夢で見たこと。それはシンジとアタシだけが共有していること。
だから誰に話をしても、きっと理解して貰えないと思います。
それにあの夢は、あまりにも残酷で、思い出す度に苦しくなります。
でも、だからと言って目を背けてはダメなような気もしています。
なので、この話は、ふたりで少しずつ話しましょう。
今日、どうしても伝えたいことは、アタシの痣のことです。
初めてでした。アタシの痣を優しく撫でて涙してくれた人に会ったのは。
幼稚園の頃、アタシの痣を見て『アスカちゃんの手にヘビがいる』って言われたことがあります。
子供って、見たままを口にするから素直であると同時に残酷であったりもします。
多分アタシはそれがトラウマになり、幼稚園からずっと長袖の服を着ています。
夏の暑い時も、日焼けするのがイヤだからと言い訳しています。
どうしても半袖のシャツを着なければならない時には、腕に包帯を巻いたり化粧をして隠しているのです。
小学校の時も、ジュニアハイスクールの時も、何度か男の子からデートに誘われましたが、
この痣は隠していました。そして、この人なら大丈夫と思った人だけに、この痣を見せました。
でも、みんな目を背けてしまいました。翌日には、クラスでこの痣を知らない人はいませんでした。
やはり、気持ち悪かったのだと思います。