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「思い込み」の前兆現象予測 科学的根拠は乏しい

地震予知で「宏観(こうかん)異常現象」というものがある。動物の異常な行動とか、空が光る現象とか、
地震雲とか、地下水や地下ガスの異常など、観測機械を使わなくてもわかる前兆現象のことだ。


この種の前兆は「地震後」に報告されたものばかりだった。じつは報告が事後だったか事前だったかには本質的な違いがある。
たんに地震に間に合わなかっただけではないのだ。

ふだん何気なく見ていることは、地震がなければ忘れてしまう。事件があったから、「そういえば」ということになる。
心に深く残った事件のあとで、「そういえば」と思いつく報告が多い。報告が心理的な偏向を受けてしまって、
日常的にいつでも起きている出来事でも意味のある現象を見いだしてしまうのだ。これを心理学では「錯誤相関(さくごそうかん)」という。
地震には限らない。

ほんとうに地震の前兆だったかどうかを科学的に立証するためには、厳密な検証が必要である。
「前兆があって地震が起きた」ということを立証するためには、「その前兆がなかったのに地震が起きた」例や
「その前兆と同じ現象が起きたのに地震がなかった」例や、「その前兆と同じ現象は起きなかったし地震もなかった」例を
全部数えて比べなければならない。このような厳密な比較をしなければ「地震」と「何かの前兆」という2つの現象が関係しているかどうかを科学的には立証できないのだ。
https://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140207/dms1402070725001-n1.htm