今日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開を予
想したい。前日行われたトランプ次期米大統領の記者会
見を手がかりとした調整のドル売りが継続する見通し。
材料としては、米地区連銀総裁らの講演が多く予定され
ており、発言が注目される。

 前日のトランプ氏の記者会見では、経済に関連し「史
上、最も多くの雇用を生み出す大統領になる。きちんと
結果を出す仕事をしていく」と述べるにとどめ、注目さ
れた減税や雇用の創出への具体策は示されなかった。そ
れを受け、NY市場では失望感が広がり、ドル・円は一時
114円25銭まで下落。本日のアジア市場でも下落基調が
続いている。ある外為ストラテジストは、「記者会見が
大統領選後の急激なドル高を調整する年末からの動きを
後押しした」と指摘する。

 この後の欧米市場でも、引き続きドル売り地合いが予
想される。今晩は2017年の米連邦公開市場委員会(FOMC)
の投票権を持つハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(
22時半)、エバンズ・シカゴ連銀総裁(同)、カプラン
・ダラス連銀総裁(日本時間13日3時45分)による講演
などでの発言が注目材料。連邦準備制度理事会(FRB)
が1年ぶりに利上げに踏み切った昨年12月13-14日のFOMC
会合では、一部のドル高リスク言及が議事録で明らかに
なっている。