⑴ 移転のための実費・損失の補償額から算定する方式
移転のための実費・損失の補償額から算定する方式は、特に居住用の建物の賃貸借契約の立ち退きで、多く用いられている方式です。

居住用の建物賃貸借の場合には、引っ越し代や新規物件を賃借するための仲介手数料、礼金、敷金のほか、転居後の賃料と現賃料との差額の一定期間分(例えば2年分の差額賃料)を、立ち退き料として算定して補償することが考えられます。

店舗の建物賃貸借の場合には、上記に加え、現在の建物に投下した費用(例えば改装工事費用)、新規物件で事業を開始するための初期費用(例えば保証金)、休業補償、一定期間分の営業減収(例えば1年分の営業減収)を、立ち退き料として算定して補償することが考えられます。