少女革命ウテナ(再)
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
ウテナ「その塔の鐘が響き渡る放課後。華麗なる学園で動き出す危険な秘密。
決闘の森。ディオスの力。世界の果て。
彼と彼女らは、薔薇の刻印の掟に支配された決闘者」
アンシー「あなたなら出来ます。世界の全てを変えることが」
ウテナ「よく分からないけど、この決闘に勝てばいいんだな」
『少女革命ウテナ』
ウテナ「いざ!僕が王子様になるってことだろう」 ウテナ「どうして空中にお城が?」
西園寺「そうか。あの城を見るのは初めてだったのか」
ウテナ「なんだ?あれは。あんなの森の外から見えなかったぞ?」
西園寺「蜃気楼の一種さ。ま、手品みたいなものだと思えばいいさ」
ウテナ「蜃気楼?」
西園寺「それにしても、生徒会以外にも君のように薔薇の刻印を受け取った者がいたとはな」
ウテナ「薔薇の刻印?」
西園寺「これのことさ」
ウテナ「その指輪」
西園寺「アンシー!用意しろ」 ウテナ「姫宮アンシー…。
姫宮、なぜ君がここに?」
西園寺「花嫁は当然立ち会うさ。決まりだからね」
ウテナ「花嫁?はっ(この香り……同じだ。あの人の薔薇の香りと)」
アンシー「この胸の薔薇を散らされた方が負けですから」
ウテナ「え?」
アンシー「頑張ってくださいね」 アンシー「ああっ」
ウテナ「何をする!」
西園寺「ふざけるなアンシー。お前は薔薇の花嫁だ。つまり僕だけの花だ。
なのに他の奴に頑張れとはどういうことだ」
アンシー「すみません、西園寺様」
ウテナ「馬鹿!こんなにされて、なんでヤツに従う!」
アンシー「西園寺さまが、今現在の決闘の勝者ですから、私を思いのままに出来るのです」
ウテナ「なんだよそれ…恋人じゃなかったのか?」 西園寺「さ、始めようぜ」
ウテナ「よく分からないけど、ともかく、奴に勝てばいいんだな」
アンシー「…」 アンシー「気高き城の薔薇よ」
ウテナ「なんだ?また手品か?」
アンシー「私に眠るディオスの力を、主に応えて、今こそ示せ」
西園寺「世界を革命する力を!」 西園寺「はっはっはっは」
ウテナ「くっ、くっ」
西園寺「はっはっはっはっはっはっは。
なかなかやるじゃないか。女の子にしては。
か弱いお姫様を助ける王子様のつもりか?フッフッフッフッフッフ。だが!はっ!」
ウテナ「!まさか
その手品の剣、本物なのか?」
西園寺「驚いたな。なんの仕掛けもないただの竹刀で、このディオスの剣に挑んでくるとはね」
ウテナ「ディオスの剣?」
西園寺「ディオスの剣を知らないのか?君は何者なんだ?興味深い存在だ」
ウテナ「まだ、勝負はついちゃいない」
西園寺「確かに。お望みなら、一突きで胸の薔薇を血に染めてあげよう。
命をかけてぼくに向かってくる勇気が、もし君にあるんならねぇ。
お姫様を救う白馬の王子様。フッフッフッフッフッフ」 ウテナ「はーっ!」
王子『たった1人で、深い悲しみに耐える小さな君、
その強さ、気高さを、どうか大人になっても失わないで』
西園寺「何!?」
ウテナ「はーっ!」
アンシー「ああっ!」
西園寺「馬鹿めー!」
ウテナ「やー!」
西園寺「はー!
そんな……僕が、負けた……はっ、アンシー」
アンシー「ごきげんよう、西園寺、先輩」
西園寺「…!」 桐生「意外な展開だ。あの子、確か中等部の子だったな。
いいね、ベイビー。俺のハートに火をつけたぜ」 ウテナ「あーあ。なんだかヘンテコな目に遭わされたなー。一体何だったんだ?もう早く忘れよう。
あ?君は」
アンシー「お待ちしておりました、ウテナ様。私は薔薇の花嫁。今日から私は、あなたの花です」 次回予告
ウテナ「明日の放課後、決闘広場でリターンマッチだって?
その生徒会の規則に逆らうものは、学園に居られなくなるって本当か?」
アンシー「いいんですか?ウテナ様。もう決闘は受けないんじゃなかったんですか?」
ウテナ「わざと負けるさ。それで問題はないわけだ」
アンシー「ええ、お好きなように」
ウテナ「次回、少女革命ウテナ。誰がために薔薇は微笑む」
アンシー「絶対運命黙示録」
『誰がために薔薇は微笑む』 >>1
ネタバレ
作中、前田利家は意固地な年寄り、慶次郎(利益)は若武者として描かれているが、実は利家より慶次郎の方が10歳ほど年長である
慶次郎は当時としてはかなりの長命で、大坂の陣における豊臣家の滅亡後、盟友直江兼続の死(1620年、享年60歳)と同年、米沢にて病死した(諸説ある生年のうち最も古いものを採用すると87歳)
世に聞こえた猛将であったが、北の関ヶ原と呼ばれた慶長出羽合戦(慶次郎67歳前後)以降は戦に参加することもなく、上杉家でただの食客となっていた
身長六尺五寸(197cm)というのはフィクションで、当時の平均的な身長であった伊達政宗(159cm、墓所改葬時の遺骨測定による)よりやや高い程度
北条氏盛 1577~1608年 狭山藩初代藩主(実父:北条氏規(氏政の同母弟)、養父:北条氏直(氏政の嫡男))の覚書によると
藤堂高虎の他には直江兼続や前田利家が諸侯より頭一つ以上抜けた長身であったらしい
慶次郎の晩年は風流三昧で酒好きの年寄りであり、戦の話は村の子供にしかしなかったという
前田正虎(安虎、安太夫)生没年不詳
前田家を逐電する際に残してきた慶次郎の長男
1587年 前田利久(慶次郎の義父)が亡くなった際、利家から利久に与えられていた2,000石を相続し前田利家の直臣に列した
1590年 慶次郎が出奔した際には、正虎を含む慶次郎の妻子は加賀に留まり随行していない
数年後、慶次郎が伏見に滞在していると聞きつけた正虎が京都に探しに出て古田重然(織部)に消息を尋ねたとされている
利家の死後は、前田利長、前田利常に仕えた
加賀藩では郡代を務め、藩内の統治法策定に参画するなど忠勤に励んだ
それらの功により1,500石加増されたが子には恵まれず七尾で没した
ここに慶次郎の男系子孫は途絶 女子生徒達「ウテナさま〜!おはようございまーす!!」
ウテナ「おはよう」
女子生徒達「かっこいい〜〜〜!!!」 ウテナ「おはよー」
女子生徒A「おはよー」
(男子生徒A「誰かのラブレターが貼り出されているんだってさ。
ええと、なになに。そして私は、夢の中で西園寺様と踊っていました」
若葉「…!」)
ウテナ「おはよー若葉。珍しく読書なんかしちゃってー。それ、なんていう本?ねえ」
若葉「……」
ウテナ「あ…。…。ん?」
若葉「ずっと、さ。ずーっと好きだった男がいて、
でも失恋するんだけどそのすぐ次の日に都合よく他の男が現れて、ヒロインと結ばれるの」
ウテナ「あ」
若葉「昔読んだ時はね、許せーん、つまらーん、とか思ったんだけど、今読むとチョー燃えたね!」
ウテナ「ああ……」
若葉「……あーやっぱ私はウテナだけのものよー!ウテナ、ウテナ、ウテナさまーん!私だけのものー」
ウテナ「あのさー若葉。お願いだからそのあなたのもの、っていうのはやめてくれる?」
若葉「なんで?」
ウテナ「はあ……ん?」
アンシー「おはようございます」 桐生「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでゆく。
我らの雛だ。卵は世界だ。
世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく。世界の殻を破壊せよ」
桐生・幹・有栖川「世界を革命するために」 桐生「世界の果てからの手紙は、諸君にも届いたかな?」
幹「ええ」
有栖川「届いている」
桐生「我々は皆、手紙に従って集い、手紙の指示通りに行動してきた。
この手紙に書いてある通り、昨日西園寺は敗れ、
薔薇の花嫁はその決闘に勝った少女とエンゲージした」
有栖川「我々生徒会以外にも、世界の果てから手紙を受け取っていたものがいたのか」
桐生「さあな。だが、薔薇の刻印ははめていた。この目で見た」
有栖川「何者だ?その少女」
幹「天上ウテナ。中等部では結構有名ですよ。人気者です」
桐生「凛々しくて、可愛い子だったなあ」
有栖川「冗談じゃない。我々の知らない間に、決闘の参加者が増えているなんて。
今後もそんなことがあるなら」
桐生「あるならどうする?ゲームを降りるか?世界の果ては、いつも一方的に我々に手紙を送ってくるんだ。
それに従うかどうかは、俺達の自由だ」
幹「この薔薇の刻印で決闘広場の扉が開き、手紙に書いてある通り、幻の城は出現しました」
有栖川「わかっている。あれだけのものを見せられたら、降りるわけにはいかない」
桐生「そう、世界のは果てからの手紙は言っている。
決闘に勝ち、薔薇の花嫁とエンゲージするものが、
やがてはあの城にたどり着き、世界を革命する力を手にいれるのだ。
我々は、だから戦い続なければはならないのだ」 若葉「もう、こんなに仲良しこよしを別々の部屋にするなんて、神様って残酷よね?」
ウテナ「しょうがないさ。生徒会の決め事だから。ま、一人部屋らしいから、クールな僕の趣味には合ってるよ」
若葉「でも、東館って10年以上使ってなかったから、きっと部屋の掃除は大変よ?」
ウテナ「10年……」
若葉「まあ、1人で掃除するのも、きっとクールなウテナの趣味には合ってるわよねー。
じゃ、私の部屋は南館の3階だから、お化け屋敷に飽きたら遊びに来てよね?さらばじゃー」
ウテナ「お化け屋敷かー」 ウテナ「なんだよー、可愛い建物じゃーん。ちぇ、若葉のやつ、脅かしやがって。
こんにちわー。
天上ウテナですけどー。誰もいないのかー?まさかこの寮に1人で住めってんじゃないだろうな?
えーと、2階の奥の部屋、と…。
う。10年かー、あり得る。うーん、うーん、うーん、うーん。よし!あ?あ」
アンシー「すみません、ウテナ様。もうすぐ終わりますから」
ウテナ「なんで君がここにいるの?」
アンシー「今日からご一緒させていただくことになります。よろしく」
ウテナ「よろしく。ってここは一人部屋じゃあないのか」 ウテナ「君と同室になるなんて、不思議な巡り合わせだなー。
ずいぶん綺麗に掃除してあるねー。君1人にやらせて悪かったよー」
アンシー「夕べのうちに、ほとんど済ませておきましたから」
ウテナ「でも。この寮の部屋割りが発表されたのはついさっきだろ?」
アンシー「一緒の部屋になったのは、偶然じゃありません」
ウテナ「ええ?」
アンシー「それが、薔薇の刻印の掟なのです」
ウテナ「あー?あうっ」
アンシー「私は、薔薇の花嫁ですから」
ウテナ「は、花嫁?」
アンシー「私は、決闘で勝った方と、エンゲージしなければならないのです」
ウテナ「大丈夫かー?」 ウテナ「1つ、聞くけど、あの蜃気楼の城や、手品の剣とかは、一体何なの?」
アンシー「不思議ですよねー」
ウテナ「ですよねって、何、君も知らないのかー?知らないのに、なんでそんなことしている訳?」 アンシー「ウテナ様は、何故いつも男装なさっているのですか?」
ウテナ「あ。これは、なんとなく、まあ、好きだから」
アンシー「私も同じです。私たちがいると、迷惑ですか?」
ウテナ「そんなこと言ってないけど。え?私たち……え?」 ウテナ「え?」
チュチュ「ちゅー」
ウテナ「あ、うう」
アンシー「紹介します。友達の、チュチュです」
ウテナ「君のペット?」
アンシー「友達です」
ウテナ「ああ」
アンシー「まあ、大変」
ウテナ「どうぞ?えっへへへ」
チュチュ「アイヤ。げぷ」
ウテナ「よろしく、チュチュ。僕は天上ウテナ。僕も君の友達にしてくれるかい?」
チュチュ「チュイー」
ウテナ「はは」
チュチュ「ちゅ、ちゅ、ちゅー」
アンシー「チュチュが人に懐くなんて初めてですー。ウテナ様」
ウテナ「あーのさー、そのウテナ様ってのはやめてくれよー」
アンシー「でも、ウテナ様は私とエンゲージした方ですから」
ウテナ「はー。またそれか」 ウテナ「あの西園寺ってやつは、これと同じ指輪をしてたけど、
これが何なのか君は知っているのかい?」
アンシー「ここの生徒会の人たちは、みんな持っています。それは薔薇の刻印。
その指輪を持っているのは、決闘の参加資格のある人です」
ウテナ「え」
アンシー「だから、現在の勝者であるウテナ様には、
これから薔薇の刻印を持つ人たちが、次々と決闘を挑んでくるはずです」
ウテナ「冗談じゃない!僕はそんな無意味な決闘をするつもりはないから!」 西園寺「フン!お前か、生徒会長」
桐生「邪魔だったかな?副会長」
西園寺「いや、君も一応うちの部に籍は置いているんだ」
桐生「剣道部主将が、また中学生と喧嘩するのか」
西園寺「あたりまえだ。世界を革命する力は、この僕のものだ。
あんな娘が花嫁とエンゲージするなんて間違っている」
桐生「それは仕方ないさ。とにかく彼女は、姫宮アンシーは、決闘の勝利者とエンゲージする」
西園寺「違う!彼女は僕のものだ。彼女は永遠に僕の言うことを聞くと、ちゃんと交換日記にも書いていた」
桐生「してたのか?交換日記」 ウテナ「まいったなー。この寮って、本当に僕と彼女の2人だけしかいないわけー?
これも薔薇の刻印の掟とかいうヤツか」
チュチュ「チュチュチュチュチューチュチュチュー!」
ウテナ「あむ……ん。チュチュ!早く彼女を呼んできてくれよ!
でないと、この広い食堂で1人きりの食事になっちゃうよー」
チュチュ「チュチュッ、チューチュ、チューチュ、チューーーー!」
ウテナ「え?」
チュチュ「チュー、チュー」 西園寺「何故だアンシー!どうして僕のいうことが聞けない!」
アンシー「ごめんなさい、西園寺先輩。今の私は、ウテナ様とエンゲージしていますから」
西園寺「しかし君は、僕とエンゲージしている時、君の全てを僕に捧げると誓ったではないか」
アンシー「ええ。でもそれは過去のこと。あなたとのエンゲージは、終わったのです。諦めてください」
西園寺「はあ。恥知らず!」
アンシー「ああっ」
西園寺「破廉恥にもほどがある」
ウテナ「破廉恥なのはお前だ!」
チュチュ「チュー……」 西園寺「君か。まあちょうどいい。この前の決闘では僕も油断した。
薔薇の花嫁が誰のものなのか、はっきり決着をつけようじゃないか。
明日の放課後、決闘広場でリターンマッチだ」
チュチュ「チュッチュッ。チュー。ぶしっ」
ウテナ「ばかばかしい。理由のない決闘をするつもりはないね。
僕が昨日あなたと決闘したのは若葉の、友達のためさ。薔薇の花嫁なんて興味ないね」
西園寺「そっちになくても僕にはある。
デュエリストとして薔薇の花嫁とエンゲージするつもりなら、君は断れない。
生徒会の規則に逆らうものはこの学園にいられなくなる。
それは校則にもさだめられている」
ウテナ「わかった。受けて立つ。明日の放課後、決闘広場で会おう!」
西園寺「フッ」
チュチュ「およっ。チューチュチュー!」
アンシー「決闘を、受けないんじゃなかったんですか?」
ウテナ「仕方ないさ。決闘を受けなきゃこの学園にいられないって言うんだから。
わざと負けるさ!それで問題はないわけだ」
アンシー「ええ、お好きなように」
チュチュ「チュッ」 影絵少女A「かしらかしらー、ご存知かしらー」
影絵少女B「今日も裏の森で、また決闘があるんですってー」
影絵少女A「いよいよ決着をつけるときがきたぜ」
影絵少女B「バキューン」
影絵少女A「うおー、やられたー。でも平気。だってわざと負けたんだもーん」
影絵少女B「でもでも勇者さまー」
影絵少女A「わざと負けちゃう難しさ」
影絵少女B「果たしてあなたはご存知かしらー?」
影絵少女A「かしらかしら」
影絵少女達「ご存知かしらー?」 (♪
絶対運命黙示録
絶対運命黙示録
出生登録・洗礼名簿・死亡登録
絶対運命黙示録
絶対運命黙示録
わたしの誕生・絶対誕生・黙示録
闇の砂漠に 燦場・宇葉
金のメッキの桃源郷
昼と夜とが逆回り
時のメッキの失楽園
ソドムの闇
光の闇
彼方の闇
果てなき闇
絶対運命黙示録
絶対運命黙示闇・黙示録
もくし くしも
しもく くもし
もしく しくも…
) 西園寺「ルールは知っているな?」
ウテナ「胸の薔薇を散らされた方が負けなんだろう?」
アンシー「お気をつけて」
ウテナ「ああ。わざと負ける勝負で怪我をするのはばかばかしいからね」 アンシー「気高き城の薔薇よ。私に眠るディオスの力よ。主に答えて、今こそ示せ!」
ウテナ「世界を革命する力を!」 天体時代 原始の海洋 浸食 堆積
三十億年 生命誕生 地質時代
カンブリア オルドビス シルル デボン
ストロス トライト バクテリア コレニア 三畳 ジュラ紀 白亜紀
西園寺「はあっ!」
ウテナ「はっ、はっ」
西園寺「ていっ!ていっ!ていっ!ていっ!」
アンシー「…」
ウテナ「ハッ、ハッ、ハッ!」
西園寺「フンッ!はああああああ!」
ウテナ「ううっ」
西園寺「もらったぁ!」
ウテナ「ううっ」 ヒカゲノカズラ イワヒバ プレウロメイア
カイトニア ベンネチテス アンモナイト
ウミノバラ ウミノユリ ウミリンゴ ウミツボミ
ウミテンシ ウミカガミ ウミトビラ ウミカゲロウ
石炭 二畳紀 古生代
西園寺「いい度胸だ。命より薔薇をかばうとはな!
わかっているな!生死に関係なく、薔薇を散らされたものの負けだ」
ウテナ「……」
西園寺「フッ、うおおおおおお!」
桐生「…」
西園寺「ディオスの剣といっても、剣自体に特別な力があるわけではない!
それは最も優れた者がもつべき王者の剣!
昨日は油断したが、実力の差ははっきりしている!うらあ!」
ウテナ「うわあっ」
アンシー「ああっ」 ウミノアナタ
ウミノワタシ
肉体の中の古生代
生き続ける
死に続ける
語りかける古生代
西園寺「その剣も、そしてアンシーも僕のもの。この西園寺恭一のための花だ」
ウテナ「うっ」
西園寺「覚悟!」 クジラのように
イルカのように
アザラシのように
海の底へウミワタシ
海の底の大歴史
ぼくがぼくする海の底
アンモナイト
西園寺「うっ!」
ウテナ「ああ……」
アンシー「ああ」
桐生「ああ……なんだ、今のは。あれが世界を革命する力。ディオスの力なのか!」 チュチュ「チューチュチューチュチューチュ」
アンシー「わざと負けるんじゃなかったんですか?」
ウテナ「君のためじゃない。チュチュのためさ」
アンシー「えっ?」
ウテナ「西園寺なんかがきみと一緒にいたら、チュチュがいじめられそうだからねー」
チュチュ「ウーン、ウーン。チュ?」
ウテナ「あっはははは」
チュチュ「チュ!」 次回予告
ウテナ「すごいじゃないか、姫宮。ダンスパーティーのクイーンにノミネートされたんだって?」
アンシー「でも私行きません。パーティー会場には知り合いもいませんし」
ウテナ「だから行くべきだよ!友達がたくさん出来るって!」
アンシー「ウテナ様がそうおっしゃるのなら。でも、そのダンスパーティーの裏には罠が」
ウテナ「次回、少女革命ウテナ。舞踏会の夜に」
七実「絶対運命黙示録」
『舞踏会の夜に』 有希「情報統合思念体にとって、
銀河の辺境に位置するこの星系の第3惑星に特別な価値などなかった。
でも、現有生命体が地球と呼称する、この惑星で進化した二足歩行動物に、
知性と呼ぶべき思索能力が芽生えたことにより、その重要度は増大した。
もしかしたら、自分たちが陥っている自律進化の閉塞状態を、
打開する可能性があるかもしれなかったから。
宇宙に偏在する有機生命体に、意識が生じるのはありふれた現象だったが、
高次の知性を持つまでに進化した例は、地球人類が唯一だった。
合思念体は注意深く、かつ綿密に観測を続けた。
そして3年前、惑星表面で他では類を見ない異常な情報フレアを観測した。
弓状列島の一地域から噴出した情報爆発は、瞬く間に惑星全土を覆い、惑星外空間に拡散した。
その中心にいたのが…。
以後3年間、あらゆる角度から涼宮ハルヒという個体に対し調査がなされた。
しかしいまだその正体は不明。
それでも統合思念体の一部は、
彼女こそ人類のひいては情報生命体である自分たちに、自律進化のきっかけを与える存在として、
涼宮ハルヒの解析を行っている。
情報生命体である彼らは、有機生命体と直接的にコミュニケートできない。
言語を持たないから。
人間は言葉を抜きにして、概念を伝達するすべを持たない。
だから私のような人間用のインターフェースを作った。
情報統合思念体は、私を通して人間とコンタクトできる」
キョン「ああ…」 -------------------------------------- 『それは、むかーしむかしのお話です。
あるところにお父様とお母様を亡くし、深い悲しみに暮れる幼いお姫様がいました。
そんなお姫様の前に白馬に乗った、旅の王子様が現れます。
凛々しい姿、優しい微笑み。王子様は、お姫様を薔薇の香りで包み込むと、
そっと涙をぬぐってくれたのでした。
「たった1人で深い悲しみに耐える小さな君、その強さ、
気高さをどうか大人になっても失わないで。今日の思い出にこれを」
「私たち、また会えるわよね」
「その指輪が、君を僕のところへ導くだろう」
王子様がくれた指輪は、やはりエンゲージリングだったのでしょうか?
……それはいいとして、お姫様は、王子様に憧れるあまり、
自分も王子様になる決意をしてしまったのです。でもいいの〜?ほんとにそれで〜』 ウテナ「ううん……。
指輪だけはまだ確かにここにあるんだ。
あの出会いは、本当のことなんだ。
決闘広場、薔薇の花嫁、全部この指輪の導きなのかなー。あ……」
アンシー「おはようございます。ウテナ様」 ウテナ「ごちそうさまー。朝と夜は、この2人きりの食事が続くわけかー」
アンシー「静かでいいですねー」
ウテナ「君さあ」
アンシー「はい」
ウテナ「君、クラスでもいつも1人だけど、本当に友達とかいないの?」
アンシー「いますよ?ここに」
チュチュ「チュッチュッ。ぢゅー、ぢゅー!スポン!」
ウテナ「ま、それはそれでいいとしてもだ」 ウテナ「その、ウテナ様っていい方はやめてよね」
アンシー「いけませんか?」
女子生徒A「きゃ、ウテナさまよー!」
女子生徒達「ウテナさまー、おはようございまーす」
ウテナ「やあ、おはよう」
女子生徒達「ウテナさまー、おはようございまーす」
ウテナ「おはよー。おはよー。
あ。や、みんな確かにウテナ様って呼んでるけどさ、
君の場合、なんか冗談になんないんだよなー」
アンシー「でも、私はウテナ様とエンゲージしましたから」
ウテナ「だからやめてくれよ、そのエンゲージしたとか薔薇の花嫁、ってのは」
アンシー「でも」 ウテナ「あのねー、こう見えても僕は健全な女子なの!
花嫁とかそういうのじゃなくて、健全な男子にしか興味ないの!」
桐生「いやー、それはよかった」
ウテナ「ええ……」
桐生「どもー。健全な男子、生徒会長の桐生冬芽です」
アンシー「ふふっ、おはようございます」
ウテナ「親しいの?」
桐生「それはもう……なにせ彼女は薔薇の花嫁なのですから」
ウテナ「そうか。あんたもあの決闘ゲームとかの仲間なのか」
桐生「そのこと、誰かに話した?」
ウテナ「あんな馬鹿なこと誰にも話せるもんかー」
桐生「結構。いやー、怒った顔も凛々しくて素敵だねぇ。
天上、ウテナくん?」
ウテナ「んー……」 ウテナ「気安いな。生徒会長さん」
桐生「そうとんがるなよ。もっと仲良くしようぜ。
俺と君は、満更縁がない訳じゃないんだ」
ウテナ「あ……
あ……
あんたは……
あんたはなんでそれを持っているんだ?」
桐生「もちろん、君と出会うために決まってるじゃないか」
ウテナ「……あっ(まさか)」
桐生「フッ、君とはもっと、親しくなりたいな」
ウテナ「えっ(まさか、彼が)」 桐生「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでゆく。
我らが雛は、卵は世界だ。世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでゆく。
世界の殻を破壊せよ!」
桐生・樹璃・幹「世界を革命するために!」 桐生「昨日、再び西園寺が天上ウテナと決闘し、敗れた」
幹「西園寺さんは、昨日から部屋に閉じこもったまま、今日は学園に来てないそうです」
樹璃「奴のことなどどうでもいい。それより天上ウテナだ。
彼女もまた、我々同様世界を革命しようとしているのか?」
桐生「いや、彼女は我々と違い、世界の果てからの手紙を受け取ってはいないようだ」
樹璃「ならどうして、薔薇の刻印を持っている」
桐生「さて、どうしてかな」 若葉「ウーテナー!」
ウテナ「うおっうおっうおっ」
若葉「ウテナさまー。キャー」
ウテナ「うおっとお!若葉、今のはかなり危険だったよ」
若葉「そう?あら、冬芽さんを見てたのね?うん、なるほどそういうことか」
ウテナ「何がそういうことだよー」
若葉「フーン、でもあの人止めた方がいいわよ」
ウテナ「んー?」
若葉「学園一のプレイボーイで、かなりの子が泣かされてるって、噂!」
ウテナ「そんなプレイボーイが、白馬の王子様なわけないか」 若葉「んー?あ、そういえばウテナって、寮は誰と同室になったの?」
ウテナ「姫宮アンシー」
若葉「えっ、マジ……」
ウテナ「んー……」
若葉「んー、外したわね」
ウテナ「外したって?」
若葉「あの子って、案外男子にモテるみたいで、よくない噂聞くんだよねー」
ウテナ「噂?」 女子生徒A「あんたのせいよ!あんたがタラしこんだから、私たちの西園寺さんは駄目になったんだ」
女子生徒B「西園寺先輩、剣道部もずーっと休んじゃってんのよー!」
女子生徒C「怖い子」
女子生徒A「私たちの西園寺さんを、返してよ!」
女子生徒B「なんとか言いなさいよ!」
七実「何をしてるの?」
女子生徒C「あっ七実さま!」
七実「一体これは何の騒ぎかしら?場合によっては生徒会に報告せねばいけませんねー」
女子生徒A「い、いえあの」
女子生徒B「ち、違うんです」
七実「フーン」
女子生徒達「失礼しますっ」 七実「大丈夫?」
アンシー「ええ、どうもありがとう。あなた、七実さんでしたっけ」
七実「姫宮先輩は男子生徒に人気があるから、つい恨まれちゃうのねー」
アンシー「えっ」
七実「わたくし達1年の男子にも、姫宮先輩は一番人気なんですー。
何しろ今年のダンスクイーンとしてノミネートされてるんですから」
アンシー「ダンスクイーン?」
七実「この週末のダンスパーティーで、学園一のダンスクイーンを選ぶことになっているの。
姫宮先輩はその1人にノミネートされてるんですよー?必ずいらしてくださいね?
男子達が喜ぶし、わたくしも、姫宮先輩と仲良くなりたいって、ずっと前から思ってたの」
アンシー「はあ……」
七実「んふふっ」 アンシー「うーん……えいっ!やーだー、引っかかっちゃった〜
ウテナ「あのさあ、姫宮」
アンシー「はい」
ウテナ「君は本当に友達いないの?」
アンシー「いますよ?ここに」
チュチュ「ぢゅ!?」
ウテナ「あー……それはそれでいいとしてもだ」 ウテナ「ん?」
男子生徒「姫宮アンシー、天上ウテナ様、お届け物を持って参りました」 男子生徒「ダンスパーティーのクイーンにノミネートされた証として、実行委員会より、このドレスを送らせていただきます」
ウテナ「あー」
アンシー「あ」
男子生徒「週末のパーティーには是非、それを着て出席してくださいますよう、委員会一同、
心よりお待ちしております」
ウテナ「すごいなー」
アンシー「ウテナ様のは?」
ウテナ「えー」
男子生徒「それから、こちらの箱はウテナ様へ、桐生会長からです」
ウテナ「えー、僕にー?でも僕は関係ないよ。招待もされてないしさー」
男子生徒「箱の中に、招待状とメッセージカードがあるはずです。では、失礼します……」 ウテナ「うっ、げげー。なんだよこれー。僕がこんなの着て、パーティーに行くとでも思ってんのかなー」
アンシー「行かないのですか?」
ウテナ「うん、興味ないからね」
アンシー「では私も」
ウテナ「ええ?なーんでー?せっかくダンスクイーンにノミネートされているんだろ?」
アンシー「でも私、人が大勢いるような場所は苦手なんです」 アンシー「なんだか、みんな同じような顔の人に見えて、怖いんです」
ウテナ「……」
アンシー「さ、今度はチュチュの番よ?」
ウテナ「いや、君は行った方がいい。是非行くべきだよ!君には友達が必要だ!」
チュチュ「ちゅ?」
ウテナ「いや、そうだけど。もっと沢山作るべきだ!」
アンシー「フ。ウテナ様がそう言うのなら」
ウテナ「うん。それにしてもあの男、何考えてるんだか」 影絵少女A「かしらかしら、ご存知かしらー?」
影絵少女B「あーら奥様、ご存知ざますー」
影絵犬A「ワンッ」
影絵少女A「間も無く開かれる舞踏会の噂で、都は今、もちきりざます」
影絵犬B「ワンッ、ツー」
影絵少女達「ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃ」
影絵犬A「ワンッ」
影絵少女A「舞踏会といえば聞こえはいいザマスが、早い話しがボーイハントザマス」
影絵少女B「最近お嬢様には困ったものザマス」
影絵犬B「ワンッ、ツー」
影絵少女達「ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃ」
影絵犬A「ワンワンッ」
影絵少女達「破廉恥ザマス〜」 七実「だーれだ」
桐生「よせよ、七実」
七実「いい夜ですわね。お兄様。ンフッ」
桐生「甘えん坊だな、我が妹君は」
司会「みなさま、今宵、よくぞお越しくださいました。
恵多き春の一夜を楽しむべく催したこのささやかなダンスパーティーは、同じにまた、
我らがダンスクイーンを選ぶ、コンテストでもあります。どうかみなさま、ご協力ください」 女子生徒D「ウテナさまが女装!?」
女子生徒F「かわいいー、ウテナさまー」
女子生徒E「ウテナさまだわー。学生姿も凛々しいけど、ドレス姿もきまっているわー」
七実「いかが?最近お兄様姫宮さんのことばかり話してるから、七実が招待したのー」
桐生「天上、ウテナ……」 ウテナ「やっぱりこんなもん着てくるんじゃなかったー」
アンシー「すみませんウテナ様。私のために、恥ずかしい格好を」
ウテナ「恥ずかしい?そうなのかー?」
七実「よくいらしてくださいましたー。姫宮先輩?」
アンシー「あ、七実さん」
七実「そのドレスとっても素敵ー。よくお似合いですわー。ンフッ」
アンシー「ありがとう」
七実「さ、ノミネートされた方はこちらにいらして?」
アンシー「あ、あの……」
ウテナ「なーんだ。姫宮にもちゃんと友達が居るじゃないかー」
チュチュ「ぢゅ……」
ウテナ「いや、それはそれとしてもだ」
桐生「素晴らしい!」
ウテナ「ええ?」
桐生「想像、以上だ!」
ウテナ「あ、何を想像したのかは知らないけど、こんなの僕には似合わないよー」
桐生「何を言う。君こそ、この学園のクイーンだ。そのドレス姿で、俺と踊ってくれると嬉しい」
ウテナ「うっ」
桐生「俺たちは、絵になるカップルだと思うけどな」 アンシー「あ、あの……」
女子生徒A「七実様?ちゃんと送ったドレスを着てきましたねー」
女子生徒B「よく似合ってますこと」
七実「(わたくしからお兄様を奪う人は、恥をかいてもらうわ)」
アンシー「はっ!キャー!」
ボーイ「こ、これは。し、失礼いたしました」
女子生徒達「フフフフフ」
七実「あーら。せっかく私が送った特別製のドレスを濡らしちゃうなんて。そのドレスは水に濡れると大変なのよ?」 桐生「さ、踊ろう」
ウテナ「アッ、やめてくれ。だいたい、こんなパーティーは僕の趣味じゃないんだ」
桐生「じゃ、なぜ来てくれたのかな?」
ウテナ「それは……」
桐生「それは?」
ウテナ「もしかしたら、あんたが」
桐生「俺が、何?」
ウテナ「……」
アンシー「キャー!」
ウテナ「あっ!姫宮!」
桐生「七実の仕業か。どういうつもりだ。いいところだったのにな」 ウテナ「姫宮ー!」
七実「何?あれは」
アンシー「ウテナ様」
男装に戻ったウテナ「踊ろう姫宮」 チュチュ「ちゅっ」
七実「(計画通りに運んでたのに、あの子何者!?)」
桐生「七実。おいたも、ほどほどにな」
七実「さあ、何のこと?それより姫宮さんと踊ってる子、誰?」
桐生「天上ウテナだ」
七実「天上ウテナ?」
桐生「ああ。イカすだろう?しかし、俺の送ったドレスを脱ぎ捨てるとはね……」
七実「(お兄様が……あの女にドレスを……?あの女に!)」 次回予告
ウテナ「薫幹。通称ミッキー。ピアノとフェンシングの腕は全国レベルの美少年!」
アンシー「まあ」
ウテナ「まだ中一なのに、大学のカリキュラムを受けてる超秀才!」
アンシー「すごいんですねー」
ウテナ「彼は生徒会でも、唯一決闘に反対している人みたいなんだ。それどころか、
姫宮の家庭教師さえしたいって言ってくれてるんだ」
アンシー「がんばっておもてなしをします」
ウテナ「次回、少女革命ウテナ、光さす庭・プレリュード」
アンシー「絶対運命黙示録」
『光さす庭・プレリュード』 ウテナ「結局、こういうことになるんだね、ミッキー」
幹「ええ、僕はあの音楽を取り戻さなきゃならない。
だから、どうしても花嫁が必要なんだ」
ウテナ「君は、ピアノの前に座っている方が、似合っているのに」
樹璃「全くだな」
幹「薔薇の花嫁は、僕のものにしますから!例え、あなたを傷つけても!」 七実「素晴らしいわ。幹のピアノ。この学園の誇りね〜。
先日のパーティーもあなたの演奏のおかげで随分花を添えられたわ。
でも、どうしてコンクールの出場をやめちゃったの?先生たちがっかりしてたわよ?」
幹「このピアノ、少し音がずれているようだけど」
七実「そお?先週、調律させたばかりよ?」
幹「なら、調律が必要なのは僕の方かもしれない」 七実「1人の時はいつもその曲を弾くのね」
幹「僕は本当はこの曲しかピアノを弾く理由はないんだ。
僕がピアノを続けているのは、ある人にこの曲を聴いてもらいたいからなんだ」
七実「ある人?」
幹「でも、僕はまだこの曲を思うように弾けない。ふぅ。どうしても求める音にならないんだ」
七実「そんなぁ。わたくしはこれでOKよ?幹の気持ちは十分に伝わってくるわ〜……ああ?」
幹「これはね、自分の中に永遠の美しさを持ってないと弾けない曲なんだ」
七実「その曲の名前は?」
幹「光さす庭」 若葉「参った〜。これまでで最悪の点数だわ」
ウテナ「うーん、大変だねそりゃ」
若葉「だいたいさー、数学なんて九九が言えりゃそれでいいのよ」
ウテナ「論理的な思考力を育てろってことだろ?」
若葉「でもママが言ってたよー。論理的なことは、全て男に押し付けるのがいい女だって」
ウテナ「あっそ」
若葉「はぁ。いいわよねー、あんた数学得意だもんねー。
嘘ー!あんたいつも数学こんなに悪くないでしょー?」
ウテナ「ちょっと油断した」
若葉「ダメよー、論理的な思考力を育てなきゃー」
ウテナ「おい……。ともかく、こんな点数ならルンルンしてられないよなー」
若葉「大変ねー」 女子生徒A「私たちがどれほどミッキーのこと好きか知ってるわよね」
女子生徒B「聞いたわよ。あんたのせいで、私たちのミッキー、
コンクールに出るの止めたって言うじゃないの!」
アンシー「私、知りません」
女子生徒A「嘘、ミッキーに余計なこと言って自信なくさせたんでしょー」
女子生徒B「そうよ」
アンシー「私、そんなこと言ってません」
幹「君たち!何をしている!」
女子生徒達「ああ……!」 幹「なんだか、僕のことで誤解されて、言いがかりをつけられていたみたいですねー。
本当に、申し訳ございませんでした」
アンシー「ありがとう」
幹「いえ……」 ウテナ「んー?あれー」
若葉「ん?なあに?」
ウテナ「姫宮と一緒にいる男の子、誰?」
若葉「あら、ミッキーじゃない」
ウテナ「ミッキー?」
若葉「え、知らないの?1年生の薫幹君。
ピアノとフェンシングの腕は全国レベルの美少年でー、
まだ中1なのに、大学のカリキュラムをいくつか受けている超秀才よ」
ウテナ「へー」
若葉「でもってねえ?上級生の女子に、すっごい人気で、ミツコ達なんか大騒ぎよー」
ウテナ「ふーん」
若葉「でも」
ウテナ「ん?」
若葉「なんで姫宮アンシーとミッキーが一緒にいるのかしら」
ウテナ「うん」 樹璃「や」
幹「樹璃先輩!」
樹璃「部室にも生徒会室にもいないと思ったら、図書館でお勉強とはねー。
誰かの答案、添削をしているのか?」
幹「ええ、ちょっと」
樹璃「へー。他人とは距離を置きたがる君が珍しいじゃないか」
幹「ねえ、樹璃先輩」
樹璃「ん?」
幹「幸せっていうのは、案外身近にあるものかもしれませんね」
樹璃「は?それにしても、すごい答案用紙だなー。一体誰のだ?」 幹「一応直してみました」
アンシー「あ……」
幹「その先生は、いつもそういうひっかけ問題を出すんですよねー。以後注意してみてください」
ウテナ「いいよなー、添削してもらえて。やっぱ持つべきものは論理的なボーイフレンドか?」
幹「天上先輩!」
ウテナ「ん?」
幹「薫幹です。宜しくお願いします」
ウテナ「僕のことしってるの?」
幹「もちろんです。あなたは今、僕たちの間では有名人ですから」
ウテナ「僕たち?」
幹「これですよ」 ウテナ「あ!君も奴らの、生徒会の一味なのか?」
幹「えっ」
ウテナ「やっぱ君も薔薇の花嫁を狙っているわけ?」
幹「え、いえ。誤解しないでください。僕は生徒会メンバーではありますが、
姫宮さんを決闘で花嫁にしようとは思っていません。本当です。
これは、今度の追試に出そうな問題のヤマです。
このノートに書いた公式さえ覚えていれば、だいたいクリア出来ると思います」
アンシー「ありがとう」
幹「いえ」
ウテナ「ふ。でも、かなり彼女のことを気にしているように見えるけど?」
チュチュ「ちゅ……」
幹「彼女は、姫宮さんは、僕の知っている子に少し似ているんです。それだけです!
天上先輩と決闘するつもりなんか、ありませんから」 ウテナ「当たり前だよ。君たち生徒会のおかげで、僕たちがどれほど迷惑を受けているか分かる?
なんだか知らないけど、君たちが決闘だのなんだのってくだらないことに巻き込むから、
僕たちはこうして追試まで受ける羽目になっちゃったんだ」
幹「僕たちって、先輩も追試なんですか?」
ウテナ「う……う……いやあ、うー、そうなんです」 桐生「いいね、今日のは。
テクニックでねじ伏せるようないつもの迫力じゃなくて、なんだか音に潤いを感じるよ。
前に言ってた、輝く者でもみつけたのかな?」
幹「ええ。そうかもしれません。僕は、ずっと亡くしていたものを、ついに取り戻せるかもしれないんです」
桐生「それは羨ましいな。その輝く者が取り戻せたら、是非、俺にも教えて欲しいね」
七実「(何が輝く者よ!)」 影絵少女A「かしらかしら、ご存じかしら?」
影絵少女B「小学校の時初めてつきあった子は、クラスで一番算数のできる子でした」
影絵少女A「あーら初耳。そんな頃にもう彼氏がいたの?」
影絵少女B「けど私が私が、プロレスごっことか、ニンニクラーメン大盛り!とかが好きだと知ると、「君がどういう子か分かったよ」っていって、
それっきりになっちゃったのねー!!!」
影絵少女A「ああ恋するものよ、夢見る恋の若人よ」
影絵少女B「恋する彼女の正体を」
影絵少女A「果たしてあなたはご存じかしら」
影絵少女達「かしらかしら、ご存じかしらー!?」 影絵少女A「かしらかしら、ご存じかしら?」
影絵少女B「小学校の時初めてつきあった子は、クラスで一番算数のできる子でした」
影絵少女A「あーら初耳。そんな頃にもう彼氏がいたの?」
影絵少女B「けど私が私が、プロレスごっことか、ニンニクラーメン大盛り!とかが好きだと知ると、「君がどういう子か分かったよ」っていって、
それっきりになっちゃったのねー!!!」
影絵少女A「ああ恋するものよ、夢見る恋の若人よ」
影絵少女B「ほんとの彼女の正体を」
影絵少女A「果たしてあなたはご存じかしら」
影絵少女達「かしらかしら、ご存じかしらー!?」 ウテナ「はーい。ああ」
幹「遅くなってすいません」
ウテナ「や、待ってたよ。どうぞ」
幹「あの。実は……」
ウテナ「ん?」
七実「わたくしもご一緒してよろしいでしょうかー?」
ウテナ「あれー、君は確か」
七実「七実ですぅー」
ウテナ「幹君の彼女?」
幹「ち、違いますよ!」
七実「む」
ウテナ「ま、入ってよ。姫宮も中で待っているからさー」
幹「お邪魔しまーす」
七実「お邪魔しまーすぅ」 幹「へー。この寮ってお化け屋敷って呼ばれてるけど、中は綺麗なんですねー」
七実「いい部屋ですよねぇ」
ウテナ「ああ。姫宮が毎日、マメに掃除してくれるからねー」
幹「姫宮さんて、綺麗好きなんですねー」
七実「凄いわ、わたくし関心しちゃう。
(フン、見てなさい。姫宮アンシーを可愛い子だなんて思うのも今のうちよ)」
幹「いいなー、天上先輩は。こんな女性らしい人と住めて」
ウテナ「嫌味かー?」 (
七実「姫宮先輩?消しゴム貸してくださいね〜。ああ〜ん、でんでん虫よー、でんでん虫がいるわー」
ウテナ・幹「ええ!」
七実「この人筆箱にでんでん虫なんか入れてるわ!」
ウテナ「姫宮!見損なったよ!」
幹「僕幻滅しちゃいました!」
七実「おーほっほっほっほ。これまでねえ、姫宮アンシー。
なーんてことになるのよ。名付けて、まあ姫宮アンシー筆箱にでんでん虫入れてる変な子だわ作戦!」
) 幹「なんか言いました?」
七実「いえ何も?」
幹「じゃあ、単項式から始めましょう」
ウテナ「うわ〜」
幹「大丈夫ですよ、やり方さえ覚えれば、パズルみたいなものです」
七実「姫宮先輩?消しゴム貸してくださいね〜?
(ふふふ、姫宮アンシー、覚悟なさい!) 」 七実「キャーーーーーーーーーででででで、でんでん虫よ!でんでん虫がいるわー!」
アンシー「あら、これかたつむりさん達のお家なんですよー」
ウテナ「そんなとこで飼うのはやめろって言ってるんだけどね〜」
幹「でも可愛いですよー。なんだか、姫宮さんらしいな〜」
七実「で、でんでん虫よ!可愛いでんでん虫なのよー!?」
アンシー「キャサリン、ジュリエット、マルセリーナ、また後でね?」
七実「ああ……ああ」 幹「分かりました?天上先輩。ここで引っかかっているんですよ」
ウテナ「えー、どこぉ?」
幹「この場合は、」
七実「(そういうことなら仕方ないわね) 」 (
七実「まあ、なんて可愛らしい机?わたくしもこういうの欲しいわ。
アアアーーーーーン!青大将よ、青大将がいるわ!」
ウテナ・幹「えー!?」
七実「この人引き出しに青大将なんか入れてるわー!」
ウテナ「姫宮!見損なったよ!」
幹「僕、幻滅しちゃいました!」
七実「オーッホッホッホ、ついにこれまでね姫宮アンシー!
なーんてことになるのよ!名付けて、まあ姫宮アンシーって机の引き出しに青大将飼ってる変な子だわ作戦」
) 幹「なんか言いました?」
七実「ハッ、いえ、何も?」
ウテナ「三角形ACPで、線BXと並行な線がCPだからー」
七実「まあ、なーんて可愛らしい机!わたくしもこういうの欲しいわー。
うっ……!青大将が。昨夜徹夜で捕まえたわたくしの青大将が〜」
アンシー「ああ、そこはマングースくんのお家になってるんですよー」
ウテナ「そんなとこで飼うのはやめろって言ってんだけどね〜」
幹「でも可愛いですよ。なんだか姫宮さんらしいなー」
七実「マングースよマングース!あんた達変だと思わないの!」
アンシー「今お勉強中だから、また後でね〜。蛇さんおいちかったの〜。そう」
七実「はぁぁ……」 ウテナ「うーん、ここはどうなるわけ?」
幹「ここはこう」
ウテナ「へー」
幹「できましたか?」
ウテナ「そうねー」
七実「(そうなの、そういうことなの。これだけはやりたくなかったけど、そういうことなら仕方がないわね)」 (
七実「ああーん!生タコよ、生タコがいるわ!」
ウテナ・幹「ええー!」
七実「この人クローゼットに、生タコなんか入れてるわー!」
ウテナ「姫宮、見損なったよ!」
幹「僕、幻滅しちゃいました!」
七実「オーホッホッホ!ドカーンとこれまでね、姫宮アンシー!
なーんてことになるのよ、絶対!名付けて、
何と姫宮アンシーってクローゼットの中に生タコかこってる変な子だわ作戦」
) 幹「なんか言いました?」
七実「いいえ、何にも。
(フッフフフフ。今度こそは……この生タコで……!ギャフンと言わせてやるわ!姫宮アンシー!)
ギャフンというのよ!この生タコで!オーッホッホッホ!、いざ!」
ウテナ「あ?」
七実「あ、ああーーーーーーーーー!生タコ生タコ生タコ生タコ!あ〜あ〜!」
ウテナ「そこ、勝手に開けると危ないよ」
七実「嘘よ。いくらなんでもこれは夢よ。こんな巨大な生タコが、生タコの足が〜〜〜〜〜」
幹「あれ、去年の学祭で使ったアドバルーンですよね〜」
アンシー「捨てられたのがかわいそうだったから、ここに匿っているんです」
ウテナ「いいかげん捨てるように、君からも言ってくれない?」
幹「でも可愛いですよ〜。なんだか姫宮さんらしいな〜」
七実「あああ……」 幹「これでX=3になるんですよ。あとはこれで代入して、この一次方程式を解けば……」
ウテナ「あー、なるほどー。3+Yが、うーんと」
幹「だから」
ウテナ「ああ、出来た!これでどう?」
幹「当たりです!」
ウテナ「なるほど。流石超秀才、授業より分かりやすいやー」
幹「えっ、いや、そんな」
アンシー「キャハハッ」
ウテナ・幹「ん?」
アンシー「うふふふ。あっはっはっは」
ウテナ「真面目にやろうよ、追試は来週なんだからさ〜」
アンシー「はい、ウテナ様……くっ、ふふ」 ウテナ「もうこんな時間かー。幹くん!」
幹「はい」
ウテナ「何か軽く食べようか。七実くんもさ!」
七実「……」
幹「七実くん?」
七実「あっ、は、はいお夜食ですね。
実はわたくし、今日お弁当作ってきたんですー。みなさんのお口に合うといいけどー」
ウテナ・幹「あー」
七実「ふふっ、ふふふっまた動物……。これも姫宮先輩のお友達なんですよねー」
アンシー「チュチュ、ダメよ勝手に!」
チュチュ「げぷう」
七実「この動物……」
アンシー「ごめんなさい。私が代わりにお料理作ってきます」 アンシー「レモンといちごを一緒に食べると美味しいんですよ?」
ウテナ「あーそう」
幹「ホントだ、美味しいなー」
アンシー「私の得意料理なんです!」
幹「そうなんですかー!メモしとかなきゃ」
ウテナ「シロップもうちょっと欲しいなー」
アンシー「七実さん?溶けないうちに、召し上がって?」
七実「冗談じゃないわ……」
アンシー「え?」
幹「先輩に向かって、その言葉遣いはないだろう?」
七実「筆箱にでんでん虫入れて引き出しにマングース飼ってクローゼットに生タコ風船隠して……」
チュチュ「ぢゅー!ぢゅー!」
七実「おまけに夕食がかき氷なんて!お腹壊すでしょう?わたくしは、お腹が弱いのよ!?」
幹「かき氷って好きだけどな〜」
ウテナ「お腹が弱いとは残念だったなー」
七実「かき氷とお腹の話してんじゃないわよ!なーんでみんなこの人に関心を持つのよ!」
幹「君だって、姫宮さんと友達になりたいんじゃなかったのか?」
七実「何のこと?幹こそ彼女が好きなんでしょ?白状なさい!」
幹「そのお……」
ウテナ「あっ、あれー?姫宮がいなーい」
幹「ホントだ」
ウテナ「強引に勉強会なんかやったのがまずかったのかなあ」 アンシー「夕食は、たこ焼きの方がよかったかしら」
チュチュ「ちゅー?」
ウテナ「僕、ちょっと見てくるよー」
幹「僕も行きます」
ウテナ「あ」
幹「えっピアノだ」
七実「あなたがいつも弾いてる曲だわ」 チュチュ「チュチュッチュ、チュチュ、チュ」
ウテナ「へー。姫宮ってピアノ弾けるんだー」
幹「は……!
妹の音色と、同じだ。あの光さす庭だ(ああ……見つけた。輝く者を!) 」 次回予告
ウテナ「姫宮ー。ミッキーのためにピアノを弾いてあげなよ。
なんだか彼、きみのピアノに特別に思い入れがあるようだし」
アンシー「ウテナがそうしろとおっしゃるのなら」
ウテナ「いや、僕が言ったからじゃなくて、ミッキーのためにさ」
アンシー「私は薔薇の花嫁。エンゲージした方の思うがままです」
ウテナ「目を覚ませよミッキー、そんなやり方で姫宮のピアノを手に入れようとするなんて、間違ってる!
次回、少女革命ウテナ、光さす庭・フィナーレ」
アンシー「絶対運命黙示録」
『光さす庭・フィナーレ』 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています