県内の公立高校の元教諭と現役教諭5人が共同執筆し、古代から現代までの埼玉と朝鮮半島との関わりをたどった「こんなにも深い 
埼玉と韓国・朝鮮の歴史」を出版した。

朝鮮半島の国家「高句麗(こうくり)」から渡来した人たちによって開拓された高麗郡(現在の日高市、飯能市など)が2016年に建郡
1300年を迎える中、埼玉と朝鮮半島の関係を知る格好の一冊だ。

執筆者で元さいたま市立大宮北高教諭の江藤善章さんは「海のない埼玉と朝鮮半島が古代から多彩な関係にあり、実に面白い」と
話している。

執筆者がそれぞれフィールドワークを重ねてまとめた。古代では「高麗郡」「幡羅(はたら)郡」(深谷市、熊谷市)を中心に紹介し、
渡来人と埼玉の関わりの深さを解説している。

近世では江戸時代に、朝鮮王朝が派遣した外交使節「朝鮮通信使」に焦点を当てた。川越、加須市などには、朝鮮通信使を描いた
絵馬があることや白岡市の神社に朝鮮通信使の書が扁額として飾られていることが紹介されている。