近鉄ビル元社員を詐欺容疑で逮捕 被害10億円超
2010年5月13日 12:10 カテゴリー:社会

大阪地検に入る逸崎良典容疑者=13日午前8時10分 近畿日本鉄道の子会社「近鉄ビルサービス」(大阪市)の運転資金約10億円をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は13日、電子計算機使用詐欺の疑いで元社員の逸崎良典容疑者(36)=奈良県橿原市=を逮捕した。

 逮捕容疑は、経理課に在籍していた2008年4月〜昨年11月、計70回にわたり社内の銀行振り込みシステムを使い総額約10億5200万円の運転資金を自分名義の四つの銀行口座に振り込んだ疑い。

 捜査関係者によると、調べに「間違いありません」と容疑を認めている。

 同社が昨年11月に業務上横領容疑で告訴。ほかにも現金約600万円を自分の口座に入れた疑いもある。

 同社によると、振り込みシステムは経理課の担当者が取引先への支払額をパソコンで入力し、経理課長が専用のパスワードで承認、銀行側に振り込ませる仕組み。

 同社によると、逸崎容疑者は経理課に約10年間勤務。システム導入時の担当者で、システム管理者専用のパスワードを使って侵入し、課長の承認を取り消して自分の口座も振込先に追加されるよう操作していた。