火山観測「哲学覆った」=前兆なし、驚く研究者−予知連会見

 「今まで考えていた火山観測の哲学のようなものが覆された」。
26日開かれた気象庁の火山噴火予知連絡会の拡大幹事会後、
東京工業大の野上健治教授は記者会見で、率直に驚きを口にした。
 野上教授は群馬県草津町の観測所を拠点に草津白根山の噴火を研究しており、23日の噴火も現地で目撃した。
「兆候がない所なのに」「爆発のメカニズムは一体…」。多くの「なぜ」を抱えながら気象庁に連絡し、現地で調査を続けた。
 噴火の前には噴気などが増えるとされ、「いろんな兆候があってしかるべきだと考え、みんな研究を続けている」。
だが今回は火山性微動が始まって数分後に噴火した。
野上教授は「今までの火山観測の歴史の振り出しに戻るくらいの話」と強調する。
 今後は全国の大学の研究者と協力し、噴火した本白根山の観測体制を強化する。
野上教授は「兆候がない所で何を測ったらよいのか、というところからのスタート」と打ち明け、困難さをにじませた。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018012601215&;g=keq