なぜ、不動産業は大家(家主)の殿様商売なのか。

通常、商売する側に客を選ぶ権利はない。

鉄道のような公共性の高い事業ならば、どれだけ嫌な客であっても拒否はできない。
酔客が車内で暴れて、とかいう極めて限定的な状況でのみ始めて(鉄道会社権限で)追い出せるものの、その客を次回から拒否とはできないし、
てんかん持ちで乗車するたびに意識を失って急病人ということで電車を止めてしまう人を(心情的には拒否したい駅員は大勢いるが)乗車拒否は人権問題になるので出来ない。

ではコンビニやファミレスといった、公共性もない純粋な民間企業の場合でも、
やはり店側に客を選ぶ権利はない。嫌な客であっても、客は客だ。
ただ、公共事業と違って、著しい問題行動・言動を繰り返し、それが客観的にも悪質であり、その客を拒否するに相当たる合理的事由があった場合にのみ、「出入り禁止」にはできる。
但し今書いたように「相当たる事由があり客観的にも〜」なので、
前科者だろうが精神障害者だろうが水商売だろうが何も問題起こしてない客をそれだけで拒否はできない。

対して賃貸は、どうか。
こちらが金を払うつってるのに保証人やら礼金やらで客側が下手(したて)なだけでも殿様商売だというのに、
「前科者は嫌」「精神科に通院している人は拒否」「水商売の人は入れない」「資産あっても無職は断る」「年金暮らしや生活保護は却下」と、
なぜ客を選びまくりなのか。客を選ぶというのを通り越して差別である。
差別は日本国憲法で禁止されている。
極端に言えば、「大家の好みの人にしか貸さない」というわけである。

定期的な賃料(家賃)が発生する以上、
「支払い能力」を理由に拒否するのは合理的で認められる。それはいい。
しかし、上に書いたように、
単なる差別意識で拒否しているものが多すぎる。
「入居審査」は、支払い能力とは全く関係ない要素を含みすぎている。客に賃貸を選ぶ権利はあっても、本来、というか憲法上、大家に客を選ぶ権利は無い。

なぜ、大家は殿様商売なのか。
いや、殿様商売と言われるJR東日本でさえ、客を「拒否」はできない。
大家は、殿様商売を通り越して差別意識に満ちていて、日本国憲法違反である。

なぜ、この世界では、差別・違憲が許されているのか。