火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第069号
平成30年 8月15日16時00分 福岡管区気象台 鹿児島地方気象台

**(本 文)**
<噴火警報(噴火警戒レベル4、避難準備)が継続>
 口永良部島では本日(15日)10時30分に噴火警報(噴火警戒レベル4、避難準備)を発表しました。
新岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に厳重な警戒(避難準備等の対応)をしてください。

火山活動の状況

  口永良部島では、本日(15日)00時頃から火山性地震が増加しており、15時までで29回発生しています。
これまでの火山性地震の震源は、新岳火口付近のごく浅い場所でしたが、本日の火山性地震は新岳の南西山麓付近の深さ約5kmと推定され、地震の規模は、最大でマグニチュード1.9(速報値)とやや大きなものでした。

 8月8日からの火山性地震の回数と、東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁が実施した観測によると、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。
なお、地震回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

            火山性地震 火山ガス(二酸化硫黄)
 8月 8日        36回      400トン
    9日         8回      600トン
   10日        37回      900トン
   11日         2回     1600トン
   12日         4回         不明
   13日         6回     1000トン
   14日         3回       観測なし
   15日15時まで   29回        調査中

 口永良部島では、8月8日及び10日に火山性地震が増加し30回を超え、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は8月に入って増加しており、最大で1日あたり1600トン(11日)に達するなど、火山活動が高まっています。
 本日の火山性地震の震源は2015年5月の噴火前(2015年1月)に発生した地震と概ね同じ場所であると推定され、今後、火山活動が更に高まる可能性があります。

 このことから、口永良部島に職員を派遣し、明日(16日)より現地調査を実施する予定です。

防災上の警戒事項等

  新岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に厳重な警戒(避難準備等の対応)をしてください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意してください。