「つま先を前に」私もそう習いました。
ですが、今では、「腰の反らしすぎ」「外方脚の引きすぎ」とともに、というか、関連しているわけですが、以下の理由で正しくないと考えています。
つま先を前を無批判に受け入れたことを後悔しています。

1 人体構造 
つま先を閉じる開く、つまり内旋・外旋はその過半が股関節によります。
ためしに膝を胸に近づけて膝から上を固定して、つま先を左右に動かしてみましょう。
膝の内旋・外旋はこのわずかな動きしかできません。
私は若いころに無理につま先を前にしようとしていたためか、下肢の骨が歪んでしまいました。
当時はふくらはぎの内側の筋肉が奇形的に発達していましたが、歩いたり走ったりしても鍛えられるふくらはぎの後ろの筋肉を鍛えるほうが効果的です。

また、無理につま先を前に向けると、腰角後ろや臑下方外側の筋肉が不要に緊張します。
ことに腰後ろの緊張は、股関節の柔軟を妨げます。
極端な内旋の例として膝が背峰の上に出る(中央には多い、痴呆には少ない)モンキー乗りがありますが、
あれは内旋させて股関節を固定して姿勢保持をしているわけです。
脚の細かな操作は不要ですし、できません。

2 文献
最近は入門書ばかりで馬術書がないので、最新の馬術書として「馬術読本」を引きます。印南先生は日馬連「規程」をまず紹介されていますが、おおもととして陸軍の馬術教範を示しています。
「足は自然の方向を保ち」
印南コメントとして
「その馬体となす角度はおおむね三〇度位である(股の肉付のよい人および日本の婦人はたいていこれより多くなる)。もしこの角度よりはなはだしく大である人は、膝及び股は内面の付着が悪いか、脚に力を入れすぎているとみるべきである」

120氏が、つま先が真っ直ぐを勧めている文献をご存じでしたらお教えいただけると幸いです。

外に開きすぎているのを矯正しようとして、腰かけ乗りにならないよう一旦大股開きにさせてから「自然な角度まで」戻させようと、等が
いつのまにか行き過ぎて「前向きなほどよい、真っ直ぐがよい」となったのではないかと疑っています。
あるいは、足の長い欧米人が小柄なウマに短い拍車で乗るための、拍車受けが変に高い位置にある(エーグルのエクイヤーが典型)長靴で、
足の短い日本人が抱きの太いアングロ・ノルマンなんかに乗ると拍車が当たりっぱなしで危ないので、
本来ならば拍車取り付け位置を下げるべきだったが、現場では対応できない、
しかたなくその場しのぎで「つま先を前に」が本質的なものとして誤って定着したのではないかとも考えています。