新潟県・佐渡島に過去9000年間で少なくとも26回の大津波が押し寄せた可能性があることが、卜部厚志新潟大准教授(地質学)の調査で判明した。

佐渡島の堆積物を調査したところ、津波の平均間隔は346年、高さは5メートル以上だったと いう。

「前回の地震は、単純計算すると1600年代の半ばということになりますが、記録は残っていない。

しかし、津波の記録が残るようになったのは江戸時代以降。

つまり、巨大地震が起こり日本海沿岸に大津波が襲来する時期が
切迫しているこ とは確かなのです」

これまで日本海側には巨大地震は発生しないとされてきた???。

なぜなら、太平洋側と違いプレート境界がないからである。

しかし、1993年には奥尻沖で巨大地震 が発生し、大津波で多数の住民が亡くなっている。

琉球大理学部名誉教授の木村政昭氏が言う。

「大西洋を引き裂いてきた大西洋中央海嶺が、北極、シベリアを経て樺太の西 側を通り、日本海に入っている。

そして、その海嶺は新潟沖を経て富山湾に入り、琵琶湖、瀬戸内海を通って沖縄、台湾に至っているというのが私の見解です。

私が『日本列島構造線』と呼んでいるこの海嶺は、地殻を押し上げるのではなく、激しく引き裂いており、地震が発生しても不思議ではない。奥尻沖の巨大地震も過去9000年で26回発生した巨大地震も、その構造線上で起きていると見 ています

ちなみに、丹後一宮・籠神社の奥宮とされる真名井神社の境内には「波せき地蔵」があり、701年には海抜40メートルのこの場所まで津波が襲ったと伝わって いる。

「柏崎原発や若狭湾沿岸に集中する原発は、いつ発生しても不思議ではな い
巨大地震の危険にさらされているわけです」

怖いのは南海トラフ地震だけではない。