TDK提供第78回「地震と磁石」の巻

お雇い外国人技師がさまざまな地震計を考案

 佐久間象山の人造磁ケツがはたして地震予知器として機能したかは疑問です。地震動によっておもりが落下することはあっても、地震直前に磁力が急に変化することは考えられません。
鉄製の人造磁石では磁力が強く、かつ安定しているからです。

 一方、天然磁石は鉄をかろうじて吸いつけるほどの弱い磁力しかなく、しかも不安定なところがあります。地震発生前には地殻変動による異常な地電流が流れることは観測されているので、
それによって発生した磁界が、天然磁石の磁力を変化させることは、科学的にも十分に考えられるといわれます。

 今日では天然磁石よりも高感度な磁気センサが各種ありますが、なかなか地震の前兆はとらえられません。しかし、地震の前には動物が異常行動を起こすことはしばしば報告されていて、ナマズを
飼育して地震予知に役立てようという研究も続けられています。