少し議論しようか。
具体的なこともなんぼでも書けるけど、具体的な事情を知らんではな・・・
鞍数はあるていど必要だけれど、「同じ鞍数でよりうまく」乗るためには、
「その場ごとの対処法の積み重ね」だけではなく、
「なぜそうなるのか」の小難しい理屈を理解するほうが早いことも多い。
理屈が判れば、次の時、自分で考えられるから。
自分で考えられるようにならないと、いずれ困る。

で、初心者の問題は、>>18が書いたような対応や、私が書いた愛撫や懲戒をすること自体が難しい、というところにある。鞍数の必要性だね。
でも、それに加えて、考えて考えて考え抜かなければ、あるレベルから上へはいけない。

騎座なんだが、これが難しい。
今はみんな、鞍を前に置いて体を起こして乗る。
ところが、昔は、もっと鞍を後ろに置いて、恥骨への荷重が多かった。
遊佐先生が和式古典馬術の語を引いて「腹に(臍に)ひと皺」と書いているね。
日本では、おそらく、今村先生が「障害通過・不整地騎乗時には腰を張れ」としたのが
戦後拡大解釈されて、「馬場馬術でも腰を張る」ようになってしまったらしい。
欧米でも、22年生まれのリズ・ハーテルは臍にひと皺、36年生まれのクリムケは腰を張っている。
腰を張るようになるのと、古典馬術が出来なくなるのと、平仄が合う。
腰を張って後退駆歩はできないよねえ。今村先生も馬場の時には腰を張っていない。

腰を張る今時のイントラが作った馬に私が臍にひと皺姿勢で乗ったら歩かないか?
そんなことはない。

日馬連はこの仕事をさぼっていて困ったもんだが(スポーツ障害予防をしていないスポーツ団体は珍しいんだが・・・)
腰を張る騎座は乗り手の腰に悪いのではないかと疑ってもいる。
一例は何の証拠にもならんが、私は腰が悪い。
数例でも何の証拠にもならんが、腰を張れと教わった戦後世代は比較的若く腰をやって乗れなくなるひとも多い。
臍にひと皺世代はみんな長持ちだった。

SK先生の後退駆歩、クラウツ・フェルディナンドの手綱を緩めた収縮、ポルトガルの騎馬闘牛士と、
最近のオリンピック選手の姿勢(最近では唯一の南欧選手を除く)の姿勢を比べて見給え。