少女革命ウテナ(再)
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ウテナ「その塔の鐘が響き渡る放課後。華麗なる学園で動き出す危険な秘密。
決闘の森。ディオスの力。世界の果て。
彼と彼女らは、薔薇の刻印の掟に支配された決闘者」
アンシー「あなたなら出来ます。世界の全てを変えることが」
ウテナ「よく分からないけど、この決闘に勝てばいいんだな」
『少女革命ウテナ』
ウテナ「いざ!僕が王子様になるってことだろう」 潔く カッコ良く 生きて行こう …
たとえ2人離ればなれになっても …
Take my revolution
光差す校庭(garden) 手をとり合い
誓い会ったなぐさめ会った
もう 恋は二度としないよって
頬を寄せあって うつる写真の笑顔に
少しの淋しさつめ込んで
夢を見て 涙して 傷ついても
現実はがむしゃらに来るし
自分の居場所 存在価値を見つけたい
今日までの自分を
潔く 脱ぎ捨てる 裸になる
自由を舞う薔薇のように
たとえ2人離ればなれになっても
私は世界を変える 『それは、むかーしむかしのお話です。
あるところにお父様とお母様を亡くし深い悲しみに暮れる幼いお姫様がいました。
そんなお姫様の前に白馬に乗った、旅の王子様が現れます。
凛々しい姿、優しい微笑み。王子様は、お姫様を薔薇の香りで包み込むと、
そっと涙をぬぐってくれたのでした。
「たった1人で深い悲しみに耐える小さな君、その強さ、
気高さをどうか大人になっても失わないで。今日の思い出にこれを」
「私たち、また会えるわよね」
「その指輪が、君を僕のところに導くだろう」
王子様がくれた指輪は、やはりエンゲージリングだったのでしょうか?
……それはいいとして、お姫様は、王子様に憧れるあまり、
自分も王子様になる決意をしてしまったのです。でもいいの〜?ほんとにそれで〜』 若葉「うーん、遅いなー。
もー、いつまで待たす気かしらー!新学期早々遅刻しちゃうじゃない」
女子生徒「若葉ー!何してるの?そんなとこで」
若葉「ひひん。彼氏と待ち合わせなのさー」
女子生徒「彼氏?ははーん、あんた、振られたわね。彼氏なら今朝はとっくに寮を出たわよ?」
若葉「うっうっ、おのれ、ゆるさーーーーん!」 ウテナ「ん?」
先生「天上ウテナさん、あなたは新学期になっても、そのヘンテコな格好を続けるつもりですか?」
ウテナ「ヘンテコ?」
先生「ヘンテコ」
ウテナ「男子はみんな似たような格好してますよ?」
先生「あなたは女子!だから!なぜ男子の!制服を!着ているの!ですかぁーーーーー!」
ウテナ「うーん。女子が男子の制服を着ちゃいけないって校則はないなー。問題ないです。じゃ、そういうことで!」
先生「おのれ……新学期も誤魔化し続けるつもりだなー?」 生徒達「ウテナさま〜〜〜!!!きゃー」
バスケ部某「あーあ。やれやれ。また完敗か」
生徒達「あ〜ウテナさま〜私のタオル使ってください〜〜!!」
ウテナ「はいはい。順番にね」 バスケ部某「なあ天上、おまえがうちのバスケ部に入ってくれたら、地区予選は楽勝なんだけどなー」
ウテナ「あのねー、僕は女子!いやだよ汗くさい男子にまぎれてバスケやるのは」
バスケ部某「いいじゃん。男子みたいなもんだろ、天上は」
ウテナ「失礼なこと言うなよな!」
バスケ部某「じゃあ、なんで学ランなんて着てるわけ?」
ウテナ「王子様だよ」
バスケ部某「は?」
ウテナ「僕は、守られるお姫様より、かっちょいい王子様になりたいの!」
バスケ部某「なんじゃそりゃ?」 ウテナ「あ……この香りは。
薔薇の、香りだ。いつからだろう。薔薇の香りに懐かしさを感じるようになったのは。
ん?あれれ、なんだ?痴話喧嘩かー?そーいうのは人の見てないところでやってよねー」 ウテナ「は、よかったー」
若葉「こらーーーー」
ウテナ「若葉、重いーーー」
若葉「さ、私をおいてきぼりにした罰よ!謝んなさーい!」
ウテナ「んあ、はいはいー。」
若葉「あら?西園寺様」
ウテナ「西園寺?」
若葉「知らないのー?西園寺様をー」
ウテナ「へー、有名人なんだ。
手前のやつは知ってるよ?確か生徒会長の桐生冬芽だろう?」
若葉「そ。で、もう1人の方が副会長の西園寺莢一様」
ウテナ「あの、女の子は?」
若葉「ん、ああ、姫宮アンシーよ?」
ウテナ「姫宮アンシー」
若葉「頼まれもしないのに薔薇の世話ばっかりしてる変な子。今日から私達と同じクラス」
ウテナ「ふーん。西園寺って、あの姫宮って子と付き合ってんの?」
若葉「まさか!
硬派な西園寺様が、あんな子に関心を持つはずがないわ!同じ生徒会だから、一緒にいるだけよー」
ウテナ「若葉ってあーいうのがタイプなんだー。フーン」
若葉「もうやーねー、妬いたりしてー。心配しなくても、私はウテナだけのものよー?
だってだってもうその辺の男子よりずっとずーーとカッコイイんだから〜」 西園寺「急な呼び出しだねえ、生徒会の諸君」
幹「西園寺さん、僕たちは薔薇の刻印により選ばれたメンバーです」
有栖川「掟を守ることは、我々の唯一のルールだってことを、忘れるな」
桐生「西園寺、近頃お前の花嫁の接し方には、少々問題が」
西園寺「へー、そうなのかい」
桐生「確かに花嫁は今、お前とエンゲージしてる。だがそれは、節度なく好き放題していいってことじゃない」
幹「好き放題」
有栖川「好き放題って?」
桐生「花嫁への、乱暴はよせ、西園寺。我々生徒会の存在は、世界の果ての意思だ。
そのことを知れば、世界の果ても決して快く思うまい」
西園寺「ッフフフ、余計な御世話だ。花嫁は現在、僕とラブラブな関係にある。
他人の君たちにとやかく言われたくないねぇ。」 幹「ラブラブ……」
アンシー「私は今、西園寺様の花嫁です。全て西園寺様の思うがままです」
西園寺「まあ、2人はそういうことだ。そこまで、薔薇の刻印の掟に拘るんなら、掟通り、
決闘で花嫁を勝ち取るんだなぁ。生徒会の諸君」
桐生「すぐにも次の決闘があることを忘れるな」
西園寺「誰が挑んでくるか楽しみにしてるさー。ハッハッハッハッハ」 若葉「わー、綺麗ねー、薔薇の模様。ね、それって、うちの学校の校章?」
ウテナ「そう見えるよねー」
若葉「誰かにもらったの?」
ウテナ「白馬の王子様」
若葉「へ?」
ウテナ「その指輪が、君を僕のところに導くだろう」
若葉「なにそれ?」
ウテナ「確か、誰かにそんなことを言われてもらったような気がするんだけど、小さい頃だったからよく覚えてないんだ」
若葉「あるある、そういうの。私も子供の頃ね、ママに「あんたは玉ねぎ王国のお姫様よ」って言われて信じてたもんね」
ウテナ「昔からそういうおでこだったんだー」 男子生徒達「おいこれ見てみろよー」「みっともねえなー」
若葉「あれ?何かしら?」
ウテナ「なんだ?」
男子生徒「誰かのラブレターが貼り出されているんだってさー」
ウテナ「ラブレター?」
男子生徒「ええと、何々?『そして私は、夢の中で西園寺さんと踊っていました。
あなたは優しく微笑んでいます。私って馬鹿ですよね』だってさー!ハッハッハハッハッハ」
ウテナ「馬鹿はお前らだ!悪趣味だからこーいうのは無し!」
男子生徒「貼ってたら読むぞ、普通」
ウテナ「こーいう場合、いい男は読まない!……あ
若葉……
若葉ー!」
若葉「ううっ、うっ……」
ウテナ「この手紙、若葉が西園寺に?(許せないな。西園寺ってやつ!) 」 西園寺「知らないねぇ。大方僕の捨てた手紙を誰かがゴミ箱から拾って勝手に貼り出したんだろう」
ウテナ「どうして人目につくような場所に捨てた!」
西園寺「僕の手紙を僕がどう処理しようと勝手だろう。
しかし、なるほどなあ。あんな馬鹿な、いや、愉快な手紙はみんなで使うのが一番の使い道だ。話ってのは、それだけかい?」
ウテナ「いや」
西園寺「ああ?」
ウテナ「あんた、剣道部の主将だってな。今日の放課後、僕と決闘だ!」
西園寺「なんだ、お前は?……そうか、君が次の挑戦者だったのか」
ウテナ「何のことだ?」
西園寺「わかった。放課後、学園裏の決闘広場の森で会おう」
ウテナ「森って、あの立ち入り禁止になってる森のことか?」 影絵少女A「かしらかしら、ご存知かしらー?」
影絵少女B「今日も裏の森でまた決闘があるんですってー」
影絵少女A「おー勇者さま、お友達のために戦う、お節介な勇者さま」
影絵少女B「でもでも、勇者さま?」
影絵少女A「森には掟があることを?」
影絵少女B「果たしてあなたはご存知かしら?」
影絵少女A「かしらかしら」
影絵少女達「ご存知かしらー?」 ウテナ「なんだよー。こんなところにどうやって入れって言うんだ?
やっぱり、鍵がかかってるじゃないかー。
冷たいっ。
なんだ、この入り口は?
ともかく、入ってもいいってことだな!」 (♪
絶対運命黙示録
絶対運命黙示録
出生登録・洗礼名簿・死亡登録
闇の砂漠に 燦場・宇葉
金のメッキの桃源郷
昼と夜とが逆回り
時のメッキの失楽園
ソドムの闇
光の闇
彼方の闇
果てなき闇
絶対運命黙示録
絶対運命黙示闇・黙示録
もくし くしも
しもく くもし
もしく しくも…
) ウテナ「どうして空中にお城が?」
西園寺「そうか。あの城を見るのは初めてだったのか」
ウテナ「なんだ?あれは。あんなの森の外から見えなかったぞ?」
西園寺「蜃気楼の一種さ。ま、手品みたいなものだと思えばいいさ」
ウテナ「蜃気楼?」
西園寺「それにしても、生徒会以外にも君のように薔薇の刻印を受け取った者がいたとはな」
ウテナ「薔薇の刻印?」
西園寺「これのことさ」
ウテナ「その指輪」
西園寺「アンシー!用意しろ」 ウテナ「姫宮アンシー…。
姫宮、なぜ君がここに?」
西園寺「花嫁は当然立ち会うさ。決まりだからね」
ウテナ「花嫁?はっ(この香り……同じだ。あの人の薔薇の香りと)」
アンシー「この胸の薔薇を散らされた方が負けですから」
ウテナ「え?」
アンシー「頑張ってくださいね」 アンシー「ああっ」
ウテナ「何をする!」
西園寺「ふざけるなアンシー。お前は薔薇の花嫁だ。つまり僕だけの花だ。
なのに他の奴に頑張れとはどういうことだ」
アンシー「すみません、西園寺様」
ウテナ「馬鹿!こんなにされて、なんでヤツに従う!」
アンシー「西園寺さまが、今現在の決闘の勝者ですから、私を思いのままに出来るのです」
ウテナ「なんだよそれ…恋人じゃなかったのか?」 西園寺「さ、始めようぜ」
ウテナ「よく分からないけど、ともかく、奴に勝てばいいんだな」
アンシー「…」 アンシー「気高き城の薔薇よ」
ウテナ「なんだ?また手品か?」
アンシー「私に眠るディオスの力を、主に応えて、今こそ示せ」
西園寺「世界を革命する力を!」 西園寺「はっはっはっは」
ウテナ「くっ、くっ」
西園寺「はっはっはっはっはっはっは。
なかなかやるじゃないか。女の子にしては。
か弱いお姫様を助ける王子様のつもりか?フッフッフッフッフッフ。だが!はっ!」
ウテナ「!まさか
その手品の剣、本物なのか?」
西園寺「驚いたな。なんの仕掛けもないただの竹刀で、このディオスの剣に挑んでくるとはね」
ウテナ「ディオスの剣?」
西園寺「ディオスの剣を知らないのか?君は何者なんだ?興味深い存在だ」
ウテナ「まだ、勝負はついちゃいない」
西園寺「確かに。お望みなら、一突きで胸の薔薇を血に染めてあげよう。
命をかけてぼくに向かってくる勇気が、もし君にあるんならねぇ。
お姫様を救う白馬の王子様。フッフッフッフッフッフ」 ウテナ「はーっ!」
王子『たった1人で、深い悲しみに耐える小さな君、
その強さ、気高さを、どうか大人になっても失わないで』
西園寺「何!?」
ウテナ「はーっ!」
アンシー「ああっ!」
西園寺「馬鹿めー!」
ウテナ「やー!」
西園寺「はー!
そんな……僕が、負けた……はっ、アンシー」
アンシー「ごきげんよう、西園寺、先輩」
西園寺「…!」 桐生「意外な展開だ。あの子、確か中等部の子だったな。
いいね、ベイビー。俺のハートに火をつけたぜ」 ウテナ「あーあ。なんだかヘンテコな目に遭わされたなー。一体何だったんだ?もう早く忘れよう。
あ?君は」
アンシー「お待ちしておりました、ウテナ様。私は薔薇の花嫁。今日から私は、あなたの花です」 次回予告
ウテナ「明日の放課後、決闘広場でリターンマッチだって?
その生徒会の規則に逆らうものは、学園に居られなくなるって本当か?」
アンシー「いいんですか?ウテナ様。もう決闘は受けないんじゃなかったんですか?」
ウテナ「わざと負けるさ。それで問題はないわけだ」
アンシー「ええ、お好きなように」
ウテナ「次回、少女革命ウテナ。誰がために薔薇は微笑む」
アンシー「絶対運命黙示録」
『誰がために薔薇は微笑む』 >>1
ネタバレ
作中、前田利家は意固地な年寄り、慶次郎(利益)は若武者として描かれているが、実は利家より慶次郎の方が10歳ほど年長である
慶次郎は当時としてはかなりの長命で、大坂の陣における豊臣家の滅亡後、盟友直江兼続の死(1620年、享年60歳)と同年、米沢にて病死した(諸説ある生年のうち最も古いものを採用すると87歳)
世に聞こえた猛将であったが、北の関ヶ原と呼ばれた慶長出羽合戦(慶次郎67歳前後)以降は戦に参加することもなく、上杉家でただの食客となっていた
身長六尺五寸(197cm)というのはフィクションで、当時の平均的な身長であった伊達政宗(159cm、墓所改葬時の遺骨測定による)よりやや高い程度
北条氏盛 1577~1608年 狭山藩初代藩主(実父:北条氏規(氏政の同母弟)、養父:北条氏直(氏政の嫡男))の覚書によると
藤堂高虎の他には直江兼続や前田利家が諸侯より頭一つ以上抜けた長身であったらしい
慶次郎の晩年は風流三昧で酒好きの年寄りであり、戦の話は村の子供にしかしなかったという
前田正虎(安虎、安太夫)生没年不詳
前田家を逐電する際に残してきた慶次郎の長男
1587年 前田利久(慶次郎の義父)が亡くなった際、利家から利久に与えられていた2,000石を相続し前田利家の直臣に列した
1590年 慶次郎が出奔した際には、正虎を含む慶次郎の妻子は加賀に留まり随行していない
数年後、慶次郎が伏見に滞在していると聞きつけた正虎が京都に探しに出て古田重然(織部)に消息を尋ねたとされている
利家の死後は、前田利長、前田利常に仕えた
加賀藩では郡代を務め、藩内の統治法策定に参画するなど忠勤に励んだ
それらの功により1,500石加増されたが子には恵まれず七尾で没した
ここに慶次郎の男系子孫は途絶 女子生徒達「ウテナさま〜!おはようございまーす!!」
ウテナ「おはよう」
女子生徒達「かっこいい〜〜〜!!!」 ウテナ「おはよー」
女子生徒A「おはよー」
(男子生徒A「誰かのラブレターが貼り出されているんだってさ。
ええと、なになに。そして私は、夢の中で西園寺様と踊っていました」
若葉「…!」)
ウテナ「おはよー若葉。珍しく読書なんかしちゃってー。それ、なんていう本?ねえ」
若葉「……」
ウテナ「あ…。…。ん?」
若葉「ずっと、さ。ずーっと好きだった男がいて、
でも失恋するんだけどそのすぐ次の日に都合よく他の男が現れて、ヒロインと結ばれるの」
ウテナ「あ」
若葉「昔読んだ時はね、許せーん、つまらーん、とか思ったんだけど、今読むとチョー燃えたね!」
ウテナ「ああ……」
若葉「……あーやっぱ私はウテナだけのものよー!ウテナ、ウテナ、ウテナさまーん!私だけのものー」
ウテナ「あのさー若葉。お願いだからそのあなたのもの、っていうのはやめてくれる?」
若葉「なんで?」
ウテナ「はあ……ん?」
アンシー「おはようございます」 桐生「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでゆく。
我らの雛だ。卵は世界だ。
世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく。世界の殻を破壊せよ」
桐生・幹・有栖川「世界を革命するために」 桐生「世界の果てからの手紙は、諸君にも届いたかな?」
幹「ええ」
有栖川「届いている」
桐生「我々は皆、手紙に従って集い、手紙の指示通りに行動してきた。
この手紙に書いてある通り、昨日西園寺は敗れ、
薔薇の花嫁はその決闘に勝った少女とエンゲージした」
有栖川「我々生徒会以外にも、世界の果てから手紙を受け取っていたものがいたのか」
桐生「さあな。だが、薔薇の刻印ははめていた。この目で見た」
有栖川「何者だ?その少女」
幹「天上ウテナ。中等部では結構有名ですよ。人気者です」
桐生「凛々しくて、可愛い子だったなあ」
有栖川「冗談じゃない。我々の知らない間に、決闘の参加者が増えているなんて。
今後もそんなことがあるなら」
桐生「あるならどうする?ゲームを降りるか?世界の果ては、いつも一方的に我々に手紙を送ってくるんだ。
それに従うかどうかは、俺達の自由だ」
幹「この薔薇の刻印で決闘広場の扉が開き、手紙に書いてある通り、幻の城は出現しました」
有栖川「わかっている。あれだけのものを見せられたら、降りるわけにはいかない」
桐生「そう、世界のは果てからの手紙は言っている。
決闘に勝ち、薔薇の花嫁とエンゲージするものが、
やがてはあの城にたどり着き、世界を革命する力を手にいれるのだ。
我々は、だから戦い続なければはならないのだ」 若葉「もう、こんなに仲良しこよしを別々の部屋にするなんて、神様って残酷よね?」
ウテナ「しょうがないさ。生徒会の決め事だから。ま、一人部屋らしいから、クールな僕の趣味には合ってるよ」
若葉「でも、東館って10年以上使ってなかったから、きっと部屋の掃除は大変よ?」
ウテナ「10年……」
若葉「まあ、1人で掃除するのも、きっとクールなウテナの趣味には合ってるわよねー。
じゃ、私の部屋は南館の3階だから、お化け屋敷に飽きたら遊びに来てよね?さらばじゃー」
ウテナ「お化け屋敷かー」 ウテナ「なんだよー、可愛い建物じゃーん。ちぇ、若葉のやつ、脅かしやがって。
こんにちわー。
天上ウテナですけどー。誰もいないのかー?まさかこの寮に1人で住めってんじゃないだろうな?
えーと、2階の奥の部屋、と…。
う。10年かー、あり得る。うーん、うーん、うーん、うーん。よし!あ?あ」
アンシー「すみません、ウテナ様。もうすぐ終わりますから」
ウテナ「なんで君がここにいるの?」
アンシー「今日からご一緒させていただくことになります。よろしく」
ウテナ「よろしく。ってここは一人部屋じゃあないのか」 ウテナ「君と同室になるなんて、不思議な巡り合わせだなー。
ずいぶん綺麗に掃除してあるねー。君1人にやらせて悪かったよー」
アンシー「夕べのうちに、ほとんど済ませておきましたから」
ウテナ「でも。この寮の部屋割りが発表されたのはついさっきだろ?」
アンシー「一緒の部屋になったのは、偶然じゃありません」
ウテナ「ええ?」
アンシー「それが、薔薇の刻印の掟なのです」
ウテナ「あー?あうっ」
アンシー「私は、薔薇の花嫁ですから」
ウテナ「は、花嫁?」
アンシー「私は、決闘で勝った方と、エンゲージしなければならないのです」
ウテナ「大丈夫かー?」 ウテナ「1つ、聞くけど、あの蜃気楼の城や、手品の剣とかは、一体何なの?」
アンシー「不思議ですよねー」
ウテナ「ですよねって、何、君も知らないのかー?知らないのに、なんでそんなことしている訳?」 アンシー「ウテナ様は、何故いつも男装なさっているのですか?」
ウテナ「あ。これは、なんとなく、まあ、好きだから」
アンシー「私も同じです。私たちがいると、迷惑ですか?」
ウテナ「そんなこと言ってないけど。え?私たち……え?」 ウテナ「え?」
チュチュ「ちゅー」
ウテナ「あ、うう」
アンシー「紹介します。友達の、チュチュです」
ウテナ「君のペット?」
アンシー「友達です」
ウテナ「ああ」
アンシー「まあ、大変」
ウテナ「どうぞ?えっへへへ」
チュチュ「アイヤ。げぷ」
ウテナ「よろしく、チュチュ。僕は天上ウテナ。僕も君の友達にしてくれるかい?」
チュチュ「チュイー」
ウテナ「はは」
チュチュ「ちゅ、ちゅ、ちゅー」
アンシー「チュチュが人に懐くなんて初めてですー。ウテナ様」
ウテナ「あーのさー、そのウテナ様ってのはやめてくれよー」
アンシー「でも、ウテナ様は私とエンゲージした方ですから」
ウテナ「はー。またそれか」 ウテナ「あの西園寺ってやつは、これと同じ指輪をしてたけど、
これが何なのか君は知っているのかい?」
アンシー「ここの生徒会の人たちは、みんな持っています。それは薔薇の刻印。
その指輪を持っているのは、決闘の参加資格のある人です」
ウテナ「え」
アンシー「だから、現在の勝者であるウテナ様には、
これから薔薇の刻印を持つ人たちが、次々と決闘を挑んでくるはずです」
ウテナ「冗談じゃない!僕はそんな無意味な決闘をするつもりはないから!」 西園寺「フン!お前か、生徒会長」
桐生「邪魔だったかな?副会長」
西園寺「いや、君も一応うちの部に籍は置いているんだ」
桐生「剣道部主将が、また中学生と喧嘩するのか」
西園寺「あたりまえだ。世界を革命する力は、この僕のものだ。
あんな娘が花嫁とエンゲージするなんて間違っている」
桐生「それは仕方ないさ。とにかく彼女は、姫宮アンシーは、決闘の勝利者とエンゲージする」
西園寺「違う!彼女は僕のものだ。彼女は永遠に僕の言うことを聞くと、ちゃんと交換日記にも書いていた」
桐生「してたのか?交換日記」 ウテナ「まいったなー。この寮って、本当に僕と彼女の2人だけしかいないわけー?
これも薔薇の刻印の掟とかいうヤツか」
チュチュ「チュチュチュチュチューチュチュチュー!」
ウテナ「あむ……ん。チュチュ!早く彼女を呼んできてくれよ!
でないと、この広い食堂で1人きりの食事になっちゃうよー」
チュチュ「チュチュッ、チューチュ、チューチュ、チューーーー!」
ウテナ「え?」
チュチュ「チュー、チュー」 西園寺「何故だアンシー!どうして僕のいうことが聞けない!」
アンシー「ごめんなさい、西園寺先輩。今の私は、ウテナ様とエンゲージしていますから」
西園寺「しかし君は、僕とエンゲージしている時、君の全てを僕に捧げると誓ったではないか」
アンシー「ええ。でもそれは過去のこと。あなたとのエンゲージは、終わったのです。諦めてください」
西園寺「はあ。恥知らず!」
アンシー「ああっ」
西園寺「破廉恥にもほどがある」
ウテナ「破廉恥なのはお前だ!」
チュチュ「チュー……」 西園寺「君か。まあちょうどいい。この前の決闘では僕も油断した。
薔薇の花嫁が誰のものなのか、はっきり決着をつけようじゃないか。
明日の放課後、決闘広場でリターンマッチだ」
チュチュ「チュッチュッ。チュー。ぶしっ」
ウテナ「ばかばかしい。理由のない決闘をするつもりはないね。
僕が昨日あなたと決闘したのは若葉の、友達のためさ。薔薇の花嫁なんて興味ないね」
西園寺「そっちになくても僕にはある。
デュエリストとして薔薇の花嫁とエンゲージするつもりなら、君は断れない。
生徒会の規則に逆らうものはこの学園にいられなくなる。
それは校則にもさだめられている」
ウテナ「わかった。受けて立つ。明日の放課後、決闘広場で会おう!」
西園寺「フッ」
チュチュ「およっ。チューチュチュー!」
アンシー「決闘を、受けないんじゃなかったんですか?」
ウテナ「仕方ないさ。決闘を受けなきゃこの学園にいられないって言うんだから。
わざと負けるさ!それで問題はないわけだ」
アンシー「ええ、お好きなように」
チュチュ「チュッ」 影絵少女A「かしらかしらー、ご存知かしらー」
影絵少女B「今日も裏の森で、また決闘があるんですってー」
影絵少女A「いよいよ決着をつけるときがきたぜ」
影絵少女B「バキューン」
影絵少女A「うおー、やられたー。でも平気。だってわざと負けたんだもーん」
影絵少女B「でもでも勇者さまー」
影絵少女A「わざと負けちゃう難しさ」
影絵少女B「果たしてあなたはご存知かしらー?」
影絵少女A「かしらかしら」
影絵少女達「ご存知かしらー?」 (♪
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わたしの誕生・絶対誕生・黙示録
闇の砂漠に 燦場・宇葉
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もくし くしも
しもく くもし
もしく しくも…
) 西園寺「ルールは知っているな?」
ウテナ「胸の薔薇を散らされた方が負けなんだろう?」
アンシー「お気をつけて」
ウテナ「ああ。わざと負ける勝負で怪我をするのはばかばかしいからね」 アンシー「気高き城の薔薇よ。私に眠るディオスの力よ。主に答えて、今こそ示せ!」
ウテナ「世界を革命する力を!」 天体時代 原始の海洋 浸食 堆積
三十億年 生命誕生 地質時代
カンブリア オルドビス シルル デボン
ストロス トライト バクテリア コレニア 三畳 ジュラ紀 白亜紀
西園寺「はあっ!」
ウテナ「はっ、はっ」
西園寺「ていっ!ていっ!ていっ!ていっ!」
アンシー「…」
ウテナ「ハッ、ハッ、ハッ!」
西園寺「フンッ!はああああああ!」
ウテナ「ううっ」
西園寺「もらったぁ!」
ウテナ「ううっ」 ヒカゲノカズラ イワヒバ プレウロメイア
カイトニア ベンネチテス アンモナイト
ウミノバラ ウミノユリ ウミリンゴ ウミツボミ
ウミテンシ ウミカガミ ウミトビラ ウミカゲロウ
石炭 二畳紀 古生代
西園寺「いい度胸だ。命より薔薇をかばうとはな!
わかっているな!生死に関係なく、薔薇を散らされたものの負けだ」
ウテナ「……」
西園寺「フッ、うおおおおおお!」
桐生「…」
西園寺「ディオスの剣といっても、剣自体に特別な力があるわけではない!
それは最も優れた者がもつべき王者の剣!
昨日は油断したが、実力の差ははっきりしている!うらあ!」
ウテナ「うわあっ」
アンシー「ああっ」 ウミノアナタ
ウミノワタシ
肉体の中の古生代
生き続ける
死に続ける
語りかける古生代
西園寺「その剣も、そしてアンシーも僕のもの。この西園寺恭一のための花だ」
ウテナ「うっ」
西園寺「覚悟!」 クジラのように
イルカのように
アザラシのように
海の底へウミワタシ
海の底の大歴史
ぼくがぼくする海の底
アンモナイト
西園寺「うっ!」
ウテナ「ああ……」
アンシー「ああ」
桐生「ああ……なんだ、今のは。あれが世界を革命する力。ディオスの力なのか!」 チュチュ「チューチュチューチュチューチュ」
アンシー「わざと負けるんじゃなかったんですか?」
ウテナ「君のためじゃない。チュチュのためさ」
アンシー「えっ?」
ウテナ「西園寺なんかがきみと一緒にいたら、チュチュがいじめられそうだからねー」
チュチュ「ウーン、ウーン。チュ?」
ウテナ「あっはははは」
チュチュ「チュ!」 次回予告
ウテナ「すごいじゃないか、姫宮。ダンスパーティーのクイーンにノミネートされたんだって?」
アンシー「でも私行きません。パーティー会場には知り合いもいませんし」
ウテナ「だから行くべきだよ!友達がたくさん出来るって!」
アンシー「ウテナ様がそうおっしゃるのなら。でも、そのダンスパーティーの裏には罠が」
ウテナ「次回、少女革命ウテナ。舞踏会の夜に」
七実「絶対運命黙示録」
『舞踏会の夜に』 有希「情報統合思念体にとって、
銀河の辺境に位置するこの星系の第3惑星に特別な価値などなかった。
でも、現有生命体が地球と呼称する、この惑星で進化した二足歩行動物に、
知性と呼ぶべき思索能力が芽生えたことにより、その重要度は増大した。
もしかしたら、自分たちが陥っている自律進化の閉塞状態を、
打開する可能性があるかもしれなかったから。
宇宙に偏在する有機生命体に、意識が生じるのはありふれた現象だったが、
高次の知性を持つまでに進化した例は、地球人類が唯一だった。
合思念体は注意深く、かつ綿密に観測を続けた。
そして3年前、惑星表面で他では類を見ない異常な情報フレアを観測した。
弓状列島の一地域から噴出した情報爆発は、瞬く間に惑星全土を覆い、惑星外空間に拡散した。
その中心にいたのが…。
以後3年間、あらゆる角度から涼宮ハルヒという個体に対し調査がなされた。
しかしいまだその正体は不明。
それでも統合思念体の一部は、
彼女こそ人類のひいては情報生命体である自分たちに、自律進化のきっかけを与える存在として、
涼宮ハルヒの解析を行っている。
情報生命体である彼らは、有機生命体と直接的にコミュニケートできない。
言語を持たないから。
人間は言葉を抜きにして、概念を伝達するすべを持たない。
だから私のような人間用のインターフェースを作った。
情報統合思念体は、私を通して人間とコンタクトできる」
キョン「ああ…」 -------------------------------------- 『それは、むかーしむかしのお話です。
あるところにお父様とお母様を亡くし、深い悲しみに暮れる幼いお姫様がいました。
そんなお姫様の前に白馬に乗った、旅の王子様が現れます。
凛々しい姿、優しい微笑み。王子様は、お姫様を薔薇の香りで包み込むと、
そっと涙をぬぐってくれたのでした。
「たった1人で深い悲しみに耐える小さな君、その強さ、
気高さをどうか大人になっても失わないで。今日の思い出にこれを」
「私たち、また会えるわよね」
「その指輪が、君を僕のところへ導くだろう」
王子様がくれた指輪は、やはりエンゲージリングだったのでしょうか?
……それはいいとして、お姫様は、王子様に憧れるあまり、
自分も王子様になる決意をしてしまったのです。でもいいの〜?ほんとにそれで〜』 ウテナ「ううん……。
指輪だけはまだ確かにここにあるんだ。
あの出会いは、本当のことなんだ。
決闘広場、薔薇の花嫁、全部この指輪の導きなのかなー。あ……」
アンシー「おはようございます。ウテナ様」 ウテナ「ごちそうさまー。朝と夜は、この2人きりの食事が続くわけかー」
アンシー「静かでいいですねー」
ウテナ「君さあ」
アンシー「はい」
ウテナ「君、クラスでもいつも1人だけど、本当に友達とかいないの?」
アンシー「いますよ?ここに」
チュチュ「チュッチュッ。ぢゅー、ぢゅー!スポン!」
ウテナ「ま、それはそれでいいとしてもだ」 ウテナ「その、ウテナ様っていい方はやめてよね」
アンシー「いけませんか?」
女子生徒A「きゃ、ウテナさまよー!」
女子生徒達「ウテナさまー、おはようございまーす」
ウテナ「やあ、おはよう」
女子生徒達「ウテナさまー、おはようございまーす」
ウテナ「おはよー。おはよー。
あ。や、みんな確かにウテナ様って呼んでるけどさ、
君の場合、なんか冗談になんないんだよなー」
アンシー「でも、私はウテナ様とエンゲージしましたから」
ウテナ「だからやめてくれよ、そのエンゲージしたとか薔薇の花嫁、ってのは」
アンシー「でも」 ウテナ「あのねー、こう見えても僕は健全な女子なの!
花嫁とかそういうのじゃなくて、健全な男子にしか興味ないの!」
桐生「いやー、それはよかった」
ウテナ「ええ……」
桐生「どもー。健全な男子、生徒会長の桐生冬芽です」
アンシー「ふふっ、おはようございます」
ウテナ「親しいの?」
桐生「それはもう……なにせ彼女は薔薇の花嫁なのですから」
ウテナ「そうか。あんたもあの決闘ゲームとかの仲間なのか」
桐生「そのこと、誰かに話した?」
ウテナ「あんな馬鹿なこと誰にも話せるもんかー」
桐生「結構。いやー、怒った顔も凛々しくて素敵だねぇ。
天上、ウテナくん?」
ウテナ「んー……」 ウテナ「気安いな。生徒会長さん」
桐生「そうとんがるなよ。もっと仲良くしようぜ。
俺と君は、満更縁がない訳じゃないんだ」
ウテナ「あ……
あ……
あんたは……
あんたはなんでそれを持っているんだ?」
桐生「もちろん、君と出会うために決まってるじゃないか」
ウテナ「……あっ(まさか)」
桐生「フッ、君とはもっと、親しくなりたいな」
ウテナ「えっ(まさか、彼が)」 桐生「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでゆく。
我らが雛は、卵は世界だ。世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでゆく。
世界の殻を破壊せよ!」
桐生・樹璃・幹「世界を革命するために!」 桐生「昨日、再び西園寺が天上ウテナと決闘し、敗れた」
幹「西園寺さんは、昨日から部屋に閉じこもったまま、今日は学園に来てないそうです」
樹璃「奴のことなどどうでもいい。それより天上ウテナだ。
彼女もまた、我々同様世界を革命しようとしているのか?」
桐生「いや、彼女は我々と違い、世界の果てからの手紙を受け取ってはいないようだ」
樹璃「ならどうして、薔薇の刻印を持っている」
桐生「さて、どうしてかな」 若葉「ウーテナー!」
ウテナ「うおっうおっうおっ」
若葉「ウテナさまー。キャー」
ウテナ「うおっとお!若葉、今のはかなり危険だったよ」
若葉「そう?あら、冬芽さんを見てたのね?うん、なるほどそういうことか」
ウテナ「何がそういうことだよー」
若葉「フーン、でもあの人止めた方がいいわよ」
ウテナ「んー?」
若葉「学園一のプレイボーイで、かなりの子が泣かされてるって、噂!」
ウテナ「そんなプレイボーイが、白馬の王子様なわけないか」 若葉「んー?あ、そういえばウテナって、寮は誰と同室になったの?」
ウテナ「姫宮アンシー」
若葉「えっ、マジ……」
ウテナ「んー……」
若葉「んー、外したわね」
ウテナ「外したって?」
若葉「あの子って、案外男子にモテるみたいで、よくない噂聞くんだよねー」
ウテナ「噂?」 女子生徒A「あんたのせいよ!あんたがタラしこんだから、私たちの西園寺さんは駄目になったんだ」
女子生徒B「西園寺先輩、剣道部もずーっと休んじゃってんのよー!」
女子生徒C「怖い子」
女子生徒A「私たちの西園寺さんを、返してよ!」
女子生徒B「なんとか言いなさいよ!」
七実「何をしてるの?」
女子生徒C「あっ七実さま!」
七実「一体これは何の騒ぎかしら?場合によっては生徒会に報告せねばいけませんねー」
女子生徒A「い、いえあの」
女子生徒B「ち、違うんです」
七実「フーン」
女子生徒達「失礼しますっ」 七実「大丈夫?」
アンシー「ええ、どうもありがとう。あなた、七実さんでしたっけ」
七実「姫宮先輩は男子生徒に人気があるから、つい恨まれちゃうのねー」
アンシー「えっ」
七実「わたくし達1年の男子にも、姫宮先輩は一番人気なんですー。
何しろ今年のダンスクイーンとしてノミネートされてるんですから」
アンシー「ダンスクイーン?」
七実「この週末のダンスパーティーで、学園一のダンスクイーンを選ぶことになっているの。
姫宮先輩はその1人にノミネートされてるんですよー?必ずいらしてくださいね?
男子達が喜ぶし、わたくしも、姫宮先輩と仲良くなりたいって、ずっと前から思ってたの」
アンシー「はあ……」
七実「んふふっ」 アンシー「うーん……えいっ!やーだー、引っかかっちゃった〜
ウテナ「あのさあ、姫宮」
アンシー「はい」
ウテナ「君は本当に友達いないの?」
アンシー「いますよ?ここに」
チュチュ「ぢゅ!?」
ウテナ「あー……それはそれでいいとしてもだ」 ウテナ「ん?」
男子生徒「姫宮アンシー、天上ウテナ様、お届け物を持って参りました」 男子生徒「ダンスパーティーのクイーンにノミネートされた証として、実行委員会より、このドレスを送らせていただきます」
ウテナ「あー」
アンシー「あ」
男子生徒「週末のパーティーには是非、それを着て出席してくださいますよう、委員会一同、
心よりお待ちしております」
ウテナ「すごいなー」
アンシー「ウテナ様のは?」
ウテナ「えー」
男子生徒「それから、こちらの箱はウテナ様へ、桐生会長からです」
ウテナ「えー、僕にー?でも僕は関係ないよ。招待もされてないしさー」
男子生徒「箱の中に、招待状とメッセージカードがあるはずです。では、失礼します……」 ウテナ「うっ、げげー。なんだよこれー。僕がこんなの着て、パーティーに行くとでも思ってんのかなー」
アンシー「行かないのですか?」
ウテナ「うん、興味ないからね」
アンシー「では私も」
ウテナ「ええ?なーんでー?せっかくダンスクイーンにノミネートされているんだろ?」
アンシー「でも私、人が大勢いるような場所は苦手なんです」 アンシー「なんだか、みんな同じような顔の人に見えて、怖いんです」
ウテナ「……」
アンシー「さ、今度はチュチュの番よ?」
ウテナ「いや、君は行った方がいい。是非行くべきだよ!君には友達が必要だ!」
チュチュ「ちゅ?」
ウテナ「いや、そうだけど。もっと沢山作るべきだ!」
アンシー「フ。ウテナ様がそう言うのなら」
ウテナ「うん。それにしてもあの男、何考えてるんだか」 影絵少女A「かしらかしら、ご存知かしらー?」
影絵少女B「あーら奥様、ご存知ざますー」
影絵犬A「ワンッ」
影絵少女A「間も無く開かれる舞踏会の噂で、都は今、もちきりざます」
影絵犬B「ワンッ、ツー」
影絵少女達「ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃ」
影絵犬A「ワンッ」
影絵少女A「舞踏会といえば聞こえはいいザマスが、早い話しがボーイハントザマス」
影絵少女B「最近お嬢様には困ったものザマス」
影絵犬B「ワンッ、ツー」
影絵少女達「ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃ」
影絵犬A「ワンワンッ」
影絵少女達「破廉恥ザマス〜」 七実「だーれだ」
桐生「よせよ、七実」
七実「いい夜ですわね。お兄様。ンフッ」
桐生「甘えん坊だな、我が妹君は」
司会「みなさま、今宵、よくぞお越しくださいました。
恵多き春の一夜を楽しむべく催したこのささやかなダンスパーティーは、同じにまた、
我らがダンスクイーンを選ぶ、コンテストでもあります。どうかみなさま、ご協力ください」 女子生徒D「ウテナさまが女装!?」
女子生徒F「かわいいー、ウテナさまー」
女子生徒E「ウテナさまだわー。学生姿も凛々しいけど、ドレス姿もきまっているわー」
七実「いかが?最近お兄様姫宮さんのことばかり話してるから、七実が招待したのー」
桐生「天上、ウテナ……」 ウテナ「やっぱりこんなもん着てくるんじゃなかったー」
アンシー「すみませんウテナ様。私のために、恥ずかしい格好を」
ウテナ「恥ずかしい?そうなのかー?」
七実「よくいらしてくださいましたー。姫宮先輩?」
アンシー「あ、七実さん」
七実「そのドレスとっても素敵ー。よくお似合いですわー。ンフッ」
アンシー「ありがとう」
七実「さ、ノミネートされた方はこちらにいらして?」
アンシー「あ、あの……」
ウテナ「なーんだ。姫宮にもちゃんと友達が居るじゃないかー」
チュチュ「ぢゅ……」
ウテナ「いや、それはそれとしてもだ」
桐生「素晴らしい!」
ウテナ「ええ?」
桐生「想像、以上だ!」
ウテナ「あ、何を想像したのかは知らないけど、こんなの僕には似合わないよー」
桐生「何を言う。君こそ、この学園のクイーンだ。そのドレス姿で、俺と踊ってくれると嬉しい」
ウテナ「うっ」
桐生「俺たちは、絵になるカップルだと思うけどな」 アンシー「あ、あの……」
女子生徒A「七実様?ちゃんと送ったドレスを着てきましたねー」
女子生徒B「よく似合ってますこと」
七実「(わたくしからお兄様を奪う人は、恥をかいてもらうわ)」
アンシー「はっ!キャー!」
ボーイ「こ、これは。し、失礼いたしました」
女子生徒達「フフフフフ」
七実「あーら。せっかく私が送った特別製のドレスを濡らしちゃうなんて。そのドレスは水に濡れると大変なのよ?」 桐生「さ、踊ろう」
ウテナ「アッ、やめてくれ。だいたい、こんなパーティーは僕の趣味じゃないんだ」
桐生「じゃ、なぜ来てくれたのかな?」
ウテナ「それは……」
桐生「それは?」
ウテナ「もしかしたら、あんたが」
桐生「俺が、何?」
ウテナ「……」
アンシー「キャー!」
ウテナ「あっ!姫宮!」
桐生「七実の仕業か。どういうつもりだ。いいところだったのにな」 ウテナ「姫宮ー!」
七実「何?あれは」
アンシー「ウテナ様」
男装に戻ったウテナ「踊ろう姫宮」 チュチュ「ちゅっ」
七実「(計画通りに運んでたのに、あの子何者!?)」
桐生「七実。おいたも、ほどほどにな」
七実「さあ、何のこと?それより姫宮さんと踊ってる子、誰?」
桐生「天上ウテナだ」
七実「天上ウテナ?」
桐生「ああ。イカすだろう?しかし、俺の送ったドレスを脱ぎ捨てるとはね……」
七実「(お兄様が……あの女にドレスを……?あの女に!)」 次回予告
ウテナ「薫幹。通称ミッキー。ピアノとフェンシングの腕は全国レベルの美少年!」
アンシー「まあ」
ウテナ「まだ中一なのに、大学のカリキュラムを受けてる超秀才!」
アンシー「すごいんですねー」
ウテナ「彼は生徒会でも、唯一決闘に反対している人みたいなんだ。それどころか、
姫宮の家庭教師さえしたいって言ってくれてるんだ」
アンシー「がんばっておもてなしをします」
ウテナ「次回、少女革命ウテナ、光さす庭・プレリュード」
アンシー「絶対運命黙示録」
『光さす庭・プレリュード』 ウテナ「結局、こういうことになるんだね、ミッキー」
幹「ええ、僕はあの音楽を取り戻さなきゃならない。
だから、どうしても花嫁が必要なんだ」
ウテナ「君は、ピアノの前に座っている方が、似合っているのに」
樹璃「全くだな」
幹「薔薇の花嫁は、僕のものにしますから!例え、あなたを傷つけても!」 七実「素晴らしいわ。幹のピアノ。この学園の誇りね〜。
先日のパーティーもあなたの演奏のおかげで随分花を添えられたわ。
でも、どうしてコンクールの出場をやめちゃったの?先生たちがっかりしてたわよ?」
幹「このピアノ、少し音がずれているようだけど」
七実「そお?先週、調律させたばかりよ?」
幹「なら、調律が必要なのは僕の方かもしれない」 七実「1人の時はいつもその曲を弾くのね」
幹「僕は本当はこの曲しかピアノを弾く理由はないんだ。
僕がピアノを続けているのは、ある人にこの曲を聴いてもらいたいからなんだ」
七実「ある人?」
幹「でも、僕はまだこの曲を思うように弾けない。ふぅ。どうしても求める音にならないんだ」
七実「そんなぁ。わたくしはこれでOKよ?幹の気持ちは十分に伝わってくるわ〜……ああ?」
幹「これはね、自分の中に永遠の美しさを持ってないと弾けない曲なんだ」
七実「その曲の名前は?」
幹「光さす庭」 若葉「参った〜。これまでで最悪の点数だわ」
ウテナ「うーん、大変だねそりゃ」
若葉「だいたいさー、数学なんて九九が言えりゃそれでいいのよ」
ウテナ「論理的な思考力を育てろってことだろ?」
若葉「でもママが言ってたよー。論理的なことは、全て男に押し付けるのがいい女だって」
ウテナ「あっそ」
若葉「はぁ。いいわよねー、あんた数学得意だもんねー。
嘘ー!あんたいつも数学こんなに悪くないでしょー?」
ウテナ「ちょっと油断した」
若葉「ダメよー、論理的な思考力を育てなきゃー」
ウテナ「おい……。ともかく、こんな点数ならルンルンしてられないよなー」
若葉「大変ねー」 女子生徒A「私たちがどれほどミッキーのこと好きか知ってるわよね」
女子生徒B「聞いたわよ。あんたのせいで、私たちのミッキー、
コンクールに出るの止めたって言うじゃないの!」
アンシー「私、知りません」
女子生徒A「嘘、ミッキーに余計なこと言って自信なくさせたんでしょー」
女子生徒B「そうよ」
アンシー「私、そんなこと言ってません」
幹「君たち!何をしている!」
女子生徒達「ああ……!」 幹「なんだか、僕のことで誤解されて、言いがかりをつけられていたみたいですねー。
本当に、申し訳ございませんでした」
アンシー「ありがとう」
幹「いえ……」 ウテナ「んー?あれー」
若葉「ん?なあに?」
ウテナ「姫宮と一緒にいる男の子、誰?」
若葉「あら、ミッキーじゃない」
ウテナ「ミッキー?」
若葉「え、知らないの?1年生の薫幹君。
ピアノとフェンシングの腕は全国レベルの美少年でー、
まだ中1なのに、大学のカリキュラムをいくつか受けている超秀才よ」
ウテナ「へー」
若葉「でもってねえ?上級生の女子に、すっごい人気で、ミツコ達なんか大騒ぎよー」
ウテナ「ふーん」
若葉「でも」
ウテナ「ん?」
若葉「なんで姫宮アンシーとミッキーが一緒にいるのかしら」
ウテナ「うん」 樹璃「や」
幹「樹璃先輩!」
樹璃「部室にも生徒会室にもいないと思ったら、図書館でお勉強とはねー。
誰かの答案、添削をしているのか?」
幹「ええ、ちょっと」
樹璃「へー。他人とは距離を置きたがる君が珍しいじゃないか」
幹「ねえ、樹璃先輩」
樹璃「ん?」
幹「幸せっていうのは、案外身近にあるものかもしれませんね」
樹璃「は?それにしても、すごい答案用紙だなー。一体誰のだ?」 幹「一応直してみました」
アンシー「あ……」
幹「その先生は、いつもそういうひっかけ問題を出すんですよねー。以後注意してみてください」
ウテナ「いいよなー、添削してもらえて。やっぱ持つべきものは論理的なボーイフレンドか?」
幹「天上先輩!」
ウテナ「ん?」
幹「薫幹です。宜しくお願いします」
ウテナ「僕のことしってるの?」
幹「もちろんです。あなたは今、僕たちの間では有名人ですから」
ウテナ「僕たち?」
幹「これですよ」 ウテナ「あ!君も奴らの、生徒会の一味なのか?」
幹「えっ」
ウテナ「やっぱ君も薔薇の花嫁を狙っているわけ?」
幹「え、いえ。誤解しないでください。僕は生徒会メンバーではありますが、
姫宮さんを決闘で花嫁にしようとは思っていません。本当です。
これは、今度の追試に出そうな問題のヤマです。
このノートに書いた公式さえ覚えていれば、だいたいクリア出来ると思います」
アンシー「ありがとう」
幹「いえ」
ウテナ「ふ。でも、かなり彼女のことを気にしているように見えるけど?」
チュチュ「ちゅ……」
幹「彼女は、姫宮さんは、僕の知っている子に少し似ているんです。それだけです!
天上先輩と決闘するつもりなんか、ありませんから」 ウテナ「当たり前だよ。君たち生徒会のおかげで、僕たちがどれほど迷惑を受けているか分かる?
なんだか知らないけど、君たちが決闘だのなんだのってくだらないことに巻き込むから、
僕たちはこうして追試まで受ける羽目になっちゃったんだ」
幹「僕たちって、先輩も追試なんですか?」
ウテナ「う……う……いやあ、うー、そうなんです」 桐生「いいね、今日のは。
テクニックでねじ伏せるようないつもの迫力じゃなくて、なんだか音に潤いを感じるよ。
前に言ってた、輝く者でもみつけたのかな?」
幹「ええ。そうかもしれません。僕は、ずっと亡くしていたものを、ついに取り戻せるかもしれないんです」
桐生「それは羨ましいな。その輝く者が取り戻せたら、是非、俺にも教えて欲しいね」
七実「(何が輝く者よ!)」 影絵少女A「かしらかしら、ご存じかしら?」
影絵少女B「小学校の時初めてつきあった子は、クラスで一番算数のできる子でした」
影絵少女A「あーら初耳。そんな頃にもう彼氏がいたの?」
影絵少女B「けど私が私が、プロレスごっことか、ニンニクラーメン大盛り!とかが好きだと知ると、「君がどういう子か分かったよ」っていって、
それっきりになっちゃったのねー!!!」
影絵少女A「ああ恋するものよ、夢見る恋の若人よ」
影絵少女B「恋する彼女の正体を」
影絵少女A「果たしてあなたはご存じかしら」
影絵少女達「かしらかしら、ご存じかしらー!?」 影絵少女A「かしらかしら、ご存じかしら?」
影絵少女B「小学校の時初めてつきあった子は、クラスで一番算数のできる子でした」
影絵少女A「あーら初耳。そんな頃にもう彼氏がいたの?」
影絵少女B「けど私が私が、プロレスごっことか、ニンニクラーメン大盛り!とかが好きだと知ると、「君がどういう子か分かったよ」っていって、
それっきりになっちゃったのねー!!!」
影絵少女A「ああ恋するものよ、夢見る恋の若人よ」
影絵少女B「ほんとの彼女の正体を」
影絵少女A「果たしてあなたはご存じかしら」
影絵少女達「かしらかしら、ご存じかしらー!?」 ウテナ「はーい。ああ」
幹「遅くなってすいません」
ウテナ「や、待ってたよ。どうぞ」
幹「あの。実は……」
ウテナ「ん?」
七実「わたくしもご一緒してよろしいでしょうかー?」
ウテナ「あれー、君は確か」
七実「七実ですぅー」
ウテナ「幹君の彼女?」
幹「ち、違いますよ!」
七実「む」
ウテナ「ま、入ってよ。姫宮も中で待っているからさー」
幹「お邪魔しまーす」
七実「お邪魔しまーすぅ」 幹「へー。この寮ってお化け屋敷って呼ばれてるけど、中は綺麗なんですねー」
七実「いい部屋ですよねぇ」
ウテナ「ああ。姫宮が毎日、マメに掃除してくれるからねー」
幹「姫宮さんて、綺麗好きなんですねー」
七実「凄いわ、わたくし関心しちゃう。
(フン、見てなさい。姫宮アンシーを可愛い子だなんて思うのも今のうちよ)」
幹「いいなー、天上先輩は。こんな女性らしい人と住めて」
ウテナ「嫌味かー?」 (
七実「姫宮先輩?消しゴム貸してくださいね〜。ああ〜ん、でんでん虫よー、でんでん虫がいるわー」
ウテナ・幹「ええ!」
七実「この人筆箱にでんでん虫なんか入れてるわ!」
ウテナ「姫宮!見損なったよ!」
幹「僕幻滅しちゃいました!」
七実「おーほっほっほっほ。これまでねえ、姫宮アンシー。
なーんてことになるのよ。名付けて、まあ姫宮アンシー筆箱にでんでん虫入れてる変な子だわ作戦!」
) 幹「なんか言いました?」
七実「いえ何も?」
幹「じゃあ、単項式から始めましょう」
ウテナ「うわ〜」
幹「大丈夫ですよ、やり方さえ覚えれば、パズルみたいなものです」
七実「姫宮先輩?消しゴム貸してくださいね〜?
(ふふふ、姫宮アンシー、覚悟なさい!) 」 七実「キャーーーーーーーーーででででで、でんでん虫よ!でんでん虫がいるわー!」
アンシー「あら、これかたつむりさん達のお家なんですよー」
ウテナ「そんなとこで飼うのはやめろって言ってるんだけどね〜」
幹「でも可愛いですよー。なんだか、姫宮さんらしいな〜」
七実「で、でんでん虫よ!可愛いでんでん虫なのよー!?」
アンシー「キャサリン、ジュリエット、マルセリーナ、また後でね?」
七実「ああ……ああ」 幹「分かりました?天上先輩。ここで引っかかっているんですよ」
ウテナ「えー、どこぉ?」
幹「この場合は、」
七実「(そういうことなら仕方ないわね) 」 (
七実「まあ、なんて可愛らしい机?わたくしもこういうの欲しいわ。
アアアーーーーーン!青大将よ、青大将がいるわ!」
ウテナ・幹「えー!?」
七実「この人引き出しに青大将なんか入れてるわー!」
ウテナ「姫宮!見損なったよ!」
幹「僕、幻滅しちゃいました!」
七実「オーッホッホッホ、ついにこれまでね姫宮アンシー!
なーんてことになるのよ!名付けて、まあ姫宮アンシーって机の引き出しに青大将飼ってる変な子だわ作戦」
) 幹「なんか言いました?」
七実「ハッ、いえ、何も?」
ウテナ「三角形ACPで、線BXと並行な線がCPだからー」
七実「まあ、なーんて可愛らしい机!わたくしもこういうの欲しいわー。
うっ……!青大将が。昨夜徹夜で捕まえたわたくしの青大将が〜」
アンシー「ああ、そこはマングースくんのお家になってるんですよー」
ウテナ「そんなとこで飼うのはやめろって言ってんだけどね〜」
幹「でも可愛いですよ。なんだか姫宮さんらしいなー」
七実「マングースよマングース!あんた達変だと思わないの!」
アンシー「今お勉強中だから、また後でね〜。蛇さんおいちかったの〜。そう」
七実「はぁぁ……」 ウテナ「うーん、ここはどうなるわけ?」
幹「ここはこう」
ウテナ「へー」
幹「できましたか?」
ウテナ「そうねー」
七実「(そうなの、そういうことなの。これだけはやりたくなかったけど、そういうことなら仕方がないわね)」 (
七実「ああーん!生タコよ、生タコがいるわ!」
ウテナ・幹「ええー!」
七実「この人クローゼットに、生タコなんか入れてるわー!」
ウテナ「姫宮、見損なったよ!」
幹「僕、幻滅しちゃいました!」
七実「オーホッホッホ!ドカーンとこれまでね、姫宮アンシー!
なーんてことになるのよ、絶対!名付けて、
何と姫宮アンシーってクローゼットの中に生タコかこってる変な子だわ作戦」
) 幹「なんか言いました?」
七実「いいえ、何にも。
(フッフフフフ。今度こそは……この生タコで……!ギャフンと言わせてやるわ!姫宮アンシー!)
ギャフンというのよ!この生タコで!オーッホッホッホ!、いざ!」
ウテナ「あ?」
七実「あ、ああーーーーーーーーー!生タコ生タコ生タコ生タコ!あ〜あ〜!」
ウテナ「そこ、勝手に開けると危ないよ」
七実「嘘よ。いくらなんでもこれは夢よ。こんな巨大な生タコが、生タコの足が〜〜〜〜〜」
幹「あれ、去年の学祭で使ったアドバルーンですよね〜」
アンシー「捨てられたのがかわいそうだったから、ここに匿っているんです」
ウテナ「いいかげん捨てるように、君からも言ってくれない?」
幹「でも可愛いですよ〜。なんだか姫宮さんらしいな〜」
七実「あああ……」 幹「これでX=3になるんですよ。あとはこれで代入して、この一次方程式を解けば……」
ウテナ「あー、なるほどー。3+Yが、うーんと」
幹「だから」
ウテナ「ああ、出来た!これでどう?」
幹「当たりです!」
ウテナ「なるほど。流石超秀才、授業より分かりやすいやー」
幹「えっ、いや、そんな」
アンシー「キャハハッ」
ウテナ・幹「ん?」
アンシー「うふふふ。あっはっはっは」
ウテナ「真面目にやろうよ、追試は来週なんだからさ〜」
アンシー「はい、ウテナ様……くっ、ふふ」 ウテナ「もうこんな時間かー。幹くん!」
幹「はい」
ウテナ「何か軽く食べようか。七実くんもさ!」
七実「……」
幹「七実くん?」
七実「あっ、は、はいお夜食ですね。
実はわたくし、今日お弁当作ってきたんですー。みなさんのお口に合うといいけどー」
ウテナ・幹「あー」
七実「ふふっ、ふふふっまた動物……。これも姫宮先輩のお友達なんですよねー」
アンシー「チュチュ、ダメよ勝手に!」
チュチュ「げぷう」
七実「この動物……」
アンシー「ごめんなさい。私が代わりにお料理作ってきます」 アンシー「レモンといちごを一緒に食べると美味しいんですよ?」
ウテナ「あーそう」
幹「ホントだ、美味しいなー」
アンシー「私の得意料理なんです!」
幹「そうなんですかー!メモしとかなきゃ」
ウテナ「シロップもうちょっと欲しいなー」
アンシー「七実さん?溶けないうちに、召し上がって?」
七実「冗談じゃないわ……」
アンシー「え?」
幹「先輩に向かって、その言葉遣いはないだろう?」
七実「筆箱にでんでん虫入れて引き出しにマングース飼ってクローゼットに生タコ風船隠して……」
チュチュ「ぢゅー!ぢゅー!」
七実「おまけに夕食がかき氷なんて!お腹壊すでしょう?わたくしは、お腹が弱いのよ!?」
幹「かき氷って好きだけどな〜」
ウテナ「お腹が弱いとは残念だったなー」
七実「かき氷とお腹の話してんじゃないわよ!なーんでみんなこの人に関心を持つのよ!」
幹「君だって、姫宮さんと友達になりたいんじゃなかったのか?」
七実「何のこと?幹こそ彼女が好きなんでしょ?白状なさい!」
幹「そのお……」
ウテナ「あっ、あれー?姫宮がいなーい」
幹「ホントだ」
ウテナ「強引に勉強会なんかやったのがまずかったのかなあ」 アンシー「夕食は、たこ焼きの方がよかったかしら」
チュチュ「ちゅー?」
ウテナ「僕、ちょっと見てくるよー」
幹「僕も行きます」
ウテナ「あ」
幹「えっピアノだ」
七実「あなたがいつも弾いてる曲だわ」 チュチュ「チュチュッチュ、チュチュ、チュ」
ウテナ「へー。姫宮ってピアノ弾けるんだー」
幹「は……!
妹の音色と、同じだ。あの光さす庭だ(ああ……見つけた。輝く者を!) 」 次回予告
ウテナ「姫宮ー。ミッキーのためにピアノを弾いてあげなよ。
なんだか彼、きみのピアノに特別に思い入れがあるようだし」
アンシー「ウテナがそうしろとおっしゃるのなら」
ウテナ「いや、僕が言ったからじゃなくて、ミッキーのためにさ」
アンシー「私は薔薇の花嫁。エンゲージした方の思うがままです」
ウテナ「目を覚ませよミッキー、そんなやり方で姫宮のピアノを手に入れようとするなんて、間違ってる!
次回、少女革命ウテナ、光さす庭・フィナーレ」
アンシー「絶対運命黙示録」
『光さす庭・フィナーレ』 女子生徒A「ほらほら見て、すごいよ!」
女子生徒B「すごいって何が?」
女子生徒A「ほら、樹璃キャプテンと、ミッキーよ!」
女子生徒B「ホントすごーい!」
女子生徒A「ね、すごいでしょー?」
女子生徒「すごすぎるわー!」
女子生徒A「だってそりゃそうよー!2人とも全国レベルなんだもん!」
女子生徒B「へー!納得ー!」
女子生徒A「ねえねえ、ところでさーあ?」
幹「ふっ!」
女子生徒A「ああ!」
樹璃「はあ……」
女子生徒達「きゃー」 樹璃「はあ!ついに取られたな。強くなった」
幹「いいえ。まだまだです。まだまだ完成していません」
樹璃「いや、完成していないことが君の強さなんだ。純粋ゆえの勢いだな」
幹「えっ」
樹璃「君の剣にはいつも素直な勢いがある。
それが今日は一段と勢いを増しているようだ。そのわけは、答案用紙の女の子か?」
幹「な……何言ってるんですか」
樹璃「でも、君の剣は戦うためじゃないな」 幹「はい」
アンシー「ありがとう」
幹「ふっ。ここはあの庭に似てるなぁ」
アンシー「え?」
幹「はは」
アンシー「ふふっ」
チュチュ「チュッチュッチュ〜」
ウテナ「こらチュチュ、待てよ〜。ん?あ……あれ、お邪魔だったかな」
幹「え?」
チュチュ「チュ〜チュ?」 幹「僕が、僕の求めている音色だ」
ウテナ「これ、ゆうべも姫宮が弾いてた曲だよね」
幹「ええ。光さす庭。小さい時、僕と妹が作った曲です」
ウテナ「君が作ったの?でもこれ有名な曲だよね」
幹「僕と僕の双子の妹は、物心ついた頃から、ずっとピアノをおもちゃにして遊んだんです。
あの庭で。僕と妹がピアノを弾くと、いつも周囲の大人達は驚ろいたものでした」
ウテナ「へー。兄弟揃って神童だったんだ〜」
幹「今思えば、僕の幸せの全てがそこにはありました。だけど」
ウテナ「だけど?」
幹「だけど僕は、それを壊してしまった!自分の手で、壊してしまったんです!」 梢「コンサート?」
幹「そう。来週の木曜日、みんなが僕たちを見に来るんだ!」
梢「だけど私、そんなにたくさんの知らない人たちの前に出るのは、そんなにたくさんの知らない人たちは、怖い」
幹「大丈夫!大丈夫だよ、僕がついてるから!
僕がずっと側にいて、いつもと同じように2人でピアノを弾くだけさ。何も怖いことはないよ!」 幹「うー……」
医者「はしかですね。まあ1週間も安静にしていれば、回復しますよ?」
男「ほらほら、君はコンサート会場へ。もうみんなが待ってるよ?お兄さんの分まで頑張らなきゃね?」
梢「お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
男「舞台の上から突然逃げ出してねえ。日が暮れるまでどこかに隠れていたんだ。
そのあとは、こうして一言も口を聞いてくれないんだよ」
幹「以来、妹はピアノを弾かなくなってしまったんです」 幹「そうなって、はじめて僕は自分がどれほど妹のピアノが好きだったのか、気づきました。
どれほど、あの庭を愛していたか」
ウテナ「うーん……」
幹「どれほど技術を磨いても、妹が弾くあのピアノの音色は、どうしても出せなかった。
僕はその音色を出すためだけにピアノを続けているのに。
だけど彼女の、姫宮さんのピアノには、それがあるんです」
ウテナ「それってあばたもえくぼってやつー?」
幹「僕はついに輝く者を見つけたんだ!」
ウテナ「それって告白ってやつですかー?」
幹「え……」 ウテナ「どうする?姫宮」
アンシー「え?」
ウテナ「年下の男の子って、どお?」
アンシー「私はウテナ様の花嫁ですから」
幹「えっ」
ウテナ「あのさあ、姫宮。だからそのウテナ様の花嫁ですからって言うのはやめてくれよなぁ?」
アンシー「だって、私はウテナ様とエンゲージしているんですもの」
ウテナ「あのさあ!姫宮が僕の花嫁だとか、そういうの認めたわけじゃないんだからね!
ただ女の子が決闘で、誰かの花嫁になるなんてのは、馬鹿げている!
僕は個人の人格をないがしろにする、こんなシステムを許せないだけさ!」 桐生「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでゆく。我らの雛が。卵は世界だ。
世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでゆく。世界の殻を破壊せよ」
樹璃・桐生「世界を革命するために」 樹璃「今日は何の集まりなのかな?世界の果てからの手紙は、まだ届いていないが」
桐生「そう。我々は皆、手紙に従って集い、手紙の指示通り行動してきた。
だが本日、緊急動議が提案されたのでね」
幹「緊急動議。僕は提案します。この生徒会の解散を!」
桐生「いきなりだな」
幹「決闘で姫宮さんを奪い合うなんて、馬鹿げてる!
やはりそういうことは、許されるべきじゃないと思う!
どれほど大きな力が手に入るとしても、
姫宮アンシーという1人の人格をないがしろにするこんなシステムは認められない!」
樹璃「恋は人を変えるねえ。なるほど。
君が添削していた答案用紙の子っていうのは彼女だったのか」
桐生「自分が本当に何を求めているのか。若さが邪魔をして見えないことはある」
幹「結局僕たちのしていることは、人間にとって、何か大切なものを壊しているんじゃないですか」
桐生「世界の殻を、破壊せよ」
樹璃「世界を革命するために」 幹「ああっ」
梢「ったー。あら。無愛想だね」
幹「どいてくれよ」
梢「落ちたわよ、楽譜。ねえ、また私としてみたい?」
幹「お前なんかに何も期待してないさ。どうせ弾くつもりもないくせに、こんなところで何をしているんだ」
梢「別に?私の自由でしょ?音楽室は、ピアノを弾くためだけの場所じゃないわよ」
女子生徒C「おはよ、元気?」
梢「おはよ、元気、元気」 桐生「おはよ。薫幹君」
幹「……!」
桐生「君の妹は、君に似て可愛いね。それに、君に似て素直だ」
アンシー「おはようございます」
桐生「本当に大切なものは、自分の手に入れて守らなきゃ、人に盗られちまうぜ?
ミッキー。例え今の生徒会を解散しても、薔薇の花嫁を狙う者は後をたたない。
エンゲージしたものだけが、花嫁を思うがままに出来るんだからな」
幹「思うがまま……思うが、まま」 幹「ねえ、姫宮さんって、いつからピアノを始めたの?」
アンシー「さあ。ずいぶんと小さい時からだったから、はっきりと覚えてないの」
幹「そう。小さい時の姫宮さんって、きっと天使みたいに可愛かったんだろうな〜。
妹のピアノは、本当に素晴らしかったんだ(今度は、失くしたりしない!絶対に!)
ピアノは好きですか?」
アンシー「ええ」
幹「また、僕のために弾いてくれますか?」
アンシー「ウテナ様がいいって言えばね」
幹「明日はどう?」
アンシー「ウテナ様がいいって言えばね?」
幹「何でも天上先輩の許可がいるんですね〜」
アンシー「だって、私は薔薇の花嫁ですもの」
幹「じゃあ、天上先輩がピアノをやめろって言えば止めるの?」
アンシー「もちろんです。私はエンゲージした方の思うがままですから」
幹「!!」 桐生「エンゲージした者だけが、花嫁を思うがままに出来るんだ。
本当に大切なものは、自分の手に入れて守らなきゃ、
人に盗られちまうぜ、ミッキー。薔薇の花嫁を狙うものは、後を断たない」
幹「大丈夫。あなたの音色は、僕が守るから!」
アンシー「どうもどうも〜」 若葉「ね、追試っていつ?」
ウテナ「来週。ま、強力な家庭教師のおかげでなんとかなりそうだよ」
若葉「へー。誰よ家庭教師って」
女子生徒達「キャー、ミッキーよミッキー」
ウテナ「やあ、姫宮なら、温室にいると思うよ?」
幹「いいえ。今日は天上先輩に用があってきたんです」
ウテナ「ちゃんとやってるよ。一次関数も連立方程式もさ」
若葉「じゃあ、家庭教師って」
ウテナ「うん」
幹「今日の放課後、広場で待ってますから」
ウテナ「ええ?」
幹「待ってますから」 影絵少女A「ザッブーン」
影絵少女B「ドッボーン」
影絵少女A「みよ、この広い海原を!100人の部下を従え、今日も7つの海へと乗り出す!俺は海賊!
世界のめぼしい財宝は、今や全てこの手にある!」
影絵少女B「かしらかしら、でも頭!頭の宝箱には、どうして頭の本当に欲しいものだけ、無いんですかい?」
影絵少女A「俺が本当に欲しいもの?」
影絵少女B「だってだから頭は海賊の頭をやめられないんでげしょー?」
影絵少女A「俺が本当に欲しいもの」
影絵少女B「頭が本当に、あ、本当に欲しいものは〜」
影絵少女A「は!俺が本当に欲しいものは!」
影絵少女B「あ、頭、船底に穴」
影絵少女A「えっ」
影絵少女達「ああああああああ」 (♪
絶対運命黙示録
絶対運命黙示録
出生登録・洗礼名簿・死亡登録
絶対運命黙示録
絶対運命黙示録
わたしの誕生・絶対誕生・黙示録
闇の砂漠に 燦場・宇葉
金のメッキの桃源郷
昼と夜とが逆回り
時のメッキの失楽園
ソドムの闇
光の闇
彼方の闇
果てなき闇
絶対運命黙示録
絶対運命黙示闇・黙示録
もくし くしも
しもく くもし
もしく しくも…
) ウテナ「結局、こういうことになるんだね、ミッキー」
幹「僕は、どうしてもあの音楽を取り戻さなきゃ。だから、どうしても花嫁が必要なんだ」
ウテナ「君はピアノの前に座っている方が似合っているのに」
樹璃「全くだな」 アンシー「気高き城の薔薇よ、私に眠るディオスの力よ。主に答えて、今こそ示せ!」
ウテナ「世界を、革命する力を!」 幹「薔薇の花嫁は、僕のものにしますから!たとえ、あなたを傷つけても!」 劇場 特別精神 集合現象
劇場 特別人物 空想現実
手術台 難破船 純粋遊劇
スピラ ミラビリス
渦巻 螺旋 変化しつづける
スピラ ミラビリス アーアー
スキ・ピオの夢
( 幹「ピアノは好きですか?」)
(アンシー「ええ」 )
幹「必ず!僕のものに!
フッ!」
ウテナ「ううっ」
幹「はっ!」 劇場 幻想精神 不死の運動
劇場 幻想人物 不死の構造
アンモン貝 錬金術 神聖甲虫
スピラ ミラビリス
ふたたび 生きる ために死ぬ
スピラ ミラビリス アーアー
驚異の渦巻
ウテナ「強い……」
幹「(流石だ、あの西園寺さんを2度も破っただけことはある)」
ウテナ「はあ、はあ、はあ、はあ」
幹「やりますね」
ウテナ「んっ、そりゃどうも!」
幹「でも花嫁のピアノは僕がもらいます」
ウテナ「こんな方法でか?」
(アンシー「私は、エンゲージした方の思うがままですから」)
幹「(彼女の目が言ってる。本当は、自由になりたいんだと。
僕が君を、僕が君の美しい音色を守ってあげるよ、姫宮さん!)」 マイマイマイマイ
マイマイマイマイ
終わりなき劇場
ウテナ「勝負!
はぁぁぁぁ!」
幹「はぁぁぁぁ!はあ!
僕は絶対に負けない!彼女は僕を信じてるんだ!」
アンシー「そこだ、ウテナ様!やっちゃえ!」
幹「えっ……」 幾何学舞台
生命 死の神秘
去りゆく 一切
死 再生 死 再生
死 再生 死 再生 ウテナ「これで、文句無しだな」
幹「どうして、誰も輝く者になってくれないんだ。誰も」
アンシー「ご苦労様。また勉強教えてね?」 女子生徒C「あんたさー、本当に昔ピアノやってたのー?私でも、もう少しは上手いわよ?」
梢「ま、才能なかったのね。興味もなかったけど」
女子生徒C「じゃあなんでやってたのよ」
梢「隣に住んでいた男の子がさ、昔よくラブレターくれたんだよね。あなたのピアノが好きですって」
女子生徒C「へー」
梢「その子勘違いしていたのよね。私がピアノを弾けるって。
弾く時はいつも兄貴と弾いてたからさ。小さい時はよく間違えられてたわ。
私までピアノが上手いって。兄貴は天才だからさ、
私がでたらめに弾いても、ちゃーんとフォローしてくれるんだよね。
でもコンサートっていうか、発表会の時、
兄貴が寝込んで熱出しちゃったから全ておじゃんよ。
1人で何も出来ないのがバレバレってやつね?」
女子生徒C「あんたのお兄さん、かっこいいよね?」
梢「まあね」 若葉「でもってそのあとママがね?」
幹「天上先輩」
ウテナ「あ。ミッキー」
幹「昨日は油断しました。でもこの次は負けませんから」
ウテナ「あー。おいおい」 次回予告
ウテナ「七実が、最近誰かに命を狙われているらしいんだ」
アンシー「まあ、大変」
ウテナ「まあ、大変じゃないよー。事件には動物が絡んでるってことで、君に犯人の容疑がかかってるみたいだぞ?」
アンシー「でもウテナ様、七実さん、暴れ馬と楽しそうに遊んでますよ?」
ウテナ「遊んでんじゃなくて逃げてるんだよー」
アンシー「まあ大変」
ウテナ「次回、少女革命ウテナ、七実様御用心!」
アンシー「絶対運命黙示録」
『七実様御用心!』 ____ ________ ________
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( ^^ ) / < 名前欄に「山崎渉」、メール欄に「(^^)」って書けば
(つ つ | キミも今日から山崎渉です(^^)♥
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| ノ ヽ ! !
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| ( _●_) ミ/ <こいつぜってーマジで最高にアホ❤(ゲラゲラゲラゲラwwwwwwwwww
彡、 |∪| /
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/ ノニニ7 " 、
./ ヽ // 丶、
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ヽ、/ ,,,,,,,,,,,,、、 ;ミミミ丶
〉 .ィ_r。ァ''",, ノミミミミ丶
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7,,;;;;;;;;ミ彡冫'" .y,,ノ/ミ;|
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__〈 ./_____,,,, 、 ヽ_l : /|三Ξ|/
/ / \ ノ-ー''''" ./
【ジェネラル】
やんちゃな女性に感心しないカイザーナックル出身のチートキャラ
このスレ最強 七実「はっ……はっはっはっはっはっはっ。きゃあ!ああ!キャー!」
女性A「あなた、大丈夫?ねえちょっと?大丈夫なの?変な子ね。心配してあげてるのに」
七実「……」 桐生「命を狙われている?」
七実「これが初めてじゃないんですぅ。植木鉢が落ちてきたり、
材木が倒れてきたり、階段から突き落とされそうになったり」
幹「強いな、悪運」
七実「助けて、お兄様。これはきっとスタイルがよくて、可愛くて、人望も厚く、
お上品な七実のことを妬んだ奴の仕業に違いないわ〜。七実、とっても怖い」
桐生「ふぅ。何の話かと思えば。推理小説の読みすぎなんじゃないか、七実」
七実「そんなぁ!」
桐生「悪いが、生徒会の仕事が忙しいんでね。失礼」
七実「お兄様……」 七実「もう……お兄様ったら冷たいんだから」
幹「兄弟ってね、複雑なんだよ」
七実「何よそれ!」
幹「あっ。コホン。心当たりはないのかい?何か恨みを買うようなことをしたとか」
七実「失礼ね!」
女子生徒A「そうですとも。七実様にぬかりはありません!」
女子生徒B「ご自分の手は、決して汚さない主義ですから」
幹「なるほどー」
七実「って納得してんじゃないわよ!」
幹「あ、ごめ」
七実「他人事だと思って!こうしている間にも、わたくしは命を狙われているかもしれないのよー!」 七実「うげっ」
女子生徒達「七実様〜」
ウテナ「ごめんごめーん、思ったより遠くまで飛んじゃって。
えーと、ボールはどこかなー?ボール、見なかった?」
七実「あなただったのね……」
ウテナ「え?」
七実「植木鉢を落としたのも、材木倒したのも、階段から突き飛ばしたのも、全部あなたの仕業だったのねー!」
ウテナ「何のことー?」
七実「うっぎゃー、くやしー!またとぼけるおつもり!?」
女子生徒A「落ち着いて!」
女子生徒B「まだそうと決まった訳では……」
ウテナ「何でもいいから、早くボール返して?」 ウテナ「あっははは、僕がそんなことするはずないじゃない。第一僕には君を殺すだけの動機がないよ」
七実「だといいけど。わたくし知ってるのよ?あなたがお兄様に色目を使っていることくらい」
ウテナ「あいつが勝手にちょっかい出してくるだけだろう?」
七実「まー。なんて自意識過剰な人なの?」
幹「あれ、温室に誰かいる」
ウテナ「ええ?」
七実「だって、ドアに立ち入り禁止、って」
ウテナ「あー」
七実「お兄様」 桐生「何故さっさと片付けない。あんな奴、生かしておいてもためにならん」
アンシー「でも、私には出来ません」
桐生「怖気付いたのか?今更計画の変更は出来ない。一思いに、殺してしまえ」
七実「……!」
幹「聞こえました?」
ウテナ「うん。殺すとかなんとか」
桐生「さあ、やるんだ。虫けら1匹殺したところで、何の問題にもならん!」
アンシー「そんなことありません!例えみんなから嫌われていても、命は命です。
もう少し待てば、おとなしくここから出て行ってくれるかもしれませんし」
桐生「何を甘いことを」
七実「(そんな……まさかわたしの暗殺を企てていたとはお兄様。わざわざ立ち入り禁止にして、密談……!)」 (
桐生「これで2人を邪魔する者はいない」
アンシー「私たち、やっと一緒になれるのですね」
桐生「それじゃ、いくよ」
アンシー「はい。冬芽様」
七実「あああああ!」
) アンシー「え?」
桐生「七実」
七実「ひどいわお兄様!最近冷たいとは思っていたけれど、そんなに七実のことが邪魔だったの?」
桐生「何のことだ?」
七実「ううう、お兄様の、馬鹿ぁ!」
幹「七実君!」
ウテナ「見損なったよ!いくら生徒会長だからって妹を殺そうとするなんて!」
桐生「だから、何を言っているんだ」
ウテナ「だって今、殺すの殺さないのって」
アンシー「はい?」
幹「まさかそれって……」
ウテナ・幹「んん……」 七実「ひどいっ、ひどすぎるっ。
わたしを殺そうとしていた犯人が大好きなお兄様だったなんて!七実なんて死んじゃえばいいんだ!七実なんてぇっ!」 \
 ̄ ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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