なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart15 [無断転載禁止]©2ch.net
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ここは、なぜエヴァを楽しむ成熟した大人が増えたのか?
または、なぜ幼稚な大人はエヴァを楽しめないのか?について意見の交流を行うスレです。
深夜アニメばかり見て精神退行した自分はエヴァを楽しめなくなったと嘆いて傷を舐め合うもよし、
エヴァが楽しめてる自分はまともな大人なんだな、という希望にすがるもよし
「いや深夜アニメ見てる奴にも人気あんじゃん」と叩かない範囲内でツッコミ入れるもよし
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart14
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1471082148/
の次スレとなります 以前に、「なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのか」スレが乱立し、
そこの旧スレ主が長文で必死に「エヴァが大人に楽しまれてない」という主張(と自称した妄想?)
を展開してました
しかし、議論が進むうちに、
・ネット限定の見識に依存した(旧スレ主の)狭隘な世界観、見識が露呈しただけの作文でしかない
・社会現象アニメであるエヴァと、ヲタ限定マーケットの深夜アニメの市場規模の違いという現実が見えてない
・幼稚な大人が深夜アニメに移っているので、深夜アニメが騒がれてるように見えるだけでは?
などの指摘により、旧スレ主の主張は次々に破綻、エヴァ板住人に完全論破された10スレ目を最後に、
新スレも立たなくなってしまいました
「なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのか」という旧スレ主の認識そのものが誤認でしかなかったと判断され、
議論じたいに意義が無くなってしまったのです
そこで、事実上の後継スレとなる当スレでは、
「なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか」
という、より現実に即した視点からの議題を提示して、皆さんとの議論を深めたいと思います
それでは、どうぞ! 今となって読み返すと笑い話でしかありませんが・・・
「なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのか」スレの発端となった
旧スレ主の主張(と自称した妄想?)がこちら
エヴァの人気が下落してる?現象についての初代1の愚痴つーか考察
「庵野さん気持ちの良いエヴァ作ってくださいよ」
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1400609307/2-5
前スレは>>4-7 試合はサンザン
テストはサイテー
ついでにあのコにお手あげだよ
試練のアラシ イザというときは
おれも男だぜ 負っけるもんかー
機能!機能!
シフト!シフト!
あげだま変換 パワフル突撃開始
出た 気合の戦士
出た 気合パワー
どーだ あげだマン パンチだ
よーし 一発逆転
いーぞ 勝利のガッツポーズ
今日も 元気満点だよ 犬「バウワウ、バウワウ」
ケンサク先生「こういう青空の下で古代遺跡を掘る。これもひとつの青春だ。ということで、今日の社会科はここでの野外授業だ」
あげだま・いぶき・クラスメイト達「おー!!」
麗「何で私までこんな泥んこになることしなくちゃいけないのよ。ねえツリパン、こんな授業抜けちゃいましょうよ」
ツリパン「麗さますいませんが、発掘調査の邪魔はしないでください」
麗「ん?むう…ちょっとツリパン!あんた私に逆らう気!わあ!」
ツリパン「ああ!縄文式土器だ!」
ケンサク先生「縄文式土器?すごいな!」
あげだま「泥だらけで何が何だか分かんねえよ」
ツリパン「ま、一日や二日やったからって分かるような代物じゃないぜ。
俺なんかオヤジに付き合ってもう二年くらい遺跡調査に立ち会ってるからな。ちょっとしたベテランよ」
あげだま「へえ、あ、なんだこれ。へへ。ラーメン式土器だったのか」
ツリパン「なんだって!?ちっ」
麗「むう…フンッ」 いぶき「あ、これ何かしら」
あげだま「どれどれ」
ケンサク先生「どうした。何か見つけたのか」
あげだま「ケンサク先生、いぶきちゃんがこんなもの見つけたんだ」
ケンサク先生「どれ?お、すごいぞ、平家。これはもしかするともしかする」
クラスメイト「ええ、どうしたの?」「なにー」
あげだま「もしかするって?」
ケンサク先生「これは恐竜のしっぽの化石かも知れん」
いぶき「わあ」
あげだま「きょ、恐竜!?」
ケンサク先生「うん、それも新発見の恐竜だとしたら大変だ。イブキザウルスなんて命名されるかも知れないぞ」
あげだま「わあ、すっげえ!イブキザウルスか!」
女子生徒A「すごいいぶきちゃん!一躍有名人ね!」
男性生徒A「よっ!女性考古学者!」
いぶき「ふ、ふふ、女性考古学者///(セット…あは。わあ、ふふ)んー素敵///」
犬「バウ」
クラスメイト達「わあ!」 あげだま「おい、待て!ああ」
麗「おーっほっほっほっほっほっほ!」
あげだま「あ、何がおかしいんだよ!麗」
麗「あんなのただの馬の骨ですわ」
あげだま「馬の骨?」
麗「まあ、あなたたちなんかに、恐竜の化石が見つけられるはずありませんわ」
いぶき「麗さん、あなたなら見つけられるの?」
麗「この私が頭の先からしっぽの先までぜーんぶ揃えてみせますわ。
そう、クキザウルス、いえいえ、ビューティフルレイヤノドンとでも名付けようかしら。
おーっほっほっほっほっほっほ!おーっほっほっほっほっほっほ!」
いぶき「…っ」
麗「まあせいぜいみんなで馬の骨を沢山探すことね。おーっほっほっほっほっほっほ!」
あげだま「勝手なことばかり言いやがって。よーし、いぶきちゃん、俺が先に全部掘り出してやるぜ!気合!気合!」
いぶき「…!あげだまくん///」
ケンサク先生「おいおい、あげだま。無茶苦茶に掘ったって出てこんぞ」
あげだま「いいのいいの」 犬「バウワウ、バウワウ」
田中「ったく女房のやつ」
犬「バウ?」
田中「ふてやがって。おかげで朝飯抜きの遅刻だぜ」
犬「バウ」
田中「旦那様に叱られるー。そうだ!女房が熱出したことにしよう」
(雷蔵「何、奥方が熱を出したじゃと!そりゃいかんな。すぐ家に帰ってやりなさい」)
田中「ブルブルブルブル。ってなことは間違ったって言いっこねえしなー」
犬「ワン、ワンワンワン」
田中「おう、腹減ってんのか」
犬「バウ」
田中「でもなー。これ俺の朝飯なの。これからワガママ老人と24時間付き合わなくちゃなんねえだろー。腹減るんだよー」
犬「クーンクーンクーンクーン」
田中「俺こういうの弱いんだよなー。よーし、思い切って半分やっちゃおう。ほれ」
犬「ガツガツガツガツ」
田中「うめえか?」
犬「ワン!」
田中「そうかそうか。あーあ、俺も犬になりてえ。じゃあな、俺仕事だから」
犬「クーンクーンクーンクーン」
田中「おい、ついてくんなよ。遅刻したうえにお前まで連れてったら」
犬「クーンクーンクーン」
田中「ああ、こういうの弱いんだよなー俺。くすぐってえよ」 犬「バウワウ、バウワウ、ワウ」
田中「てな訳でさー。どうしても俺んとこ離れねえんだよ、こいつ」
鈴木「ふーん、でもよく見ると可愛いじゃないか」
田中「だろー」
佐藤「でもよ、どうする」
田中「どうするって?」
佐藤「田中、お前自分家で飼うつもりか?」
田中「ああ、いや!そんなことしたら大家に追い出されちまう」
佐藤「だろ?俺ん家だってそうさ」
鈴木「ん?ああ、俺だって駄目さ!」
田中「ここでっていうのは駄目かな」
佐藤「ここで?」
田中「うんうん」
鈴木「ん?仕方ねえか」
田中「じゃあ」
佐藤「うん、ただし旦那様には内緒だぞ」
田中「良かった」
犬「バウ」
田中「そうだ、こいつの名前、ダンナサマって言うのはどうだ?」
鈴木「ダンナサマ!?そりゃあいい」 田中「はははは」
佐藤「へへへへへへ」
鈴木「ダンナサマー。ほらほらほらほら、ダンナサマー」
田中「ダンナサマ、お手は」
犬「バウ」
佐藤「うーん、面白え。ダンナサマ、おまわりは?」
犬「ワンワン」
鈴木「ダンナサマー、チンチンは?」
犬「ワンワンワン」
田中「利口だねえ。こっちのダンナサマは」
雷蔵『おい、田中、佐藤、鈴木!』
田中「あ、あっちの旦那様だ!」
雷蔵『すぐに研究室に来るんじゃ!』
佐藤・田中・鈴木「は、はい!」 雷蔵「ノットリダマス様の大予言に恐るべき預言詩があったのじゃ。
深い深い地の底に大いなる輝きあり。何人も手に触れることかなわず、
偉大なる王、それを手に取るものなり。どうじゃ?意味が分かったかな?」
佐藤・田中・鈴木「ぜーんぜん」
雷蔵「そうじゃろう、そうじゃろう。この預言詩を理解できるのはこのワシ一人じゃ」
佐藤「仰せの通りで」
雷蔵「これは地の底に大金塊があるという預言じゃ。この金塊を手に出来るのは世界制覇を目指す偉大なる王、
つまりワシじゃ。よって、これなるブルドーザーと狼で合成獣をつくる」
(ドーン!)
田中「ど、どっから落ちてきたんだ!?あのブルドーザー」
佐藤「あんまり深いことは考えるんじゃないよ」
雷蔵「狼のような嗅覚と、ブルドーザーのようなパワーを備えた合成獣がこのブルドーザーウルフじゃ」
田中「しつもーん!」
雷蔵「なんじゃ、田中」
田中「お話の途中ですが、狼の姿が見えませんが」
雷蔵「フフフフ。そこがシロートの浅間山。本日の材料の狼はこの日本にはもうおらんという説が有力じゃ。
じゃが、多分、一匹や二匹はおるはずじゃろう」
鈴木「あ、安易な」
雷蔵「よって狼はお前たちが調達するのじゃ。例え地面をほじくり返そうが、山の木々を切り崩そうが、見つけ出すのじゃ。よいな?」
佐藤・田中・鈴木「そ、そんな無茶な!旦那様!」
犬「ワンワンワンワンワンワン」
田中「ああ」 雷蔵「な、何じゃその犬は」
田中「いや、これはですね、旦那様」
犬「ワン!」
佐藤・鈴木「ああ!」
犬「ワンワン」
雷蔵「おかしいのう」
鈴木「ダンナサマだなんて名じゃございません!」
佐藤「う」
鈴木「この犬…」
佐藤「あわわわわわ」
鈴木「もごもごもご」
田中「そ、そうです、この犬をそのー狼の代わりに」
犬「ワンワンワン」
雷蔵「そんな犬で代わりが務まるのか?」
田中「だ、大丈夫です!旦那様」
犬「ワン!」
田中「わ、わわわわわわ私が責任を取ります」
犬「ワンワン」
雷蔵「分かった。では、合成獣になるのは、田中お前じゃ!」
田中「旦那様ー!」
犬「アウー」
雷蔵「ポチッとな。
あ、でけた!」
ブルドーザーウルフ「バウワウ」 麗「もうあんなことさせるから髪もお肌も泥だらけですわ。ん?わ!!はあ、はあ、はあ。大サービス。何よ」
ブルドーザーウルフ「バウワウ。バウワウ。バウワウ」
雷蔵「ワシの屋敷が!ワシの財産が!何を見とんじゃ!さっさと止めさせんか!」
佐藤・鈴木「わ、私たちがですか」
雷蔵「さっさと行かんかい!」
佐藤・鈴木「は、は、はい!(ドーン!)ひえー!」
雷蔵「ひえー!」
麗「お爺様、一体なんの騒ぎですの?」
雷蔵「おお、麗よ」
ブルドーザーウルフ「バウワウ、バウワウ」
麗「これだわ。これを使えばいいんだわ」
雷蔵「何を言ってる。こりゃとんでもない失敗作じゃよ」
麗「いいえ、これこそ私が探し求めていた合成獣ですわ」
雷蔵「こ、これが!?」
麗「久しぶりに怨夜巫女たる血が燃えてまいりましたわ。おーっほっほっほっほっほっほ!」
ブルドーザーウルフ「バウワウ、バウワウ」 こだま「じゃあお姉ちゃん、もうちょっとのとこで、有名人だったんだね」
いぶき「そう、惜しかったわ。私ね、大人になったら絶対考古学者になるの」
こだま「あれ?この前はスチュワーデスって言ってなかったっけ?」
いぶき「うるさいわね!女性考古学者、平家いぶき。うふふ、素敵だわー。明日もがんばろっと」
こだま「明日は日曜日だよ。学校休みだろ?」
いぶき「いいのいいの。私一人で掘り出しちゃうの」
こだま「あーあ、張り切っちゃって」
いぶき「ふふん、何しろ女性考古学者ですもん」 あげだま「あー!もう化石のカの字も出てこねえよ。何とかならないかな。ワープ郎」
ワープ郎「さあね」
あげだま「もう冷てえな」
ワープ郎「あげだまいぶきちゃんのこととなるとすぐ熱心になるんだもんな‥(テンテン)」
あげだま「そりゃあそうさ!いぶきちゃんは俺の命だもん!」
ワープ郎「(とにかくもう家に帰ろう。エビ天様たちも心配してるぞ)カッコ閉じる」
あげだま「うーん、分かった分かった。よっと!」
ワープ郎「それにやるんだったらもっと効率よくやんなきゃ。例えば複写して大勢で掘るとかさ‥(テンテン)」
あげだま「複写して大勢で?わー!どうしてもっと早く教えてくれなかったんだよ!」
ワープ郎「頭があるだろう。自分で考えろよ、そのくらい。(マル)」
あげだま「う…ちぇ」 あげだま「今日中にバッチリ掘り出したら、明日みんな驚くだろうなーイヒヒ」
ワープ郎「取らぬ狸のなんとやら。掘ってみなきゃ分からないぞ。あげだま‥(テンテン)」
あげだま「大丈夫、大丈夫。俺を複写してさ。もうバーン!と掘れば一時間で終わりさ」
ワープ郎「誰のおかげだ?(ハテナ)」
あげだま「分かった分かった、感謝してるよ」
ワープ郎「(なら結構)カッコ閉じる」
あげだま「あ、いぶきちゃん」
いぶき「あら、あげだまくん。手伝いに来てくれたのね」
あげだま「え、あ、うん」
いぶき「嬉しいー」
あげだま「いやあ、俺、昔から穴掘り大好きだったんだ。さーて!」
ワープ郎「あげだま、いぶきちゃんがいるんだから複写は無理だな。(マル)」
あげだま「ああ、いいのいいの。ひとりのほうがねえ」
いぶき「あげだまくん何か言った?」
あげだま「あ、いやあ、何にも」
いぶき「あら、またランドセルしょってきたの?」
あげだま「あー!これね。忘れてた。えーい!」
ワープ郎「あ、う、が。もーうあげだまったらカッコつけやがって!絶対に助けてやらないぞ。(マル)」 あげだま「お、やった。げ、石か」
いぶき「ふふん、そう簡単には見つからないわ。何しろ私たちが掘り出そうとしてるのは、イブキザウルスの化石なんですもの」
あげだま「う、うん。そうだよね。へへへへへ。ん、何だ?」
ブルドーザーウルフ「バウワウワウワウ、バウワウワウワウワウ、バウバウワウワウワウ」
いぶき「な、何あれ!」
ブルドーザーウルフ「バウワウワウワウワウ、バウワウワウワウワウ」
あげだま「怨夜巫女だ!」
ブルドーザーウルフ「ワオーン!よいしょっと。フリフリフリフリフリフリ」
あげだま「あ、何しにきたんだ?」
ブルドーザーウルフ「フリフリフリフリフリ。バウ!」
あげだま「危ない!いぶきちゃん」
いぶき「きゃあ!」
あげだま「あぶねーじゃねえか!さっさと出て来い、怨夜巫女!」
怨夜巫女「おーっほっほっほっほっほっほ!よく私だと分かったわね。
私も恐竜の化石の発掘に来たのよ。ま、化石の発掘は早い者勝ち。いいわね?絶対に負けませんことよ」
あげだま「何だか騒がしいね。あっち行ってやろうか」
いぶき「そうねー」
怨夜巫女「人の話を聞けー!全く生意気な。さ、ブルドーザーウルフよ。まずは邪魔者を片づけておしまいなさい」
ブルドーザーウルフ「バウワウ」
怨夜巫女「わあ!」 ブルドーザーウルフ「バウワウワウワウー」
いぶき「あげだまくん!」
あげだま「俺に任せろ!」
ブルドーザーウルフ「とう!ワオーン」
あげだま「わーあーーれーー。いでで」
怨夜巫女「しばらくそこでおねんねするんだな。やりなさい、ブルドーザーウルフ!」
ブルドーザーウルフ「バウワウ」
あげだま「わあああ!!!」
いぶき「あげだまくん!」
怨夜巫女「おっほっほっほ。平家いぶき、お前はこうしてやる。そーれー。それそれそれそれそれそれ」
ブルドーザーウルフ「バウワウバウワウ、バウワウバウワウ、バウワウバウワウ」
いぶき「きゃあ!」
怨夜巫女「平家いぶき!これで手も足も出ないわね!」
ブルドーザーウルフ「これって私たちも手も足も出ないんじゃないんですかワン」
怨夜巫女「くっ…気づいていたら早く言わんか!ブルドーザーウルフ、何とかしろい!」 ブルドーザーウルフ「よっこらしょっと。何とかしました。ぜえぜえぜえ」
怨夜巫女「おーっほっほっほっほっほっほ!お前はそこで私の世紀の大発見をゆっくり見物するのね。
おーっほっほっほっほっほっほ!」
ブルドーザーウルフ「パオーン、ワン!」
ワープ郎「結局ボクがいないとダメなんだから。モード変換!」 怨夜巫女「さ、ブルドーザーウルフよ。ここ掘れ」
ブルドーザーウルフ「ワンワン。フリフリフリフリフリ」
怨夜巫女「もっともっと掘るのよ!」
ブルドーザーウルフ「ワンワン。よいしょっと。フリフリフリフリフリ」
怨夜巫女「こんなはずはない。ブルドーザーウルフよ。もっともっと掘るの!」
ブルドーザーウルフ「ワン!
怨夜巫女さま、このままでは九鬼大学の校舎が倒れてしまいますワン」
怨夜巫女「構わん。ブツブツ言ってないでさっさと掘りなさいよ」
ブルドーザーウルフ「う、ワンワン」 怨夜巫女「もっともっと掘り続ける!」
(ドンガラガッシャーン)
いぶき「きゃあー!」
ブルドーザーウルフ「ワンワン、ワンワン、ワンワンワンワンワンワン、フリフリフリフリフリフリフリ」
怨夜巫女「やったわ。とうとう恐竜の化石を発見したのよ!おーっほっほっほっほっほっほ!おーっほっほっほっほっほっほ!」
ブルドーザーウルフ「怨夜巫女さま、これは標本室の標本ですよワン」
怨夜巫女「お黙り!」
ブルドーザーウルフ「ひいい」
怨夜巫女「これこそ世紀の大発見!九鬼ザウルスの化石!どう?平家いぶき!」
いぶき「そんなの化石じゃないわ!」
怨夜巫女「負け惜しみを言うでない。おーっほっほっほっほっほっほ!」
あげだま「ちくしょう、動けねえ」
(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)
あげだま「なんだ?」
ワープ郎「ふう」
あげだま「ワープ郎、助かったぜ!」
ワープ郎「あげだま、その前に言うことがあるだろ。(マル)」
あげだま「まあいいから、いいから。ささ、早くこっから出してくれよ〜」
ワープ郎「もう少し頭を冷やすか?(ハテナ)」
あげだま「あ、ああ!ごめん、許して!ワ、ワープ郎。ワープ郎」
ワープ郎「最初から素直に謝ればいいんだ。(マル)」 ワープ郎「あげだま、変換スタンバイ!」
あげだま「あげだま、へんかーん!」
あげだマン「てやあ!あげだマーン!」 怨夜巫女「おっほっほっほっほ。どう?平家いぶき。この私にひれ伏して謝るか、それとも私を世界一の考古学者と認めるか」
いぶき「誰が!あんたなんか!」
怨夜巫女「おっほっほっほっほ。平家いぶきよ、ならばそこでずーっと休んでるのね。
世紀の大発見、九鬼ザウルス。なんと素晴らしい輝きなの。おーっほっほっほっほっほっほ!」
(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)
ブルドーザーウルフ「…?」
怨夜巫女「な、な、な、なんだ!」
いぶき「あ、あ」
ブルドーザーウルフ「ああ!」
あげだマン「とう!ここで登場!気合の戦士あげだマンだ!」
いぶき「あげだマン!」
あげだマン「いぶきさん、僕が来たからにはもう安心だ。みんなけちょんけちょんにやっつけちゃうからね」
いぶき「頑張って、あげだマン」
怨夜巫女「や、やっぱり現れたわね。あげだマン。ブルドーザーウルフ、やっておしまい!」
ブルドーザーウルフ「うーワン、ワンワンワンワン」
あげだマン「たあ!」
ブルドーザーウルフ「バウ!」
あげだマン「あーれーー。うわあ」
いぶき「あげだマン!」 あげだマン「いて、あ!」
ブルドーザーウルフ「バウワウ。フン」
あげだマン「おお」
ブルドーザーウルフ「フリフリフリフリフリフリ」
あげだマン「ああ、おお、おお、足が」
ブルドーザーウルフ「フリフリフリフリフリフリ」
あげだマン「ああ、手が、ああ」
ブルドーザーウルフ「フリフリフリフリフリフリ」
あげだマン「め、目が回る。め、目が、回る回る」
ブルドーザーウルフ「お、お」
ワープ郎「お、て、と、まわるという言葉に反応したぞ。ということは、解析してやる…(テンテンテン)解析完了。
あげだま、良い作戦が見つかったぞ」
あげだマン「何!?よーし!てやあ!ふん!あっ、あっ、あっ、あっ」
ワープ郎「あげだマン、しっかりしろ!」
あげだマン「あ、ご、ごめん。ワープ郎」
ワープ郎「あげだマン、こいつは犬かも知れない。確かめろ。(マル)」
あげだマン「よーし、分かった。いくぜ、ブルドーザーウルフ。チンチンだ。そーれ、チンチン」
ブルドーザーウルフ「チンチン」
ワープ郎「チンチンにも反応した。(マル)間違いないぞ、こいつはウルフじゃない。犬だ。(マル)あげだマン、気合カードだ。(マル)」
あげだマン「オーケー、ワープ郎。」 あげだマン「気合!気合!気合!気合カード!犬の調教師カードだ!たあ!
よーし!」
ブルドーザーウルフ「バウワウ」
あげだマン「犬さん、お手」
ブルドーザーウルフ「ハイ」
あげだマン「よしよし。チンチンは?」
ブルドーザーウルフ「んん、チンチン」
あげだマン「よーし、おあずけ」
ブルドーザーウルフ「バウ」
あげだマン「よーし、今度はこっちの番だ。おまわり」
ブルドーザーウルフ「バウワウワウバウワウワウバウワウワウバウワウワウバウワウワウバウワウワウ」
あげだマン「もっともっとおまわりだ。まわれまわれー」
怨夜巫女「ん?なーにまわってんの!さっさっとあげだマンをやっつけなさい!
あげだマン「まわれー。そーれ、まわれー。たあ!」
田中「やっぱり狼使えばよかったなー!」
怨夜巫女「あんがー」
あげだマン「やった」
いぶき「あげだマン!今の調教師姿素敵だったわ!」
あげだマン「ありがとう、いぶきさん」
怨夜巫女「あげだマン!今日のところはこれで退散するけど、
今度会うときは、けちょんけちょんに叩きのめして差し上げますわよ。おーっほっほっほっほっほっほ!とう!」
あげだマン「消えた。敵ながら謎の多いやつ、怨夜巫女。お前は一体どこから来て、どこへ帰っていくのか」
怨夜巫女「こ、こんなところにいたりして」 ケンサク先生「うーん、この前平家が見つけたあれ、絶対恐竜の化石だったんだがなあ」
いぶき「おはようございます!先生」
ケンサク先生・あげだま「お」
いぶき「ふふ」
あげだま「いぶきちゃん、何その恰好。その恰好で穴掘りするの?」
いぶき「これ?んふふ。素敵でしょう。私ね、大人になったら犬の調教師になることに決めたの」
あげだま「え。じゃあ考古学者は?」
いぶき「もちろん、やーめ」
あげだま「そんな(ガクッ)たっはっはー」
いぶき「ふふふふふふふ」 あげだま「うっひょひょっひょひょー!いぶきちゃんがあげだマンのファンクラブを作ってくれるんだってー」
ワープ郎「そんなに喜んでるとまたアイツが」
麗「おーっほっほっほっほっほっほ!」
ワープ郎「ほうら出た」
麗「ふふん、見てなさい。私が超ビックでビューチホーな怨夜巫女のファンクラブを作って差し上げるわ」
ワープ郎「次回、ゲンジ通信あげだま。ファンクラブを作ろう」
あげだま「悪人のファンクラブ作ってどうすんだよー」
次回
『ファンクラブを作ろう』 あげだま「おはようー!おはよーおはようーおはよう、おはようー!
おっはようー!何やってんの?」
女子生徒A「あんたには関係ないわよ!」
あげだま「お、何やってんの?」
女子生徒A「駄目!」
あげだま「どれどれ」
女子生徒A「駄目!」
あげだま「いぶきちゅわーん」
女子生徒A「駄目!」
あげだま「何だよ、見せてくれたっていいじゃん」
女子生徒A「駄目よ。これは女の子だけの集まりなんですもの」
女子生徒たち「ねー!」
あげだま「おせーてよ。ねえねえ」
女子生徒A「駄目だもん」
女子生徒たち「ねー!」
あげだま「ケチンボ」
いぶき「出来た!」
あげだま「何が出来たの?いぶきちゃん」
いぶき「あ、あげだまくんこれよ」
女子生徒A「え、教えちゃうの?」
いぶき「あげだマンファンクラブ会員募集」 あげだま「ファンクラブっていうのは、アイドルなんかをありさーっとかって応援する組織のこと?」
いぶき「そうよ。あげだマンはなんたって私たち女の子のアイドルですからね」
女子生徒A「そうそう、アイドルよ」
女子生徒B「会員を一杯集めて、あげだマンが悪者と戦うときにみんなで応援しようと思ってるの」
あげだま「いいね、いいね、最高だね!ますます気合が入るぜ!」
いぶき・女子生徒たち「ええ?」
女子生徒A「何であんたが、喜ぶのよ!」
あげだま「あ、いや、その、あ、あげだマンなら多分喜ぶんじゃないかなーとか思っちゃったりして。へへへ。あははははは」
いぶき「ねえねえ、それよりファンクラブの会員は何をするか決めましょうよ」
女子生徒たち「さんせーい!」
あげだま「あー賛成ね、あはははは、いやいや、へへへへ、へへへ、へ」
ワープ郎「いつまでヘラヘラしてるんだよ」
ウーロン茶「そういうことならこのポクにお任せネ」
あげだま・いぶき・女子生徒たち「うわあっ」 ウーロン茶「逆さ辮髪」
いぶき「ウーロン茶くん」
ウーロン茶「アチョー!イー!」
女子生徒A「あんたは、引っ込んでなさい!」
ウーロン茶「アチョー!…」
女子生徒A「さあ、これで落ち着いて相談できるわ」
ウーロン茶「ちょっとモーメント」
あげだま・いぶき・女子生徒たち「うわっ」
ウーロン茶「あげだマンは女の子だけのアイドルじゃないネ」
いぶき「そう言われてみれば、弟のこだまも大のあげだマンファンだわ」
ウーロン茶「そう、あげだマンは、みんなのヒーローネ。ここは男女年齢を問わず、ファンクラブの会員はひろーく集めるのがよろしいネ」
いぶき「そうね、男の子もいれてあげましょう」
女子生徒A「まあ、結構マトモなこと言うじゃないの」
あげだま「でもあげだマンは男やばあちゃんの会員は喜ばないとおも…」
ウーロン茶「アチョー!」
あげだま「んん!もごもごもごもご」
ウーロン茶「ファンクラブの会員は全員バッチを1個10円で買って、胸につけるネ」
いぶき「良い考えだけど、お金取るの?」
ウーロン茶「もちろんネ。儲けの半分はポクが取るとして、あとの半分で会員だけ読めるあげだマン新聞とかファン雑誌を作る費用にすればいいネ」
いぶき「わあ、本物のアイドルのファンクラブみたい!そうだ、どうせなら会員証も作っちゃいましょう」
ウーロン茶「グッドアイデアネ。それ僕作るネ」
いぶき「私会員番号1番!」
女子生徒A「じゃあ2番!」
女子生徒B「3番!」
女子生徒C「4番」
麗「おーっほっほっほっほっほっほ!庶民の皆さんおはよう。朝っぱらから何のご相談かしら」
ツリパン「ひそひそひそ」
麗「なるほど。あなたたちあげだマンのファンクラブを作るそうね」
いぶき「そうだけど…」 麗「あなたたち気は確か?だいたいあげだマンというのは、
だっさい恰好したイカレポンチのくせに、どこにでもほいほい出てくるお調子者のノーテンキ坊やのことでしょう?
あんな表六玉を応援するなんて、ははん、笑っちゃいますわ」
いぶき「そ、そんな」
あげだま「何だと!何でそこまでお前に言われなきゃなんねえんだよ!だいたいひょうろく玉って何だよ!」
いぶき「あ、あげだまくん。自分のことでもないのになにムキになってるの?ちょっと落ち着いて」
あげだま「お、おう」
麗「まあいやですわ。野蛮ですわ。オツムにポッポッポ血がのぼって、まるで原始人の人みたいですわ。
ま、無理もありませんわね。なんてったって原始あげだまってなもんですから。おーっほっほっほっほっほっほ!」
ツリパン「麗さま、お上手です」
麗「おーっほっほっほっほっほっほ!私って冴えてるわ」
ツリパン「大天才です!」
麗「ふふん、でも座布団一枚なんて言ったらしらけちゃいますわね」
親衛隊員A「わ、あああ、うう」
麗「とーにかく!あんなお下品で不細工なヒーロー気取りの唐変木、なおかつトンマですっとこどっこいで、
おまけにドテカボチャのアーパーダマンなんて、お尻ペンペンで、お腹のラッパがプーですわ!」
いぶき「なんで麗さんがあげだマンのことをそんなに悪く言うわけ!?」
女子生徒A「そうよそうよ!あげだマンは強くてかっこいいスーパーヒーローなのよ」
女子生徒B「いつだって、ヘンテコリンな合成獣をやっつけてくれるじゃない」 いぶき「それにそれに!あの小学生なのか何だか分からないけど、どぎつくて悪趣味なコスチュームで、
あと1、2年もすれば崩れだしそうな老けた体のオタンコナスの、」
一同「…」
いぶき「怨夜巫女のコンコンチキなんかもけちょんけちょんにして、お尻ペンペンのお腹のラッパが、プーだわ!
はっ!わ、私ったら…あ、あのぉ、とにかく私たちあげだマンのファンクラブを、作ることにしたわけなの」
ツリパン「あ、れ、麗さま!」
麗「…へ…へ…は……へ…は…おーっほっほっほっほっほっほ。よーく分かりました。
そっちがあげだマンのファンクラブを作るのでしたら、こっちは怨夜巫女のファンクラブを作りますわ」
一同「えー!」
ツリパン「麗さま、何で悪人の怨夜巫女なんかのファンクラブを」
麗「おーっほっほっほっほっほっほ!これからは良い子ちゃんぶってるヒーローなんて流行りませんわ。なんたって女の悪役の時代ですわ!」
一同「はあ」
麗「いい?いぶきさん。どっちのファンクラブの会員が多くなるか競争しませんこと?」
怨夜巫女「それは構わないけど、オタンチンの怨夜巫女が相手じゃ勝負にならないんじゃないかしら」
麗「何よ何よ、あんたたちには絶対負けませんことよ」
女子生徒たち「…っ」
ワープ郎「おかしなことになってきたぞ…(テンテンテン)」 エビ天「あげだま!お久しぶりに大変じゃ」
オカメ「のんびり寝ている場合じゃありませんよ」
あげだま「なに朝っぱらから」
ワープ郎「もっと寝ていたい。(マル)」
エビ天「これを見ると目が覚めるぞい」
あげだま「なんだこりゃ!」
エビ天「怨夜巫女のファンクラブに入った人には、
怨夜巫女グッズと、ゲームマシンフォアグラ2と、ゲームソフトノットリ通信怨夜巫女が貰えるそうじゃぞ」
あげだま「なんだって!」
オカメ「それだけじゃないわよ。雷蔵ふりかけ、麗ちゃんラーメンと、お弁当まで付くんですって」
あげだま「麗のやつ、金にあかせてとんでもねえことやってくれるぜ」
ワープ郎「新聞の二面ぶっ通し広告なんてすごい!(ビックリマーク)」
オカメ「さあ、こうしちゃいられないわよ。あげだまちゃん」
あげだま「ああ!」
エビ天「カメさんや、早く行ってゲームを貰ってくるんじゃ」
オカメ「そうね、ふりかけとカップラーメンのおまけも楽しみですね」
エビ天「楽しみ」
あげだま「ありゃりゃ」
ワープ郎「あげだま、エビ天様やオカメ様の心を動かすとは、こりゃものすごーい人が集まるぞ!!(ダブルビックリ)」
あげだま「ああ…」 「がやがや」
佐藤「えー、本日は、怨夜巫女ファンクラブ結成式にどうのこうの」
麗「おーっほっほっほっほっほっほ!へちゃむくれ平家いぶきの泣きっ面が楽しみですわ」
鈴木「お嬢さま、お支度を」
麗「え?んふふ、見てらっしゃい。あげだマン」
佐藤「それでは、本日のヒロインである我らが怨夜巫女さまに登場して…あれ」
男性A「いやあ、いいもの貰いましたな」
男性B「なかなかおつな弁当でしたな」
佐藤「あ、あの、皆さん。これからですね。本日のメインイベントの」
「がやがや」
佐藤「だあ」
鈴木「おーい、何やってんだ。怨夜巫女さまはもうスタンバってるぞ。早く紹介しろよ」
佐藤「し、しかし」
鈴木「早く」
佐藤「それでは、我らがヒロイン、怨夜巫女さまどうぞー」
怨夜巫女「いえーい、みんなー!なんだぁ!?
貰うもの貰って弁当食べたらバイバイ。一般庶民の浅ましさには呆れてしまいますわ」
ツリパン「みんながあげだマンのほうへ行っても僕らは麗さまが応援する怨夜巫女さまの味方です」
親衛隊員A「でも麗さまはどこ行ったんだ」
ツリパン「背中にワッペンも付けました」
親衛隊員A「間違って貼っちゃったけどね」
(ドカッ)
親衛隊員A「いて」
ツリパン「それでは、フレーフレーおんよみこ」
親衛隊員A「ゴーゴーラブリーおんよみこ」
怨夜巫女「うう、余計惨めですわ。ジロ」
ツリパン「フレーおんよみこ…」
親衛隊員A「おんよみこ…」 いぶき「本日は、あげだマンファンクラブ結成式に、こんなに多くの方々に集まっていただきまして、大変喜ばしく思います。
間もなくあげだマンの登場となりますが、それまでにバッジ、会員証などをお買い求めください」
ウーロン茶「はいはい、お買い物はこっちネ」
こだま「あげだマングッズ色々あるよー。ここでしか買えないよー」
ウーロン茶「会員証もバッジも10円ネ」
こだま「沢山用意してあるから順番に来てねー」
女性A「怨夜巫女のファンクラブじゃバッジも会員証もタダだったわよ」
女性B「タダにしなさいよ」
ウーロン茶「それは出来ないないものねだり」
女性B「ケチケチしないの」
女性C「ちょっと、割り込みやめてよ!」
男性C「ああ、すいません」
いぶき「喧嘩しないでください」
女性C「私が先にいたんだからね!もう」
ワープ郎「すごい人気だ。(マル)」
あげだま「よーし、ワープ郎。あげだま変換だ」
ワープ郎「あまり気合エネルギーの無駄遣いはさせたくない。(マル)」
あげだま「いいのいいの」 ワープ郎「あげだま、変換スタンバイ!」
あげだま「あげだま、へんかーん!」
あげだマン「てやあ!あげだマーン」
ワープ郎「変換完了。(マル)」 あげだマン「はっはっはっは」
「わー」
あげだマン「大宇宙に光あり。この光、愛の光、気合の光、今この世の悪を無くすため、」
いぶき「わあ、あの大げさなポーズ。だらだらと長い前口上、あれぞ正義のヒーローだわ。あげだマンほんとに来てくれたのね」
女子生徒A「素敵だわ〜(バタン)」
あげだマン「見参!気合の戦士あげだマン!てやあ!」
「わー」「あげだマーン」
いぶき「あげだマン、来てくれてありがとう」
あげだマン「いやあ、僕のためにこんなに沢山の人が集まってくれたんですから」
男性D「いいぞーあげだマン。なんかやれー」
あげだマン「ありがとう、ありがとう。それでは、私あげだマンがお送りするアクションショーをお楽しみください」
ワープ郎「あんまり調子に乗るなよ。あげだマン」
あげだマン「てやあ!」
『複写』
あげだマン「たあ!」
いぶき「わあ、あげだマンが二人!?」
あげだマン「行くぞ!」
いぶき「素敵!」
あげだマン「てやあ!とう!」
いぶき「う、眩しい」
あげだマン「てやあ!気合!気合!気合!」
ワープ郎「あげだマンったらそこまでやっちゃう」
いぶき「すごいすごい」
あげだマン「てやあ!ダブルフリスベー!ふん」
怨夜巫女「いで」
「パチパチパチパチパチパチ」
あげだマン「どうも。どうもどうも」
怨夜巫女「くぅ、おのれ、あげだマンめ。この恨み、必ず晴らしてみせますわ」 麗「うっ、うっうっ」
雷蔵「よしよし、もう泣くな。ワシが良い預言を探してやろう。あーこれなんか良いんじゃないか?」
佐藤「あーあ、またろくでもない預言に決まってるさ」
田中・鈴木「うんうん」
雷蔵「気合の戦士には人気の戦士を。名品に包まれ、全部でなくあつくない人気の戦士、気合の戦士をめげさせるなり。うーむ」
麗「うーん、ずいぶん難しい詩ですわ」
雷蔵「うーん、なんじゃ分かった。気合の戦士には人気の戦士をというのは、
あげだマンに対抗するのはメチャ人気がある戦士をつくれと言うんじゃ」
麗「なるほど。でもそんな戦士なんていませんわ」
雷蔵「合成マシーンでつくればいいんじゃ。そこで預言詩の続きじゃが、
名品に包まれというのは、ブランド品で固める。全部でなくあつくないは半分寒い」
麗「分かかりましたわ!半分寒いでハンサム!」
雷蔵「ブランドを着てハンサムな戦士をつくれと言うことじゃ」
佐藤・田中・鈴木「…」
麗「ということは、今回の合成獣にはこの3人は使えないってことね」
佐藤・田中・鈴木「やったー!」
麗「ハンサムでないと使えないんですもんね」
鈴木「ブ男で悪うござんした」
田中「どうせ失敗するから関係ないよな」
麗「そんなところでいじけてないで、ブランド品の似合うハンサムな男探してらっしゃい!」
雷蔵「その必要はない」
麗「え?」
雷蔵「その条件に合うピッタリな男の子がいるじゃないか」
麗「ピッタリの男の子?」 怨夜巫女「役者は揃いましたわね。光が目を覚まさないうちに、ブランド品と一緒に合成マシーンに入れちゃいなさい!
おーっほっほっほっほっほっほ!」
雷蔵「(うーむ、麗も頼もしくなったもんじゃ)」
怨夜巫女「…///」
ブラハンマン「ハーイ、ハニー。フフ」
雷蔵「ブランド品だらけでハンサムな戦士じゃから、略してブラハンマンじゃ」
ブラハンマン「待たせてごめんね、レディ。人気の戦士ブラハンマン。よろしく」
怨夜巫女「うう、うう。駄目駄目駄目。私としたことが、ブラハンマンの魅力に心奪われるところでしたわ」
雷蔵「これであげだマンのファンはみんなブラハンマンになびくこと請け合いじゃ」
怨夜巫女「でもブラハンマンって強いんですの?」
ブラハンマン「おお、ベイビー。よしてくれよ。この僕に力仕事させようってのかい?」
怨夜巫女「お爺様」
雷蔵「心配はいらん。やられ役モンスターをつくって、ブラハンマンに戦いの真似事をさせるんじゃよ」
田中「まさかそのやられ役モンスターっていうのは、私たちがなるのでは」
雷蔵「ピンポーン!じゃ」
佐藤・田中・鈴木「えええええええ!やっぱり」 やられ3号「あーあ、やんなっちゃったなー」
やられ3号・やられ3号「あーあ」
やられ1号「やられ1号」
やられ2号「やられ2号」
やられ3号「やられ3号。こんなんばっか」
雷蔵「やられ1号2号3号!シャキッとせんか!給料カットするぞ!」
やられ1号「やられ1号鈴木!」
やられ2号「やられ2号佐藤!」
やられ3号「やられ3号田中!」
やられ1号・やられ2号・やられ3号「ガオー」
怨夜巫女「おっほっほっほっほ!これであげだマンを惨めのどん底に突き落として差し上げますわ。おーっほっほっほっほっほっほ!」 やられ3号「あーあ、やんなっちゃったなー」
やられ2号・やられ1号「あーあ」
やられ1号「やられ1号」
やられ2号「やられ2号」
やられ3号「やられ3号。こんなんばっか」
雷蔵「やられ1号2号3号!シャキッとせんか!給料カットするぞ!」
やられ1号「やられ1号鈴木!」
やられ2号「やられ2号佐藤!」
やられ3号「やられ3号田中!」
やられ1号・やられ2号・やられ3号「ガオー」
怨夜巫女「おっほっほっほっほ!これであげだマンを惨めのどん底に突き落として差し上げますわ。おーっほっほっほっほっほっほ!」 いぶき「昨日に引き続きまして、あげだマンファンクラブ『ファンの集い』にお集まりいただきましてありがとうございます。
それでは、あげだマンに登場していただきまーす!」
あげだマン「はっはっはっはっは」
いぶき「日本全国津々浦々にやってきました気合の心、お茶の間に愛を届ける正義の戦士あげだマン。さあ、今日は体育館屋根からの登場でーす!」
あげだマン「とう!」
こだま「はい、拍手ー」
あげだマン「気合の戦士あげだマン見参!」
女の子たち「キャー素敵ー」「あげだマーン!」
あげだマン「いやー参っちゃったなー。アイドル以上の人気だぜ」
ワープ郎「参ってる顔じゃない。(マル)」 いぶき「ハイ」
あげだマン「んっ、ぐっ、ん、んぐっ、終わった」
女子生徒B「あげだマン、次は握手のほうお願いします」
あげだマン「は、はい」 あげだマン「あの人たち全員と握手すんの?うーん、こうなりゃヤケクソだ。気合で頑張るぞ。
うーん、はい。握手!はい。握手!はい!はい!はい!はい!はーい!
ああ、終わった、もう駄目」
いぶき「あげだマン、お疲れさま。少し休んだら?
あげだマン「いやあ、僕の握手やサインが社会のためになると思うと、このくらいどうってことないっすよ」
いぶき「さすがあげだマンね!それじゃあ明日のチャリティーゲートボール大会も出て頂けるかしら」
あげだマン「明日?」
いぶき「養老院から、是非あげだマンに来てもらって、お年寄りとプレイして下さいって申し込まれたの。
それから明後日は幼稚園と保育園でお遊戯会。明々後日…」
あげだマン「そ、そんなにあるの?」
いぶき「ええ、3ヶ月先まで一日も休みはないわ」
あげだマン「ガーン。もう見ただけでぐったりしました」 「わー」「きゃー」
やられ1号・2号・3号「ガオガオガオー」
やられ3号「ガオー。満員電車で迷惑でガス」
男の子A「臭い」
やられ3号「酒とタバコ、ストレスで胃がボロボロだから、効くもんねー」
あげだマン「いぶきさん、危ないから下がってて」
やられ1号・2号「ガオー」
あげだマン「たあ!あた」
やられ1号・2号・3号「ほれ。それそれ」
あげだマン「あた。ワープ郎、データはまだ揃わないか?」
ワープ郎「もう少しだ。(マル)」
やられ2号「ふっふっふ。俺たちの必殺技を受けろ」
やられ1号・2号・3号「がーぺっぺっぺっぺっぺっ」
あげだマン「わーやめろ!汚ねえ」
ワープ郎「あげだマン、一応データは揃ったけど…(テンテンテン)」
あげだマン「よーし、気合!気合!気合!あれ」
ワープ郎「あげだま、気合エネルギーのレベルメーターを見てみろ。(マル)」
あげだマン「気合エネルギーがほとんどない!」
やられ1号「えーい」
あげだマン「どうしよ、ワープ郎…わああ!!」
やられ1号「飛んでけー!」
いぶき「あげだマン!」
怨夜巫女「おーっほっほっほっほっほっほ!」 あげだマン「くっ、また怨夜巫女か」
怨夜巫女「あげだマンの時代はもう終わったのよ。これからは、ここにいるブラハンマンの時代ですわ」
ブラハンマン「とりゃあ!」
「わー」「誰ー?」
ブラハンマン「人気の戦士、ブラハンマン。よろしく」
女の子A「あーかっこいい」
女の子B「見てみて。ジャネルのスカーフだわ」
女の子C「ベルトもヴトンだし、マスクもミナリッチよ」
女の子たち「おっしゃれー」
ブラハンマン「人々を困らせる悪い怪獣たちめ。この僕が相手だ」
やられ1号・2号・3号「たあー!」
ブラハンマン「とう」
やられ1号「わあ」
ブラハンマン「やあ」
やられ2号「いたい」
ブラハンマン「それ!」
やられ3号「おー」
やられ1号・2号・3号「ぐわあ、やられたー」
怨夜巫女「おーっほっほっほっほっほっほ!ブラハンマンはルックスも力もあげだマンより上ですわ」
ブラハンマン「はーい、エビバディ。あげだマンなんか古いぜ。これからは、この僕、ブラハンマンを応援してくれるよね。オーケー?ベイビー」
女子生徒A「私断然ブラハンマンのファンになるわ」
女子生徒B「私も」
あげだマン・いぶき「ああ…」
「私もー」「俺もー」
ウーロン茶「ブラハンマングッズはこちらだヨ」
怨夜巫女「おーっほっほっほっほっほっほ!ついにあげだマンに勝ちましたわ。やっぱ一般庶民はブランド品に弱いのね」
ブラハンマン「助けてくれー」
怨夜巫女「え?」 「ジャネルのスカーフは私よ!」「ルイヴトンは私よ!」「アラーニのスーツは俺だ!」
怨夜巫女「まずいわ!裸にされたら大変なことになってしまうわ!阻止しなさい!」
やられ1号「ああ」
やられ3号「阻止しろったって、なあ」
やられ2号「なあ」
ブラハンマン「助けてー!た、す、け、て…」
あげだマン「わ、ああ。ああ。すごいね」 女子生徒A「ズボンもブランド品だわ。私もーらい!」
女子生徒B「じゃあ私はミナリッチのマスク!」
ブラハンマン「んーちょっと、やめれってば」
女子生徒A「もらいもらい」
女子生徒B「もらいー」
ブラハンマン「駄目だよー」
怨夜巫女「ああ…ああ」
「ああ」「うわ」
佐藤・田中・鈴木「うう。ぐああ」
怨夜巫女「一般庶民がここまで浅ましいとは思いませんでしたわ」
光「いてて、何だどうした。は、はれ、恥ずかしいー!ひえー!」
あげだマン「あれ?今の光じゃねえか?」
こだま「ブラハンマンも、ノットリダマスの合成獣だったんだ」
いぶき「ごめんなさい!あげだマン。私が間違っていたわ。
あげだマンは正義の味方であって、人気アイドルのようにファンクラブを作ってちやほやする存在じゃないのよね」
こだま「あんなことであげだマンに気合を使わせた僕らがいけなかったんだ。ごめんよ、あげだマン」
あげだマン「いや、調子に乗った僕もいけなかったんだ。良い教訓になったよ。ありがとう。じゃあ」
ワープ郎「エネルギーがないから移動は出来ませんよ」
あげだマン「ああ、そっか。ええ、それじゃあ。いぶきさん、こだまくん、さ、さらばー」 いぶき「あげだマーン、私とこだま、どんなことがあってもあげだマンのファンだからねー」
こだま「そうだよー」
あげだマン「ありがとうー」
こだま「やっぱりすごいや、あげだマン」
いぶき「そうよねー」
あげだマン「へえ、疲れた」
ワープ郎「(今回のあげだマンは全然いいところがなかったね)カッコ閉じる」
あげだマン「ん。へへ、次は頑張るよ。ね」 麗「ねーえ、ダーリンってばー」
あげだま「わあ、ああ、麗寄るな。気持ち悪い」
いぶき「知らなかったわ。あげだまくんたちってそういう関係だったのね」
あげだま「違うんだ!いぶきちゃん。これには」
麗「おーっほっほっほっほっほっほ!女の嫉妬って醜いわね」
あげだま「次回、ゲンジ通信あげだま。麗とあげだま同棲中!?」
いぶき「あげだまくんなんて、大嫌い!」
次回
『麗とあげだま同棲中!?』 麗「〜♪よっ」
(ベチャ)
麗「…う。
まあ、これも致し方ないでしょう。名人は一日にしてならずですわ」
佐藤「ああ、普通卵1ダースも割りゃあ、それなりに形になってくるもんだがな」
田中「いやいや、あれは意外と運動神経に関係あるのかもよ」
鈴木「何だよそれ」
(ベチャ)
佐藤・田中・鈴木「わー!」
麗「ああ…えーい!どうせ頂くなら殻入れたほうが健康によろしくてよ!」
田中・鈴木「ああ…」
佐藤「何でそうやることがいちいち大雑把なんだ…」
麗「へいへいへいへい!固い殻だって砕いて砕いて砕いてしまえば何にも残らなーい!」
佐藤「どうなってんの、ここの一族は」
雷蔵「まだかなまだかなワクワク」 麗「おー!懐かしいのう。ワシゃ小さい時分これが大好きだったんじゃよ」
佐藤・田中・鈴木「ああ」
雷蔵「あーもぐもぐもぐ…む。おお。うううう」
麗「わあ、お爺様、どうなさったの!?」
佐藤・田中・鈴木「あわわわわわ」
雷蔵「れ、麗よ。ワシもここまでのようじゃ。お前には最後まで寂しい思いをさせて済まんかったなー」
麗「お爺様…」
雷蔵・麗「ああ…」
雷蔵「おお、ご先祖様のお迎えじゃ。
それではサラバじゃ、麗よ。今後ますます九鬼の家を盛り立ててくれ」
麗「あ、待って!お爺様ー!」
雷蔵「麗や」
麗「お爺様ー!ああっ、うう、麗を、麗をひとりぼっちにしないでー!」
雷蔵「麗や…」
麗「うう‥うう…」
雷蔵「というのは、冗談にしても。麗よ、この卵焼きちーっとも甘くないんじゃが」
麗「ええ?お爺様、これは卵焼きではなく、プレーンオムレツです。それに私、甘い卵焼きなんて食べたことございません
雷蔵「何を言う。昔から子供の好きなものベスト3に数えられるお母さんの作った卵焼きは、甘いものと相場が決まっておる。
お前、母親の卵焼きを食べたことないのか?ああ!」
麗「!
お母さまの卵焼きを食べたことがなーい!」 雷蔵「おー!懐かしいのう。ワシゃ小さい時分これが大好きだったんじゃよ」
佐藤・田中・鈴木「ああ」
雷蔵「あーもぐもぐもぐ…む。おお。うううう」
麗「わあ、お爺様、どうなさったの!?」
佐藤・田中・鈴木「あわわわわわ」
雷蔵「れ、麗よ。ワシもここまでのようじゃ。お前には最後まで寂しい思いをさせて済まんかったなー」
麗「お爺様…」
雷蔵・麗「ああ…」
雷蔵「おお、ご先祖様のお迎えじゃ。
それではサラバじゃ、麗よ。今後ますます九鬼の家を盛り立ててくれ」
麗「あ、待って!お爺様ー!」
雷蔵「麗や」
麗「お爺様ー!ああっ、うう、麗を、麗をひとりぼっちにしないでー!」
雷蔵「麗や…」
麗「うう‥うう…」
雷蔵「というのは、冗談にしても。麗よ、この卵焼きちーっとも甘くないんじゃが」
麗「ええ?お爺様、これは卵焼きではなく、プレーンオムレツです。それに私、甘い卵焼きなんて食べたことございません
雷蔵「何を言う。昔から子供の好きなものベスト3に数えられるお母さんの作った卵焼きは、甘いものと相場が決まっておる。
お前、母親の卵焼きを食べたことないのか?ああ!」
麗「!
お母さまの卵焼きを食べたことがなーい!」 雷蔵「あ、いやすまん!ワシが悪かった。
卵焼きなどという下々の味、お前が知る訳ないと今ワシゃしもじも反省しておる」
佐藤・田中・鈴木「…」
麗「お父様もお母さまも朝のコーヒーは、ブラジルで飲み、ランチはドイツ、ディナーは南極と、世界中を飛び回り、一時も家にいられない
もう!それというのもみんなお爺様のせいだわ!」
雷蔵「ワシの?」
麗「そうよ。お爺様さえ普通の老人だったら。一代で巨万の富を築かなかったら。うわーん!」
雷蔵「待て、麗!何をしとる。早く追わんか!」
佐藤・田中・鈴木「は、はい!」
雷蔵「麗…」
麗「お爺様なんて、お爺様なんて、大嫌い!」 ツリパン「おーほ!今夜はすき焼きか!
おネギにお豆腐、シラタキさん。ああ、もうガマンできない。いっただきまーす」
ツリパンの母「こら!カツオ」
ツリパン「う」
ツリパンの母「父ちゃんが席についてからにしなさい」
ツリパン「ちぇ」
麗「ちょいと!お邪魔しますわよ」
ツリパン「あ、あの声は…」
ツリパンの父「これはこれは麗お嬢さま、九鬼会長にはいつもお世話になっております。今日はまたわざわざお越し頂きまして」
麗「お爺様と喧嘩して家出してきたの。しばらく泊めてもらうわよ」
ツリパンの父「それはもう。ああ、ちょうど良かった。今日は半年ぶりのすき焼きなんです」 ツリパンの父「がははははは。ははは。どうか召し上がってください。
いやあこんなことなら、麗さまのために松坂牛の霜降りの一番いいところを買ってくるんでしたのに。
あいにくスーパーのすき焼き用のパックで」
ツリパンの母「あんた!おほほ。麗さまの口には合わないと存じますが」
ツリパンの父「コラ!肉ばっかりじゃなく、野菜も食べなさい」
ツリパン「いってー」
ツリパンの父「げへへ。これがわしの分と。へへへへ」
ツリパン「ずるいよ父ちゃん」
ツリパンの父「げへへへ。早いもの勝ちだもん」
ツリパンの母「ほらほら、こぼして。何ですね、お父さんまで」
ツリパン「やーい、父ちゃん怒られてやんの」
ツリパンの父「いやあ、こら参ったな」
ツリパンの父・母・ツリパン「あはははははは」
麗「いつもこうなの?」
ツリパンの父・母・ツリパン「え」
ツリパン「い、いえ。いつもはこんなご馳走じゃないんです。今日は特別…」
麗「そんなことを聞いてるんじゃありません。私が知りたいのは、食事のときいつもこんな賑やかなのかということです」
ツリパン「すいません、お騒がせしちゃって」
ツリパンの父「ああ、ほれ、母ちゃん。麗さまにどんどんお代わりだ」
ツリパンの母「ああ、そ、そうね」
ツリパンの父「そっちのほうがよく煮えてるんじゃないか」
ツリパン「ああ!それ俺が狙ってたのに!」
ツリパンの母「またお前は。誰に似たんだろうね」
麗「麗帰るっ。とう」
ツリパン「どうしちゃったんだろう、麗さま」
ツリパンの父「さ、さあな」 麗「なによ、ツリパンったら。私のこと無視して親子で盛り上がっちゃったりして。
でも、これからどうしよう。
…うっ…!………お父様、お母さま!麗はこんなにひとりぼっちです!」
車「バッキャロー信号はもう変わってんだよ!」
麗「あが」 あげだま「うーん」
ワープ郎「あげだま、方程式っていうのは式が必要なんですよ。(マル)」
あげだま「分かってるよ。お?ん、クンクン」
オカメ「あげだまちゃん、お勉強大変ねー」
エビ天「デザート持ってきてやったぞい」
あげだま「デザート!サンキュー!よーし、一息いれるかー!」
ワープ郎「だめだめ。さっきから一息いれっぱなしで全然はかどってない。(マル)ボクがもらっとく。(マル)」
あげだま「ああ、お前!ワープロがリンゴ食うのか!おい!」
ワープ郎「食べたらすぐ寝ちまうあげだまにはもったいない。(マル)ー」 麗「暗くなってきましたわね」
「てめえコラ!俺のリンゴを返せよー!」「いやですねー」「おい、俺のリンゴ!」
麗「こ、ここはお化け屋敷」 ワープ郎「問題ひとつにつき、リンゴ一切れやる。(マル)」
あげだま「俺はサルか」
オカメ「あげだまちゃん、ワープ郎ちゃん、やめなさい。
ほらほらやめなさい」
エビ天「二人とも。カメさんが優しく言ってくれとるうちにやめないと知らないから。いー」
オカメ「お前たち、聞かんのも大概にせいやー!」
あげだま・ワープ郎「ぎゃあああああああ」
麗「わあああ。あれー」
あげだま・ワープ郎「うわああああああああ」
麗「すっと」 あげだま「リ、リンゴ…あ、うわあ、あ、いてて」
麗「ようやく目が覚めたようね」
あげだま「なに!?」
麗「あまり重いので捨てようかと思いましたわ」
あげだま「れ、麗!なんでお前がここに!?」
麗「ふふふ。お化け屋敷に住んでいるとは、いかにもあなたらしい非常識さね。まあ、いいわ。今夜はここに泊まるわよ」
あげだま「なんだって!」
麗「いいじゃない。どうせ一人暮らしなんでしょう?見るからにオンボロだし、全然私の趣味じゃないけど、我慢しましょう。
じゃあ、私はお風呂に入りますから」
あげだま「じゃあって、おい!」
麗「入浴中に夕餉の用意を済ませるのよ。最近はイタリアンが好みなの。終わったら上の部屋を整えること。ああ、それと」
あげだま「まだあんのかよ!」
麗「覗いちゃだめよ」
あげだま「///。誰が覗くか!んなもん!」
エビ天「どうやら家出のようじゃのう」
あげだま「お、ああ」
オカメ「だとすれば、よっぽど辛いことがあったんでしょう。せっかくだから泊めておあげ」
あげだま「何言ってんだよ!ばっちゃん達のことばれちゃまずいだろう」
オカメ「私たちのことなら、心配ないわ」
エビ天「女の子がひとりぼっちであんな寂しそうな顔してたらほっとけんじゃろうがな」
あげだま「あいつのどこが寂しそうなんだよ!」
エビ天「へへへ。あげだまはまだまだ群青、いやいやいや青いのう」
麗「♪
…
ブクブクブクブクブクブクブクブクブク。ぷはーっ!し、死ぬかと思った」 (prrrrrrr…prrrrrrr…)
ワープ郎「もう、何でボクまでこんなことしなきゃいけないんだ‥(テンテン)」
あげだま「仕方ねえだろ。今度だけだからさ」
ワープ郎「うちは旅館じゃない。(マル)」
あげだま・ワープ郎「げほ、ごほ、ごほごほ」 (prrrrrrrr…prrrrrrrr…)
いぶき「遅いわねぇ、あげだまくんたら。せっかくクッキーおすそ分けしようと思ったのに」
(prr…カチャ)
いぶき「あ、あげだまくん?」
麗「いいえ、違います」
いぶき「ああ、ごめんなさい、間違えました。いっけない。あわてんぼさん。もしもし?」
麗「だから、ここはあげだまの家かも知れませんけど、私あげだまじゃありません」
いぶき「そ、その声は、麗さん!どうしてあなたがそこに?」
麗「あーら、どうもちんくしゃな声だと思ったら平家いぶきさんね。私?私は今日からここに住むことになったんですのよ」
いぶき「麗さんと、あげだまくんが…」
あげだま「よう、誰からだ?」
麗「あら、ダーリン」
いぶき「あ、ダ、ダーリン‥」 あげだま「オーマイガーッ!か、貸せ!」
麗「あーん、私も聞く聞くー」
あげだま「くっつくなって!いぶきちゃん」
いぶき「あの、他人に弱みを見せたがらない麗さんがこんなに甘えて」
あげだま「誤解だ、いぶきちゃん!今聞いたのはまぼろ…」
麗「ねえねえ早くー」
いぶき「麗さんがいるなら私は必要ないわね」
麗「そうなの。ダーリンには私の愛情てんこ盛りスタミナ十分ってなもんよ。ディナーもちゃんと用意してあるの」
いぶき「お二人の関係はよーく分かりました!どうぞいつまでもお幸せに!」
あげだま「違うってば!お前は早く服を着ろー!」
いぶき「服をね、そう…麗さん今そんな恰好で」
あげだま「違う!俺たちは小学生だー!麗は風呂に入ってて、俺は」
麗「おーっほっほっほっほっほっほ!」
いぶき「弁解しないで!卑怯よ!あげだまくん。そんな人だと思わなかった!」
あげだま「どうすりゃいいのもう!」
いぶき「大っ嫌い!あげだまくん不潔よー」
麗「おーっほっほっほっほっほっほっほ!おーっほっほっほっほっほっほっほ!おーっほっほっほっほっほっほっほ!」
あげだま「ふけつ…俺、ふけつ…」
エビ天「その時あげだまは思った。何故自分だけがこんな目に合うのかと。寒い、誰か私を暖めて。
源氏あげだま、影薄い主人公の明日はどっちだー by エビ天」 雷蔵「ばかもん!」
佐藤・田中・鈴木「うわあ…」
雷蔵「一晩かかって麗の居所一つつかめんとは今まで何をやっとんったんじゃ!」
あー!ワシが不用意な一言を漏らしたばっかりにぃ。
麗や許してくれや。おいおいおいおい」
佐藤「ああ、ついに泣き出したぜ」
鈴木「徹夜で探し回ったこっちのほうが泣きたいよ」
雷蔵「おお、そうじゃ。こういう時こそご先祖様の大予言じゃ。
あった!
小さな諍い。王と姫の仲を裂き、姫はいずこかに姿を消す。
悲しみに沈みし王がなすがままになるとき、風の便りは姫を里に走らせる。
ワシ自ら合成獣となり騒ぎを起こせば、噂を聞いた麗が、ワシを案じて帰ってくるかも知れん。
佐藤、鈴木、田中!今すぐ合成獣の材料集めじゃ!」
田中「旦那様、合成獣の名前は?」
雷蔵「よくぞ聞いた。今回はナスビと鎖鎌と馬。名付けて、ナスガママじゃ」 佐藤・田中・鈴木「旦那様ー」
佐藤「無茶です、旦那様」
田中「また昨日みたいに心臓麻痺起こされては」
雷蔵「離せというに!」
佐藤・田中・鈴木「わあ」
雷蔵「分からん奴らめ。預言にも王がなすがままにとあるだろう。ワシ自らが合成獣にならんでどうする?」
鈴木「ワガママだな、もう」
佐藤「麗さまの爺様だけあるぜ」
雷蔵「いざ行かん。めくるめく光の中へ!」
佐藤・田中・鈴木「わああ!」
田中「旦那様にもしものことあったらー!」
佐藤「女房と子供!」
鈴木「田舎の白鳥さんがー!」
雷蔵「ぐりぐりぐりぐりぐりぐり。おいちにさんし。ぷるんぷるんぷるんぷるんぷるんぷるんぷるん。とおーー」
佐藤・田中・鈴木「ガッシ」
雷蔵「コラ、何をする!」
佐藤「頑張るんだぞ、みんな」
鈴木「旦那様暴れないで」
田中「あー落ちるよ。動くと落ちますよ、旦那様」
佐藤「そんなバナナ」
鈴木「涙ジョー」
田中「落ちていく落ちていく」
佐藤「え、え、え、え、え、えらいこっちゃー」
茄子鎌馬「目指すは学校じゃ。もしかしたら麗が登校しとるかもしれん」
茄子鎌馬(後方3人)「おう」 ツリパン「なにー!?麗さまが歩いてご登校?」
麗「おーっほっほっほっほっほっほっほっほ!」
ツリパン「ええ、しかもあげだまと一緒に!?」
麗「その通り。二人は同じ家に住んでるんですもの」
ツリパン「ということは同棲!?」
麗「ほらほら、今朝も私も手弁当よ」
ツリパン「オーマイゴーット!!」
いぶき「きゃあ!」
茄子鎌馬「待て待てー」
麗「あれは、お爺様」
あげだま「いぶきちゃん!」
いぶき「きゃー助けてー」
ワープ郎「痛い!(ビックリ)」
あげだま「早く逃げるんだ」
茄子鎌馬「おわあ、いててて」
いぶき「でも、あげだまくん一人じゃ」
あげだま「早く!いぶきちゃん、俺、後で言い訳沢山あるんだ」
いぶき「‥っ」
茄子鎌馬「くそー。えーい」
あげだま・いぶき「うわああああああ!!」
あげだま「んんぎ」
ワープ郎「痛いんならあげだマンに変換だ」
あげだま「りょーかい…」 ワープ郎「あげだま、変換スタンバイ」
あげだま「あげだま、へんかーん!」
あげだマン「てやあ、あげだマーン!」
ワープ郎「変換完了。(マル)」 あげだマン「てやあ!あげだマンパンチ&キーック!」
茄子鎌馬「あ、少しは手加減せんか」
あげだマン「うおお(ズコーッ!)な、何を今更」
ワープ郎「あげだま、ちょっと待て。(マル)」
あげだマン「ん」
ワープ郎「今日はあの怨夜巫女の姿が見えない。(マル)用心しないと」
あげだマン「それがどうした」
ワープ郎「え」
あげだマン「俺は今、モーレツに頭きてんの。いくらふざけたヤツだからって、やっていいことと悪いことがある。だからいじめっ子は許さなーい!」
茄子鎌馬「うわあ、ああ、わああ、助けてくれ、怨夜巫女!巫女ー!」
麗「私の受けたショックは、その程度じゃありませんわ」
あげだマン「あげだマンクラーッシュ」
茄子鎌馬「わああああ」
あげだマン「とう!とう!とう!とう!」
茄子鎌馬「ああ、痛いけどもう少しの我慢じゃ」
茄子鎌馬(後方3人)「あたたたたた」
麗「…」
茄子鎌馬「こうしてワシがやられとるのを見たら、巫女は必ず助けに来てくれる。ワシが海より深ーく反省したのを見てな」
あげだマン「あのぅ、なんかこいついじめてる気分になってきたんすけど」
ワープ郎「あげだマン!」
茄子鎌馬「巫女が無事に戻ってくるならワシゃどうなっても構わん」
茄子鎌馬(後方3人)「うう、ううう」
麗「…」
茄子鎌馬「怨夜巫女、ワシゃ親代わりにはなれんかも知れんが、愛情だけはお前の両親に負けんぞー」
麗「お爺様…」
茄子鎌馬「おーいおいおいおいおい」
あげだマン「あのー、参ったなこりゃ」
怨夜巫女「ならば私とサシで勝負だ!」
あげだマン「なに!」 怨夜巫女「過ちを悔いて心から許しを請う。人、それを反省と呼ぶ」
あげだマン「う、お前は」
怨夜巫女「貴様らに名乗る名前はない!とう!」
あげだマン「聞いてねえよ、んなもん!」
ワープ郎「あぶない!(ビックリ)」
あげだマン「わあ」
怨夜巫女「お爺様ー」
茄子鎌馬「おお、怨夜巫女」
怨夜巫女「お爺様ー。
ごめんなさい、お爺様」
茄子鎌馬「なんの、ワシが悪かったんじゃ」
怨夜巫女「いいえ。お爺様の深い愛情も気付かないバカな私をお許しください!」
茄子鎌馬「おお、じゃあワシと帰ってくれるのじゃな」
怨夜巫女「もちろんですわ。お爺様」
茄子鎌馬「おお、巫女よ」
怨夜巫女「お爺様ー」
あげだマン「あの、もしもし」
茄子鎌馬「ああ、なんじゃ」
あげだマン「あ、お取込み中申し訳ないんですが、ワタクシとの対決はどうなってんでしょうか?」
怨夜巫女「おっと、そうでしたわ。喰らえ!ノットリキッーク!パンチパンチパンチ、キーック!
ふふふ。でえええい!」
あげだマン「うわああああああああ」
怨夜巫女「あ、お爺様、どいて!」
茄子鎌馬「ほ、ほえ?ああーー」
雷蔵・怨夜巫女・佐藤・田中・鈴木「こっぱみじんこーー」
あげだマン「気合の戦士、あげだマン。またまた地球を救う」 いぶき「ん…」
あげだま「いぶきちゃーん!」
いぶき「あ、あれは…あげだマン」
あげだま「大丈夫?」
いぶき「これ、お願い。あげだまくんって子に渡して欲しいんです」
あげだま「これって、俺に…いぶきちゃん!」
ワープ郎「(どうやら機嫌は直ったようだな)カッコ閉じる」
あげだま「あー!」
ワープ郎「どうした!(ビックリ)」
あげだま「いっけね。あいつのことすっかり忘れてた」 ワープ郎「どした?あげだま」
あげだま「うん、何かね。あいつもいなくなったらなったで、寂しいっていうか、何て言うか、
あいつも思ったほど悪いやつじゃなかったな、なんてね」
“あげだま 世話になりましたわよ!! ” あげだま「うっそー!いぶきちゃん、麗のじっちゃんとお見合いすんの?」
いぶき「やあね。私のおばさんよ」
麗「絶対はんたあい!平家いぶきの親戚なんかとお見合いさせるもんですか!
こうなったら、この私が美しくて優しくて、私に逆らわない花嫁をお爺様に探してさしあげるわ!」
あげだま「次回、ゲンジ通信あげだま。ロマンス チャチャチャ」
いぶき「私、麗さんの思い通りにはさせない!」
次回
『ロマンス チャチャチャ』 雷蔵「ああ、桜が散っていく。あの桜が散る前に元気にならないとワシゃ駄目かもしれん。げほげほ」
麗「お爺様、風邪くらいで大げさですわ」
雷蔵「いやあ、自分のことは自分が一番よく知ってるものじゃ」
(パチン!)
麗「お爺様、桜を見るのはやめましょうね」
佐藤「おい、早くしろよ」
田中「ちょっと待ってくれよ」
鈴木「よいしょ、よいしょっと」
田中「よーし固まった」
鈴木「季節がちょっとずれてるけど、ホーホケキョ。ホーホケキョ」
麗「準備できたようね。ほーら!お爺様。桜が散らなくなりました」
雷蔵「ノリでくっついとるからな」
麗「あら、分かってらしたの」
雷蔵「いくらお金があってもあたたかい家庭がないと寂しいものじゃあー虚しい虚しい。実に虚しいわい」
麗「お爺様、元気をお出しになって。あら、寝ちゃったわ。あら」 キク「きゃあ!」
男「貰ってくぜ!」
キク「ああ、ああ、お米が…あ…」
(ボカスカ)
若き日の雷蔵「これはあなたの米ですね」
キク「ありがとうございます。何かお礼を」
若き日の雷蔵「しっかり持っていなさい」
キク「そうだわ。家でご飯を食べていってくださいな」
若き日の雷蔵「いやいや、自分はそんなつもりでは」
(グー)
若き日の雷蔵「いや、その、今のは聞かなかったことに」
キク「ふふ、遠慮なさらないで。私はキクと申します」
若き日の雷蔵「キクさんか。あなたにピッタリの美しい名前ですね」
キク「まあ、お上手な方」
若き日の雷蔵「あはははは」
キク「ふふふふ」 雷蔵「あはははははは」
麗「お爺様楽しい夢を見てるようね」
雷蔵「キクさん!あ、あ、あれ、夢か。キクにもう一度会いたいのう」
麗「ええ、亡くなったお婆さまに?」
田中「旦那様、原田不動産の社長がお見舞いに見えましたけど」 ツリパンの父「どうです?ご病気は」
麗「少し風邪気味なんだけど、なんか元気がないんですの」
ツリパンの父「ああ、それは困った。何か元気が出るようなことをなされては?」
麗「そう簡単にはいかないんですの。すっかり黄昏てしまって、もうさっきも亡くなったお婆さまの夢を見て懐かしがったりして」
ツリパンの父「ああ、そういうことでしたら、このワタクシにお任せを。
私、趣味でご縁をいくつかまとめさせて頂いております。ささ、お引きください。どうぞ」
雷蔵「おーう、キクとそっくりじゃ」
ツリパンの父「さすが雷蔵様、お目が高い」
麗「どなたのお写真ですの?」
ツリパンの父「平家やまぶきさんです」
雷蔵「キクじゃ!」
ツリパンの父「はいはい」
麗「へいけ…やまぶき…あ″!」
雷蔵「すぐお見合いしたい!」
ツリパンの父「では早速セッティングをば」
麗「麗、自分のお部屋に帰るっ」 ツリパンの父「どうです?ご病気は」
麗「少し風邪気味なんだけど、なんか元気がないんですの」
ツリパンの父「ああ、それは困った。何か元気が出るようなことをなされては?」
麗「そう簡単にはいかないんですの。すっかり黄昏てしまって、もうさっきも亡くなったお婆さまの夢を見て懐かしがったりして」
ツリパンの父「ああ、そういうことでしたら、この私にお任せを。
私、趣味でご縁をいくつかまとめさせて頂いております。ささ、お引きください。どうぞ」
雷蔵「おーう、キクとそっくりじゃ」
ツリパンの父「さすが雷蔵様、お目が高い」
麗「どなたのお写真ですの?」
ツリパンの父「平家やまぶきさんです」
雷蔵「キクじゃ!」
ツリパンの父「はいはい」
麗「へいけ…やまぶき…あ″!」
雷蔵「すぐお見合いしたい!」
ツリパンの父「では早速セッティングをば」
麗「麗、自分のお部屋に帰るっ」 あげだま「ええ″!麗のじっちゃんとお見合い!?いぶきちゃんまだ小学生なんだぜ?
大体麗のじっちゃんっていくつだか知ってんの?」
いぶき「やあね。私がお見合いする訳ないでしょ」
あげだま「そりゃそうですね。じゃ、誰がお見合いするの?」
いぶき「やまぶきおばさんよ。私のママのいとこのめいのいとこのお母さんのそのまたいとこなの。分かった?」
あげだま「ぜーんぜんぜん」
いぶき「要するにママの遠い親戚なのよ」
麗「許しませんわよ!反対反対絶対反対!」 麗「私は平家やまぶきとお爺様のお見合いには絶対反対です。反対」
いぶき「どうして?」
麗「地球とアンドロメダほど離れていようと、とにかく平家いぶきの親戚だから」
あげだま「あー!俺んちとアンドロメダって結構近いんだー」
麗「あんたは黙ってなさい!野蛮人!」
あげだま「ハイ」
麗「私は反対」
いぶき「麗さん」
あげだま「俺も反対だぜ」
いぶき「え」
あげだま「やまぶきおばさんっておばあちゃんじゃないんだろ?歳が離れすぎてると色々問題があるし、相手は成金趣味で」
麗「ああ、この野蛮人!やまぶきさんこそお爺様の財産が目当てなんでしょ」
あげだま「あんな派手な格好見りゃ誰だって趣味疑っちゃうぜ」
麗「何よ、どういう意味よ」
あげだま「やまぶきおばさんと合う訳ねえだろ」
いぶき「いい加減にしなさい!そんなの当人同士が決めることでしょう!なんであげだまくんと麗さんが口出しするわけ!?」
あげだま「あ、あ…」
麗「あ…」 あげだま「そ、そうだよ!麗。いぶきちゃんの言う通りだ!誰がお見合いしようと自由じゃないか!愛に国境はないってな」
麗「コロコロと態度が変わるやつだわね」
いぶき「やまぶきおばさんは、雷蔵さんとのお見合いを承知しているのよ」
麗「おーっほっほっほっほっほっほ!私は反対」
いぶき「孫がおじいさんにヤキモチを焼くなんて変なの」
麗「おーっほ…あら、いつ私がヤキモチ焼きました!?」
あげだま「あの、皆さん。そろそろ教室に入らないと」
(ドガッ)
あげだま「う」
ツリパン「麗さま、ここは僕のパパに任してください」
麗「あ、そう。そうなのね。ふーん。いつからツリパンは平家いぶきの親衛隊になったの?」
ツリパン「そ、そんな訳じゃありません」
麗「不愉快だわ。麗帰るっ」
ツリパン「ああ、麗さま。帰るのでしたら方向が逆ですが!」
麗「裏からだって帰れるのよ!」
ツリパン「さすが」
あげだま「あーあ、またか」 麗「(こうなったら、この私が美くて優しくてスマートな花嫁をお爺様に探してあげますわ。
私に逆らわない花嫁をね)おーっほっほっほっほっほっほ!と笑ってる間に着いたようね。
田中はお爺様を見張りなさい。
佐藤、鈴木は私と一緒に研究室に行きますわよ」
田中「大丈夫かな。麗さまお一人で」
鈴木「でもまあ、旦那様だっていつもいい加減だから」
佐藤「どっちでも同じようなものか」
麗「早くしろ!」
佐藤・田中・鈴木「はい!」 麗「準備はよくてね?」
佐藤・鈴木「はい、オーケーです」
麗「でも今回の作戦にあった預言を見つけるのが面倒臭いのよね。
あったわ!私ってやっぱり大天才!
えーと、I love youの恋人たちが冷え冷えとした季節を迎えるとき、新しい救い主が現れる」
佐藤「よーし、俺は風呂桶だ」
鈴木「俺は目薬とハートチョコだ!」
麗「I love you。これは英語ですわね。お湯が好き、つまりお風呂好きのことですわ。それでアイは目、その後はこうですわ。
お風呂好きの恋人たちに目薬を差したとき、二人の心は冷え、別れが待ち受けている。
でも女性の前には救い主が、つまりお爺様が現れる。うーん、自分でも惚れ惚れするような完璧な解読ですわ。
風呂桶とハートチョコと目薬を用意しなさい!ん」
佐藤「はい」
佐藤・鈴木「用意完了です!」
麗「早いですわね…でもそんな古めかしい風呂桶どこにあったんですの?」
佐藤・鈴木「旦那様のコレクションです!」
佐藤「予想通りだったな」
鈴木「まさかと思う考え方をすればいいもんなー」
麗「今回頑張った者には私が責任をもって花嫁さんを探してさしあげます」
鈴木「だあ」
佐藤「独身はお前だけだ。でえい」
鈴木「わあ」
佐藤「オッケーです」
麗「スイッチオンですわー。
早く出てきなさーい。
ま、ハートマークが可愛い」
目(アイ)ラブ湯(ユ)ー「キター!」 男性A「良い夢見ろよ」
女性A「それさっき言った」
男性A「あ、そっか」
女性A「何かこれじゃいつまで経っても帰れないね」
男性A「あはは、そんな夜もあるよ」
女性A「うん、じゃあこうしよう。せえので一緒に後ろ向くの」
男性A「オーケー」
男性A・女性A「せえの」
男性A「あ…ミカって、ずりいな」
女性A「カッチ」
男性A「なに」
女性A「カッチ」
男性A「だからなに」
女性A「カッチ、好きだよ」
目ラブ湯ー「私の目薬の効き目はいかがっすかー」
女性A「なんだこの男」
男性A「へっ、浮かれてんじゃねえよ。俺はハードボイルドなんだよ!」
女性A「へ、けえれけえれ」
目ラブ湯ー「お嬢さん、こんな方はいかがっすかー」
女性A「まあ、素敵な方」 女性B「人を好きになるのが怖いの。また失ってしまいそうで」
運転手「馬鹿ヤロー!死にてえのか!」
男性B「僕はしにましぇー!」
(ドーン!)
目ラブ湯ー「はいはい」
女性B「きゃあ!うっとうしい男がいなくなってせいせいしたわ」
目ラブ湯ー「それではこの方はいかがっすかー」
女性B「素敵な方ですわー」
怨夜巫女「よしよし、続々とお爺様のお見合い相手が集まっていますわ。ふぁ〜あ。
やっぱり小学生に夜更かしは厳しいですわ。美容にもよくない事ですし。後は目ラブ湯ーに任せて私は帰ることにしましょう」
目ラブ湯ー「夜の町に、キター!」 いぶき「あげだまくん、今日ね、やまぶきおばさんがお見合いするんだけど、やっぱり心配なの。一緒に見に行ってくれない?」
あげだま「いいよ(ヤッピー。学校終わってもいぶきちゃんと一緒)」
麗「なるほど。お爺様は今日お見合いするんですわね。目ラブ湯ー。応答しなさい」
目ラブ湯ー「はいはい」
麗「集めた女たちを家のほうへ寄こしなさい」
目ラブ湯ー「そうっすねー」
麗「こうしてはいられませんわ。家へ急ぎなさい」 雷蔵「あはははは。早く来い来いやまぶきさん、イエーイ」
麗「お爺様!何してるんですの!?」
雷蔵「あ、麗お帰り。なにしばらく寝込んでたからな。風邪も治ったし外に出て新鮮な空気に当たろうと思ってな」
麗「分かってますわよ。平家やまぶきさんが見えるんじゃないんですの?」
雷蔵「いやいや、ちょっと原田不動産の社長が挨拶に来るんでな」
麗「あのお見合いには私は絶対に反対ですわ!もうすぐ田中達がもっともっと素敵な人を見つけてきますわ」
雷蔵「やだやだ、平家やまぶきさん以外とはお見合いなどしたくなーい」
麗「ああ…あ」
雷蔵「わーい」 ツリパンの父「お待たせしました」
雷蔵「おお」
麗「むう」
ツリパンの父「雷蔵様、お体の方もすっかり良くなられたようで。へへへへ。平家やまぶきさんです」
雷蔵「おほほほ」
やまぶき「初めまして」
麗「(出たわね、平家やまぶき。この女ネコ被ってるけど、九鬼家の財産を独り占めにしようと考えてるんだわ。
しかも平家いぶきと親戚になってしまうと、お爺様がお小遣いを、なんてことも…!)
ツリパンの父「雷蔵様、こちらが平家やまぶきさんです。こちらが九鬼コンチェルンの総帥、九鬼雷蔵様です」
やまぶき「平家やまぶきでございます」
雷蔵「く、九鬼です」
あげだま「麗のじっちゃん舞い上がってんな」
雷蔵「じゃ、中の方へどうぞ」
麗「お爺様、どうしても平家やまぶきさんとお見合いをなさるんなら、麗はこの家を出ていきますわ」
雷蔵「れ、麗」
麗「用意はもう出来てますわ。止めるなら今のうちですわよ」
雷蔵「うーむ」
麗「ほーら、今まさに家出の第一歩を踏み出しちゃいますわよ。さあて、荷物はトランクに一杯詰めたし」
雷蔵「わ、分かった。平家やまぶきさんとの見合いは辞めたよ。ワシより麗の幸せのほうが大事だからな」
麗「ああ、お爺様!」
雷蔵「すまんのう。この通りじゃ。決してやまぶきさんのせいではないのじゃから」
やまぶき「分かりました。お孫さんを大切に」
ツリパンの父「ああ、失礼します」
いぶき「麗さんのお爺さんっていいところあるのね」
あげだま「うーん、だけどちょっと可哀想だな」
「キャー」ドドドドドドドド
あげだま「ん」
いぶき「あ」 女性A「ミカとお見合いしましょう!」
麗「おーっほっほっほっほっほっほ!皆さんよく来て下さいました。これよりお見合いを始めますわ」
女性A「雷蔵様、渋いわ」
あげだま「ひっでー!あんな大勢とお見合いすんのかよ」
いぶき「しーっ!とにかく、お爺さんの気持ちを聞いてみないとね」
雷蔵「あ、あ、あ、あ」
女性A「雷蔵様、お見合い」
雷蔵「う、皆さん帰ってくださらんか」
麗「え!お爺様」
雷蔵「せっかくだが、気が進まんのじゃよ」
「雷蔵様」「いやー」
麗「そんな…」
いぶき「こうなったらやまぶきおばさんの気持ちを確かめて、その結果によっては私たちが出しゃばらなくてはならないわよー」
あげだま「あ、はい」
いぶき「レッツゴー!」
あげだま「あ、いぶきちゃん!」 麗「お爺様、下に集まってる人々は、みんなお爺様の魅力に惹かれて来てるんですのよ。お見合いだけでもしてあげるべきですわ」
雷蔵「いや、今は考えたくないんじゃ」
麗「元気出して!お爺様には世界征服というお仕事だってあるんですのよ」
雷蔵「ところで麗」
麗「なんですの?」
雷蔵「鈴木の姿が見えんがどうかしたのか?」
麗「あ、あ、はらほれほれはれ。お爺様、あんまり細かいことはお気になさらないほうが。
何も鈴木がいないからって、合成獣になってお爺様のお見合い相手を集めてることなんてありませんわ」
雷蔵「あ、そういうことか」
麗「あ、しまった」
麗「お爺様のことを思って、やまぶきなんかより素晴らしいお見合い相手がいるんじゃないかと。ごめんなさい」
雷蔵「まあ、よいよい。早く鈴木を元に戻してあげなさい。そうすれば外の連中も正気になって帰るじゃろう」
麗「お爺様」
雷蔵「すまんのう。ちょっと一人にさせてくれ」
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