今日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を
予想したい。前日までの調整によるドル売りは一服。今
晩発表される米国の12月小売売上高などをにらみ、ドル
の押し目買いが続きそうだ。ただ、16日はキング牧師誕
生記念日で米国市場が休場となるほか、17日にはメイ英
首相の重要演説が予定されていることで、積極的な売り
買いは手控えられる可能性がある。

 前日の海外市場では、11日に行われたトランプ次期米
大統領の記者会見で具体的な景気対策などが聞かれなかっ
たことによる失望から、ドル・円は113円後半まで下落。
しかし、本日のアジア市場では日経平均株価の上昇を手
がかりに、115円台まで値を戻した。ドル売り地合いの
なかで戻りは鈍い見通しだが、ある市場筋は「トランプ
政権には懸念はあるが、経済政策への期待は残され、経
済指標や金利、株価次第で押し目買いが強まりやすい」
と指摘する。

 今晩は22時半発表の米国の12月小売売上高や生産者物
価指数などの経済指標が材料となる。12月小売売上高は
前月比+0.7%と、11月の+0.1%を上回る見通しで、クリ
スマス商戦を含めた期間の個人消費の強さが注目される。
7-9月期米国内総生産(GDP)は個人消費が上振れ、改定
値は2年ぶりの高い伸び率となった。12月小売売上高で、
1月27日発表の10-12月期も3%前後の成長率が続くとの
期待が広がれば、株高を通じてドル買いが強まろう。