似てない」
樹莉「えー」
玲音「何?」
麗華「いやさ、昨日の夜サイベリアに玲音そっくりの子がいてさあ」
玲音「サイベリア?」
樹莉「私たち昨日勇気出して初めて行ってみたんだよね」
麗華「大したことなかったじゃん」
ありす「緊張してたくせに。ふふふ。ああ、クラブだよ。夜中に若い子たちが集まるところ」
玲音「…」
0281名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/01(月) 16:47:21.43ID:???
ありす「そこで玲音にちょっと似た子がいたの」
玲音「私、昨日は」
ありす「分かってるって。玲音じゃないよ、その子。私たちもはっきり見た訳じゃないんだけど、
すごく派手な格好してたし、なんかすごい剣幕で怒鳴ってたし」
麗華「うん、まあ性格とかも全然違うって感じ」
樹莉「でも、似てたけどなあ。そうだ。今度玲音も連れて行こうよ」
麗華「あは、確かめるって訳?」
ありす「よしなさいよ。面白がってさ」
麗華「意外と、玲音みたいな子がクラブとか行くと突然性格変わっちゃったりしてねー」
ありす「そっか。玲音も少しは活発になるかな」
樹莉「そうだよ、行こう。玲音」
麗華「面白いかもよ」
ありす「玲音だって、もうちょっと社交的になったほうが楽しいよ。ね、玲音」
玲音「…」
0282名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/10(水) 18:20:50.23ID:???
『一種のスマートサプリメントであるこのアクセラは、ナノメカニズムによって、
体内にて固有の周波数の振動を発信し、ある特定のホルモンの分泌を促します。
そのホルモンが分泌されますと、人間の意識の中の時間の感覚が、影響を受け、
意識が加速したようになると言われています。
意識だけでなく、確かに脳の働きも活性化されまして、
演算機能が、倍から、最大12倍まで、高くなるようです。
このナノメカニズム自体、消化液で、日中夜でほぼ消滅しますが、その影響力は断続的に…』
0283名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/10(水) 18:21:48.01ID:???
玲音「あ…あ」
『今夜
サイベリアで、
楽しもうね!
ありす』
玲音「…」
『あたし―
今夜は、やめ』
(ピッ)
玲音「…」
0285名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/10(水) 18:23:42.38ID:???
玲音が廊下を歩いていると、ドアから誰かが覗いているのに気づく。

玲音「あ…」

他に何人か幻影が現われる。
あのドアに立っていたのは、
この前、玲音が通学路に出現した線路で見た轢かれた女の子であった。
0286名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/10(水) 18:24:30.21ID:???
家に帰ると運送屋のワゴンが停まっている。

運送屋の男性「ふー。あ、ここ、君んち?あー、やー良かった。お届け物です。
すぐ下ろしますので、よろしくお願いします」

うなずく玲音。

運送屋の男性「よっと」
玲音「…」
0287名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/10(水) 18:26:24.35ID:???
運送屋の男性「よっ。じゃ、ここにサインくれる?しかし、すげえなーこれ」
玲音「え」
運送屋の男性「俺も欲しいよ、こんな。お、ども。これって全部あんたんだろ」
玲音「分かんない」
運送屋の男性「ふーん、じゃあこれがなんだか知らないのか?」

うなずく玲音。

運送屋の男性「最新式のNAVIだよ。それもフル装備の。これだけのマシンパワーがあったら、
ワイヤードに入っても全然ストレスなく自由に動けるんだろうなー。
俺も自作マシンやってんだけどさ、全然敵わないや」
玲音「そんなこと、ない。私も全然知らないんだもの」
運送屋の男性「ふ、すぐ分かるって。じゃあ、どもー」
玲音「…」
0291名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/10(水) 18:30:19.09ID:???
康男「届いてたな。玲音のNAVI」
美穂「早く片づけてくださいよ。邪魔なんだから」
康男「食事が済んだらセットアップしてあげるからね。うーん、このNAVIは私が自分で使いたいくらいだよ」
玲音「パパ」
康男「ん?」
玲音「これ、今、セット欲しいの」
康夫「え?おいおいどうしたんだい、急に。玲音。そうしよう」
0292名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/10(水) 18:31:29.02ID:???
康男「子供用のNAVIなんてものを、いつまでも使っていてはいけないよ。
コミュニケーションというものは、人と人との関係が、成熟するのに合わせて、
それなりの高度なシステムが必要なものだ。分かるかい?玲音」
玲音「…」
0293名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/13(土) 22:27:22.76ID:???
康男「おいで。このマシーンのユーザー登録をしなさい。話しかけてごらん」
玲音「ハロー、NAVI」
康男「これでこのNAVIは、玲音のものだ。友達にも自慢出来るぞ。はっはっはっは」
0296名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/13(土) 22:29:43.01ID:???
(ピピッ ピピッ ピピッ ピピッ ピピッ)
玲音「…」

ありすからのメールが着ていた。
『玲音
今、どこ?
みんな待ってる
絶対 だよ♡』
0300名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/13(土) 22:32:54.99ID:???
玲音「…」
タロウ「ねえ、お姉さん」
ミューミュー「通れないよー」
玲音「あ、ごめんなさい」
タロウ「だからそんな方法じゃ、情報管理センターへすぐ見つかっちゃうって」
マサユキ「アタックするだけなら平気じゃない?」
ミューミュー「今度あそこのゲーセンでさー」
玲音「…」
0301名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/13(土) 22:34:53.06ID:???
樹莉「おーそーいー、玲音ったら」
麗華「この時間、玲音はいつも寝てるもんね。うふふ」
樹莉「玲音さ、夜なら夜向きの服ってもんがあるんじゃないの?」
玲音「あ…」
ありす「今度玲音に大人っぽい服選んであげようよ」
麗華「えー似合うかな」
ありす「麗華」
樹莉「じゃあさ」
ありす「なあに?」
樹莉「やっぱりこないだのって、玲音じゃなかったんだね」
麗華「だから、そう言ってるじゃないよ。玲音はあんな恰好しないし、
あんな言葉遣いしないし、あんな顔はしないってば」
玲音「その子って、そんなにそっくりだったの?」
樹莉「うん、私絶対玲音だって思ったもん」
玲音「そう」
(バキューン)
ありす「え」
(バリーン!)
「きゃあ!」「銃声が聞こえるぞ!」「殺されるぞ」「助けてくれ!」
樹莉「きゃあ!」
ありす「樹莉!」
樹莉「ああ」
玲音「…」

血が流れてくる感触を感じる玲音。
0302名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/13(土) 22:38:48.05ID:???
銃を持って興奮した男が立っている。

ありす「玲音!」
麗華「何してるんだよ、あの子」
ありす「麗華、樹莉を」
麗華「ありす。ありす!」
銃を持った男「何見てんだよ!」
ありす「玲音、何してんの!逃げよう、早く!玲音!」

また血が流れるのを感じる玲音。

ありす「玲音!玲音たら」
銃を持った男「向こう行けよ!」
玲音「…」
銃を持った男「あ、あ、あ!何で俺にこんなことさせんだよ!あんたは一体何の権利があるのさ!
ただ仲間をクリアにしたかっただけなんだ!知らない!そんなこと関係ない!神よ、俺は関係ない!
関係ない!ワイヤードは絶対にリアルワールドを干渉してはならない!俺は関係ない!あんたは誰なんだ!」
ありす「れ、玲音」
銃を持った男「ああ、あ…俺は関係ない。俺は関係ない。関係ない。関係ない。俺は関係ない。俺は関係ない」
玲音「どこにいたって、人は繋がっているのよ」
銃を持った男「あ…」

涙を流し銃口を口に向け、自殺する男。
その血が玲音に飛ぶ。
立ち尽くし、それを茫然と見つめる玲音。
0307名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/17(水) 00:31:10.33ID:???
刑事「君の両親は旅行にでも行ってるんか?教えてくれた番号にかけても誰も出ない」
玲音「嘘なんて、言ってない」
刑事「ああ、嘘とは思ってない。調べたからね。確かに君は、岩倉玲音で、その住所の電話番号だった」
玲音「…」
刑事「もう今夜は遅いから送らせるけどね。今度はちゃんと話をして欲しいもんだな。
そんな無口じゃ、いくら関係してないとしてもまずいだろ。ふう、やれやれ」
ありす「玲音、ごめんね。私たちのせいだね。大丈夫?玲音」
玲音「…」
ありす「大丈夫なの?玲音ったら」
玲音「あ…」
ありす「ん、何?玲音」
玲音「あ…り…す」
ありす「…」
ありすの母「ありす来なさい。帰りますよ」
ありす「玲音」
ありすの母「ありす!」
ありす「ごめんね。ごめん。ごめんなさい、玲音。明日、明日話そうね。ごめん!」
玲音「あ」
刑事「じゃ、君も帰るとするかい」
玲音「あ…りす」
0310名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/17(水) 00:35:10.18ID:???
自分の部屋をゆっくり開ける。
遠くで光るパソコンが見える。
玲音「…あ」
クマのスリッパを履いて、そこに近づいていく。
パソコンの画面をのぞき込む。
暗がりに映るクマやウサギのぬいぐるみ。
気付くと寝ていた。
目が覚めて、再び一階に降りていく。
誰もいないリビングを確認する。
ノックをし、両親の部屋も誰もいないのを確認すると扉をそっと閉める。
0311名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/17(水) 00:36:39.33ID:???
玲音「メッセージ…」
『レインあてのメッセージはありません』
玲音「…おやすみ、NAVI」
『おやすみなさい、レイン』
パソコンを見る玲音。
玲音「…」
暗がりで光るパソコン。
クマの着ぐるみを着て眠りにつく。
0312名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/04/17(水) 00:38:07.66ID:???
玲音「…」
朝、目が覚めると一瞬自分の家の天井か分からなくなる。
そっとドアを開ける。
一階に降りると、そこにはいつもと同じ光景が広がっていた。
0313名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/17(水) 00:38:41.18ID:???
美穂「寝坊して遅刻なんて、中学生にもなって恥ずかしくない?」
玲音「お母さん…昨日の、夜って」
美穂「え?何」
玲音「いい、やっぱり」
0314名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/17(水) 00:39:51.78ID:???
通学路を歩いていると、黒い車を発見する。
思わず立ちすくむ玲音。
中で煙草の火がつくのが分かる。
玲音「あ…あ…」
怖くなって走り出して逃げてしまう。
0315名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/21(日) 23:09:56.95ID:???
電車の中で声が聞こえる。
『玲音、玲音、玲音』
玲音「え…」
『俺だよ、玲音。分かるね?』
玲音「誰?」
『ひとりじゃない』
玲音「…」
0317名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/21(日) 23:11:55.09ID:???
女性生徒A「えー、すごーい」
女性生徒B「その子、可愛かった?」
女性生徒C「そう、テレビじゃ顔見せてくんないし」
樹莉「うん、それは」
麗華「あんたひいひい言ってたくせに。顔見たの?」
樹莉「そうだけど」
女子生徒たち「あははははは」
ありす「ん?」
女子生徒たち「あはははははははは」
樹莉「でも、ちょっとは」
麗華「怖くて見れなかった?」
ありす「玲音」
樹莉「玲音、昨日怒られた?」
麗華「別に、私たちのせいじゃないよ」
ありす「ごめん、ちょっと」
麗華「あ、そう。ありすが一番犯人の近くにいたんじゃん」
玲音「…」
女子生徒たち「えー」
女性生徒A「で、で、血ドバー?」
ありす「ああ」
樹莉「話してあげなよ」
女性生徒A「ねえ、ありす」
玲音「…」
ありす「…」
0318名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/21(日) 23:12:41.93ID:???
『という、ばかりではない。
周径には、ただのプロセッサーだと捉えると、全体が見えなくなってしまう…』
玲音「…」
『情報端末としてNAVIは小学生にまで普及するに至っているが…
ワイヤードでの活動限界は、マシンに依存しているのが現状だ。
周径は、いかなるNAVIの機能を劇的にあげることが出来る』
『私には、もうリアルワールドにはいる意味が無かったの』
玲音「あ…」
『私はリアルワールドにとって、いてもいなくてもどうでもいい存在だった。
それが分かったとき、私は肉体を無くすことに、なんの怖さも感じなくなったの」
玲音「うう…」
『玲音は誰?』
玲音「え」
『玲音は誰?』
『玲音は誰?』
『玲音は誰?』
0319名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/21(日) 23:14:41.06ID:???
ありす「でも私たち変だよ。私たち、昨日人が死ぬのを間近に見たんだよ。
それなのに、まるで映画でも見たくらいの感覚でいる」
麗華「だって、昨日の夜確かに私たちあそこにいたけどさ、何かリアリティが無かったって気がする」
樹莉「私もそんな感じかな。ありす、そんな深刻に受け止めない方がいいと思う」
ありす「そうじゃなくて、深刻に受けとめられないから変だって。ね、玲音」
玲音「え?あ、何」
ありす「あれ?それってラブレターとか?」
麗華・樹莉「えー!うっそー」
玲音「ち、違うよ。多分」
麗華・樹莉「みーせてみーせて」
麗華「ケチケチしないで見せなさいよ」
ありす「そんな無理したら可哀想じゃない」
麗華「うーん、茶封筒ね」
樹莉「なんて書いてあるの?」
麗華「うーん」
樹莉「えー」
麗華「何これ」
玲音「…」
麗華「つまーんない」
樹莉「やっぱりね」
0321名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/21(日) 23:16:03.35ID:???
『違うってば!私のボイスメールが覗かれてたのよ!信じらんない!』
『届いたレジュメにあった内容は、当該の情報が含まれておらず、
現在対応を検討しているところです。記者によりますと…』

『キスするのが好きなの。それだけで幸せになれる』

『こないだクラブでガキがアクセラとかで事件起こしたろ?
あれで闇に流してるやつらビビっちまったみたいでよ。全然ブツ入ってこねえんだって』

『プシューケーは台湾の工場で製造されてる模様です。
設計したと言われるのはナイツと呼ばれるグループだと知っていますか?
そもそもそのナイツが実在するものかもわかりません。ワイヤードから』

『気持ちいいよ。死ぬって』
玲音「…」
0322名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/04/21(日) 23:18:03.59ID:???
『ほら、約束した』
『した』

『やーだー。部屋に誰かいるの。緑と赤のシワシワの服着て、子供みたいな小さい人が。
寝室から動けない。ドアのところに立って私をじっと見てる。助けてよー』 
玲音「…」

『あなたの秘密の恋人、あなたと一緒にいた写真を持ってるんです。
私は一夜にしないんです。どうです?勝手にやるよりもあなたの会社に…』

『玲音、どうしてこっち来ないの?』

プシューケーを見つめる玲音。
0323名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/04/21(日) 23:20:19.41ID:???
『レインあてのメールが届いています』
玲音「NAVI」
康男「どうだい、玲音」
玲音「…っ」
康男「新しいNAVIには慣れたかい?どうかしたのかい?」
玲音「これ、知ってる?」

プシューケーを差し出す玲音。

康男「知らないなあ」
玲音「お父さんなら」
康男「…」
玲音「お父さんなら、知ってるかなって」
康男「知らないと言っただろ」
玲音「…」
0326名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/04/26(金) 23:02:02.84ID:???
再びサイベリアに行く玲音。
階段でキスをしている男女がいる。
男「なあ、いいだろ?」
女「…あ」
男「おい、好きなんだよ」
玲音は思い切ってドアを開けた。
0327名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/04/26(金) 23:02:37.93ID:???
DJの男「レイン。最近どうしてたんだよ。あんまり顔見なかったからよ」
玲音「私…」
DJの男「あれ?今日はやけに少女趣味してんじゃん」
玲音「…」
DJの男「またレイヴやっから俺も頼むぜ」
玲音「…」
0328名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/04/26(金) 23:05:24.32ID:???
タロウ「何お前かっこつけてんだよ」
マサユキ「お前こそ。ははははは」
ミューミュー「はははははは」
玲音「これ、知ってる?」
タロウ「あ。えー!それ、プシューケーじゃねえのか」
マサユキ・ミューミュー「え」
マサユキ「ま、まさか」
ミューミュー「うそー。私初めて見た」
マサユキ「ど、どこで買ったの?」
玲音「知ってるの?」
タロウ「何言ってるの?それ入れたら、こいつでも、ワイヤードでフルアクセス出来るだろうが」
玲音「これ、どうやって使うの?」
ミューミュー「だっさー。そんなのも知らないの?ふふふふふ」
マサユキ「ねえ、これって。これって」
タロウ「バカ、買えるかよお前が。NAVIは何?」
玲音「よく分かんないけど、TACHIBANAの。多分、一番新しいやつ」
タロウ・マサユキ「えーすげー」
タロウ「あのさ。それ、自分で内部にアクセスした?」
玲音「…」
マサユキ「ふーん、あんた中2?中3?」
玲音「2」
マサユキ「だったら情報機関習ってんだろ?NAVIのマザーボードの基本的なレイアウトは、教科書に載ってる。
こいつは、メインプロセッサーの裏側にコネクトするんだ。そこで本来の情報をインターセプトして、
勝手に動作する。作業自体は、プラモ作るよか簡単だよ。静電気にだけ気を付ければね」
玲音「そう、ありがとう」
0329名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/04/26(金) 23:07:52.16ID:???
タロウ「待ってよ。情報はタダじゃないんだぜ。ワイヤードでもリアルワールドでも」
マサユキ「いくらもらう?いくらもらう?」
玲音「えっと…」
タロウ「あんたさ、レインでしょ」
玲音「え」
タロウ「俺、前に一回見てるんだ。ワイヤードでね」
玲音「私を、ワイヤードで?」
タロウ「そん時は、今と全然違ってた」
0330名無しが氏んでも代わりはいるもの
垢版 |
2024/04/26(金) 23:09:16.75ID:???
タロウ「ワイヤードでは、リアルワールドと違う人格を装うっていうのは、まあ普通だけど、
ちょっと極端だね、あんた」
ミューミュー「うっそー」
タロウ「この前この店でバカな事件起こした時にもいたでしょ。何企んでんの?」
玲音「私、何をしてあげたらいいの?」
タロウ「一回、デートしてよ」
ミューミュー「バカ」
タロウ「へへ。でも今の人格じゃなくて、あの、イッちゃってるレインのほうでだよ」
玲音「…っ」
タロウ「じょ、冗談。またその気になったときにでも」
ミューミュー「何言ってんだよ!」
マサユキ「あのさ」
タロウ「いいんだよ。行くぞ」
ミューミュー「うん!何が。ふん!」
玲音「…」
0331名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/26(金) 23:10:41.40ID:???
下校途中の美香が黒い車の前を通り過ぎる。
美香「あ、あの…家にご用ですか?どなたですか?あ…」
アジア系の外国人「あなたは、私たちと会っていない」
美香「な、何よ。警察呼ぶわよ」
金髪の外国人「なぜなら、私達は今、ここにいないから」
美香「や、やだ…な、何よ!」
0333名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/04/26(金) 23:12:02.60ID:???
美香「ふん。
あ…な、何してんのよ。玲音。
…何してんのよ、そんな恰好で」
玲音「うん、静電気がまずいんだって。服は、脱いじゃったほうがいいらしいんだ」
美香「バ、バッカじゃない」
玲音『あ、おかえり。お姉ちゃん』
0336名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/02(木) 21:58:10.97ID:???
暗がりに浮かぶクマやウサギのぬいぐるみたち。
パソコンを組み立てるため、玲音はパソコンの説明書を読んでいた。

康男「…」
玲音「…」
康男「…」
0338名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/02(木) 21:59:29.28ID:???
美穂「どうでした?」
康男「…」
美香「玲音、おかしいよ。まあ、今日に限ったことじゃないけど」
康男「いいや、おかしくはないんだ」
美香「ああん?何よそれ」
美穂「美香、お父さんに言葉遣いが悪いわよ」
出ていく美香。
美穂「そうなのね?」
康男「そうなんですよ」

康男の頭をなでる美穂。
美穂を抱き寄せる康男。
0339名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/02(木) 22:01:14.94ID:???
男「はあ、なあ、!、うわああああああ!
はあ、はあ、はあ、あああああ!あああああ!くそー!くそー!はあ、はあ、はあ、くそ、くそ」
少女「…」
男「うわあああ!!!あああ!!くそ!くそ!くそ!
はあ、はあ、はあ、はあ。なんなんだよ!なんだってんだよ!くそー!くそー!はっ…はあ、はあ、はあ、うはあ」
少女「ガッチャ」
男「うわああああああ!!!」
0340名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/02(木) 22:03:19.53ID:???
樹莉「次の時間ホームルームなんでしょ?ラッキー」
麗華「臨時の職員会議なんて、変だね」
ありす「やっぱり、あれほんとなのかな」
麗華「あれって?」
ありす「高等部の3年の先輩が自殺したって」
樹莉「じ、自殺…?」
ありす「うちの学校だけじゃなくて、こないだも団地の屋上から飛び降りたっていうし。ね、玲音」
玲音「え、あ」
ありす「…」
玲音「ごめん、なあに?」
ありす「…」
樹莉「玲音がそういうの聞いてる訳ないよね」
玲音「自殺のこと?」
麗華「知ってんの?あんたが?」
ありす「ほんと?」
玲音「ていうか。私も聞いただけ」
ありす「どこで?」
玲音「ワイヤード」
ありす「ああ、もう新しいNAVIに慣れたんだ。今度私にも見せてよ」
玲音「うん、いいよ。でもちょっと改造してるの」
樹莉「改造?玲音ってばそんなハッキーな趣味あったっけ?」
麗華「あのさ、最近ちょっと変わったね。あんた」
玲音「え、そう?」
樹莉「そうかな」
麗華「うん、なんかさ」
ありす「…」
0341名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/02(木) 22:05:19.91ID:???
ありす「で、ワイヤードじゃ、どんな噂になってるの?」
玲音「えっと。なんかゲームなんだって」
麗華「ゲーム?ネットワークゲームのこと?」
玲音「よく分かんない。私やってないから。でも、死んだ子たちってみんなそれにハマってたって」
樹莉「男子って好きだよね。そういうの」
ありす「ふーん、ゲーム。でもどうして」
玲音「私、う…」

クレープを急いで飲み込む玲音。

ありす「そんなに急に。ノドにつかえるよ」
玲音「だ、大丈夫。私、先に帰ってもいい?」
麗華「いちいち断んなくたっていいけどさ」
樹莉「何か用事?」
玲音「早く帰ってNAVIを組み上げたいの。まだ、ちゃんとしてないから」
樹莉「ふーん、友達よりマシンか」
玲音「え」
ありす「樹莉。よしなさいよ、そういう責め方」
樹莉「別に責めてないじゃん」
ありす「玲音、完成したら見せてね」
玲音「うん。じゃあ、ごめんね」
ありす「確かにあの子変わって来た。あ」

不意に犬のぬいぐるみをぶつけられるありす。

ありす「ああ、ごめんなさい。はい」
少女「ううん、私のほうが悪いの。お姉さん、ごめんね」
0342名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/02(木) 22:06:25.54ID:???
玲音「ログイン、れいん」
『Authorize』
玲音「メール…」
『Voice Mail』

『こんにちは、lain。君がくれた質問は僕一人じゃ解決できないので、僕の研究室の仲間に聞いてみた。
もし君が本当にプシューケ―プロセッサーを持っているのだったら、
多分、君の予想通り、発信はバリア部に設定すべきだ。
NAVIのマザーは大体、どこの製品でも規格が統一されているんだけど、多少の使用差はあるからね。
成功を祈ってるよ。じゃ、また何かあったら聞いてくれ』
玲音「…」
0343名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/02(木) 22:07:18.36ID:???
《クラブ サイベリア》

レイン「J.J.」
J.J.(DJの男)「ああ?」
レイン「ガキンチョたちがハマってたネットゲーム知ってる?」
J.J.「ああ、ファントマね。よしなって、あんたみたいな大人がやるもんじゃねえよ。
なあ、レイン。うっそ、マジ。俺も空耳聞くようになっちまったかよ。はあ」
0345名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/06(月) 17:44:10.20ID:???
少年「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ。
俺は、俺は、もうやめたんだ!関係ねえよ!」

ファントマの戦場に現れるれいん。

少年「うわっ、うわああ!!うう…うう…はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」

NAVIを割る少年。
0346名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/06(月) 17:46:39.58ID:???
少年「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、ここはワイヤードじゃねえんだぞ!
何で、何でこんな、はあ、はあ、はあ…」
れいん『待って。逃げないで』
少年「誰だよ!お前もPKかよ!助けてくれよ!」
れいん『私はそこまで行けない』
少年「何なんだよ!」

無数に現れる手形。

少年「あ、ああ!ふざけてるんじゃねえよ!ああ…」

少女が現われる。

少年「くっ…う…うわあ…」
少女「ぐわあ!」
少年「ああ、ああ!ゲージファイブ!くたばれ!」
少女「ぐわあ!」
少年「くたばれ!くたばれ!くたばれ!くたばれ!」

少女が死んでも撃ち続ける少年。

少年「くたばれ!くたばれ!くたばれ!くたばれ!くたばれ!くたばれ!」

弾切れしたことに気付く少年。

少年「あ…あ…」
0348名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/06(月) 17:48:24.86ID:???
少年「僕、ただ怖かっただけで、ちっちゃい子だったなんて、そんなの。
僕、悪くないですよ。だって、全然知らなかったし。
ファントマは専用のクライアントアプリケーションなんで、
それを使ってワイヤードの中で戦うってゲームです。
僕はちょっと前に、非合法なサーバーから、そのアプリをダウンロードして遊んでました。
そのゲームは、僕らにはダンジョン型のアクションゲームっていうインターフェイスだったんですけど、
幼稚園で使ってるちっちゃい子用の鬼ごっこゲームと何故かリンクしてたみたいで」
0349名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/06(月) 17:51:15.28ID:???
『メールが届きました』
玲音「開いて」
『やあ、lain。君がファントマなんてものに興味があるなんて、知らなかったぜ。ふふふふふふ。
一応調べてみたけど、どうも解らん。
ああ、いや、ベースになったゲームは、ワイヤードでも珍しくもないタイプで、多分それを改造しただけだと思う』
玲音「…」
『問題はプログラム同士を複合させるという部分だ』
玲音「…」
『プロトコルに変な穴があるみたいなんだ。僕らの間では、これもナイツの仕業じゃないかって』
玲音「ナイツ…」
康男「玲音、ずいぶん慣れてきたようだね。ワイヤードとの付き合い」
玲音「うん」
康男「ひとつだけ忠告しておこう」
玲音「え」
康男「ワイヤードは、あくまでも情報を伝達し、コミュニケーションするための空間。
リアルワールドと混同してはいけない。忠告の意味、分かるかな?」
玲音「違うよ」
康男「え」
玲音「そんなに境界ってきちんとしてないみたいだよ。もうすぐ中に入れるんだよ。フルレンジ、フルモーションで、私をメタファライズさせて」
康男「そんなこといくら最新でも民生用のNAVIでは」
玲音「出来るよ。改造したから」
康男「プシューケープロセッサーか。しかし」
玲音「心配しないで。私は私だもの」
康男「そうかな」
玲音「…」
0351名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/06(月) 17:55:38.84ID:???
『玲音、どうして早くこっちに来ないの?』

その時赤いレーザービームが部屋の中に照らされていることに気付く玲音。

玲音「…あ」

外に黒い車が停まっている。

玲音「…」

赤いレーザービームは二つになった。
金髪の外国人と、アジア系の外国人がゴーグルのような機械をつけて立っている。

玲音「あっちへ行け。あっちへ行け!」
アジア系の外国人「うわ!」

その時、アジア系の外国人のゴーグルのような機械が割れた。
パソコンは再び動き出す。
黒い車は走り去った。
0355名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/14(火) 20:46:26.02ID:???
『人はもはや、進化のしない生き物ではないのか。
ガンの発生率が他の動物に比べて極めて少ない。
人類はもはや進化出来ないという学説がある。
もしそれが本当だとしたら、なんと愚劣な生き物に進化してしまったものだ。
自分達を動かしている力のことも知らず。
ただ欲望を満たすためだけに肉体を維持している。
つまらないとは思わないか?
人間なんてそんなものでしかない。
そんな惨めな人間で居続ける必要はないんだ。
抜け出すための出口は、人間はやっと生み出せたんだからね』
玲音「何のこと?」
『ネットワーク。ワイヤードのことさ、れいん』
玲音「あなたは、誰?」
『僕は、神様だよ』
0357名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/14(火) 20:47:29.79ID:???
《渋谷》

たむろする若者達を見る美香。

美香「あーあ…」

群衆の悲鳴が上がるその中を、赤い車がそこを突っ込んでいく。

美香「…」
0358名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/14(火) 20:48:54.14ID:???
玲音「お話して」
人形『…』
玲音「ねえ、ねえ」
人形『…』
玲音「お話、して」
人形『どんな話を聞きたいの?玲音ちゃん』
玲音「うーんと、うーん。私が知らないこと」
人形『あなたが知らないことは、存在しないことだわ。
存在しないお話なんて、私は出来ないの。解ってるでしょ?』
玲音「…」
人形『じゃあ、こういうのはどうかしら。
出来事と言うのは、まず最初に預言があるものよ。
出来事は、預言があって初めて現実化するの』
玲音「誰?誰が預言をするの?」
人形『…』
0359名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/14(火) 20:50:06.84ID:???
『東京各地で、VCZX道路交通配信情報システムが、間違ったデータを配信。
特に渋滞している交差点などで、信号機と乗用車やトラックの自動走行プログラムが干渉し合い、
暴走するなどの事故が多発しました。
東京渋谷では、死傷者が出るなどの被害が出ておりますが、
情報庁では、既にシステムは普及しており、今後こういう事故は起きないと話しています』
0361名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/14(火) 20:53:12.70ID:???
美香「あ…」

美香もまたローン会社のティッシュを受け取る。

美香「チッ」
タロウ「あの」
美香「え」
タロウ「あの、ナンパして、いいっすか?」
美香「はあ…」

無視して立ち去る美香がタロウにぶつかる。
その時タロウが飲んでいたコーラが、美香の制服にかかる。

タロウ「あ」
美香「ああ」
タロウ「やっべ。またね!」
美香「ちょ、ちょっと!むかつく。あーあ、もう。これじゃあシミになっちゃうよ。ん?あ…」

美香がふとティッシュを見ると、そこに赤い字で文字が書かれていた。
“冥府で溢れている死者共は行き場を失うだろう”

美香「な、何よこれ。縁起悪。はあ。チッ」
女A「何あれ」
女B「やーだー」
男B「おかしいんじゃねえの」

赤信号の交差点で何かつぶやきながら佇む玲音。

美香「あ、玲音。なんなの…あいつ。あ!」

美香がふと新宿アルタビジョンを見つめるとそこに玲音が映るのだった。
0362名無しが氏んでも代わりはいるもの
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2024/05/14(火) 20:53:54.15ID:???
玲音「…」
置物『預言は実行されるんだ、玲音』
玲音「それじゃあ、預言じゃないじゃない」
置物『いや、預言なんだ。
歴史と言うのは、リニアに流れている時間軸上にて、
ただ点として通過されるものではないんだ。それらは全て線で繋がっている。
いや、繋げさせられてるといったほうがいいかも知れない』
玲音「誰に?誰に繋げさせられているっていうの?」
置物『…』
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