小佐野景寿「東急「電車定期でバスも」は混雑緩和になるか」東洋経済オンライン2016年
07月20日
その点、バスは三軒茶屋―渋谷間に停留所が7つあり、旧山手通り周辺にも「大坂上」
「道玄坂上」などのバス停がある。
三軒茶屋―渋谷間を乗り通すなら電車のほうが圧倒的に早いが、旧山手通り周辺が目的地
なら「池尻大橋からバスを利用したほうが、渋谷駅から歩いて行くよりも早い」(北野さ
ん)。
そこで、渋谷駅からはやや距離のあるこれらの地域への通勤客に、途中駅からバスを使っ
てもらうことで利用客を分散させ、結果として田園都市線の混雑緩和につながる効果を狙
っているわけだ。

東急田園都市線。2014年度の国土交通省のデータによると、最も混雑する池尻大橋―渋谷
間の混雑率は185%に達し、首都圏だけでなく全国でも有数の超満員路線だ。その田園都
市線でこの7月、電車の定期券で同じ区間を走るバスにも乗車できるキャンペーンが行わ
れている。
キャンペーンの実施区間は、最も混雑する区間を含む三軒茶屋―池尻大橋―渋谷間。平日
朝のラッシュ時にあたる午前7時から9時までの間、三軒茶屋駅と池尻大橋駅のバス停で、
同区間を含む電車の定期券所有者に、渋谷行きの東急バスに乗れる乗車券を配布している。