安倍首相が国会で「サンゴは移した」の嘘をごまかすインチキ発言! 地盤改良工事認めるも2兆円以上の費用ひた隠し
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2月1日
どこまで嘘をつきつづけるつもりなのか。30日におこなわれた衆院本会議の代表質問で、安倍首相が例の「サンゴは移した」発言について、またお得意の詭弁を弄したからだ。

事の発端は、1月6日に放送されたNHKの『日曜討論』で安倍首相が辺野古の新基地建設工事について、
「いま、土砂が投入されている映像がございましたが、土砂を投入していくにあたってですね、あそこのサンゴについては、移しております」と発言したこと。
「あそこのサンゴ」というのは、あきらかに土砂が投入されている区域のことを指しているが、いま土砂が投入されている「埋立区域A?1」ではサンゴの移植はおこなわれていない。
つまり、安倍首相は嘘をついて、あたかも“サンゴなど環境に配慮して土砂投入をおこなっている”かのように説明したのだ。

そして、30日の代表質問では、立憲民主党の枝野幸男代表が「『あそこのサンゴ』とは具体的にどこの、何のサンゴですか」と問いただしたのだが、安倍首相はこう答弁したのである。
「サンゴにかんしては、護岸で締め切ると周囲の海と切り離され、海水の出入りが止まって、その生息に影響が生じるため、海域を締めきる前に
南側の海域に生息している保護対象のサンゴは移植した、と(防衛省の幹部から)聞いている」
番組では「土砂が投入されている映像」を指して「あそこのサンゴ」と言っていたのに、答弁では、いま土砂が投入されているエリアの隣の区域を含む「南側海域のサンゴ」だと、自分の過去の発言の趣旨を変えてしまったのである。

安倍首相は31日の衆院本会議での代表質問でも、共産党の志位和夫委員長の質問に対して同様の答弁をおこなったが、これは完全な言い逃れ、ゴマカシだ。
しかも、安倍首相は「サンゴは移している」と主張することで沖縄の環境に配意しているように装っているが、それはまったくの嘘だ。
というのも、辺野古の新基地建設工事においては、土砂投入にくわえ、1月28日からは大浦湾側で新たな護岸工事を開始したが、そのすぐ傍にはサンゴが生息しているからだ。

■大浦湾では小型サンゴ生息地の50メートル先で護岸工事を
今回、建設を予定している「N4護岸」(全長135メートル)「K8護岸」(全長515メートル)では、「K8護岸」に移植しなくてはならない小型サンゴ群が複数存在するが、
1月22日におこなわれた環境監視等委員会では〈(515メートルのうち)250メートルまではサンゴに影響を与えずに建設できる〉と判断(琉球新報1月23日付)。
しかし、この250メートル地点からわずか50メートル先にはサンゴが生息しているのである。
沖縄県は埋め立て承認を撤回していることからサンゴの移植許可を出していない。当然の話だ。
だが、県民投票までに「もう工事が進んでいる」「引き戻せない」という既成事実をつくることに必死の安倍政権は、サンゴの保全などまるで無視して工事を強行しているのである。

無論、この工事がサンゴに多大な影響を与えることは明白で、サンゴの専門家である大久保奈弥・東京経済大学准教授も「サンゴが生息したまま護岸建設を進めれば、工事による水の濁りと、海流の速度低下の面から
サンゴに負の影響が出る」と言い、さらに防衛局のシミュレーションで「護岸の内側で流速が低下」していることに言及した上で「流速はサンゴに大きな影響を及ぼす要素だ。
特にミドリイシサンゴや他の枝状のサンゴなど流速の低下に弱い種類がいる場合、徐々に死亡していくだろう」と指摘。
今回の環境監視等委員会の判断や工事を進める沖縄防衛局に対しても「サンゴの生態について委員らの知識が浅く、委員会はサンゴの保全には機能していない。
防衛局もサンゴを守ろうとする気がないことが分かる」と批判している(琉球新報1月23日付)。

新たに開始した工事によってサンゴが死滅する可能性があるのに、それでもなりふり構わず工事を押し進める政府──。安倍首相がサンゴの問題など一顧だにしていないことは、このことからもあきらかだろう。