大手不動産「プレサンス」社長を逮捕 明浄学院横領容疑 大阪地検特捜部


大阪観光大(大阪府熊取町)などを運営する学校法人明(めい)浄(じょう)学院をめぐる
21億円の横領事件で、大阪地検特捜部は16日、業務上横領容疑で、
東証1部上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)社長、山岸忍容疑者(56)=
神戸市東灘区=を逮捕した。特捜部は認否を明らかにしていない。

捜査関係者によると、山岸容疑者はこれまでの調べに対し、容疑を否認していたという。
事件をめぐっては、特捜部が5日、法人元理事長の大橋美枝子容疑者(61)や同社社員、
不動産会社「ピアグレース」(大阪市)役員ら5人を同容疑で逮捕している。

法人は、運営する明浄学院高(大阪市阿倍野区)の土地の一部約7300平方メートルを売却し、
その資金で老朽化した校舎の建て替えを計画。平成29年7月、ピア社と約31億円の売買契約を締結した。
関係者によると、土地はプ社が買い取る予定で、法人に支払われた手付金21億円は
ピア社を介し、プ社が支払った。

山岸容疑者の逮捕容疑は、大橋容疑者ら5人と共謀し、売買契約の締結直後、
仲介した別の不動産会社「サン企画」(同府吹田市)名義などの複数の預金口座に21億円を順次送金し、横領したとしている。
法人をめぐっては、大橋容疑者が理事会に諮らず大学の運営資金1億円を自身が役員の
関連会社の口座に振り込み、暗号資産(仮想通貨)への投資に流用した疑いも浮上。
大橋容疑者は一連の取引が問題視され、今年6月に辞職した。

特捜部は10月、法人やサン企画、プ社などの関係先を家宅捜索していた。
ホームページなどによると、プ社は平成9年に設立。近畿圏を中心にマンションの分譲や開発、管理事業などを
多角的に展開している。立地にこだわる開発が奏功したとされ、25年には東証1部に上場。
マンション供給戸数は近畿圏で9年連続トップを誇る。


https://www.sankei.com/west/news/191216/wst1912160031-n1.html