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★★★★★5つ星のうち5.0前代未聞の事件
投稿者ぽん夫人2017年11月2日

散々、山口側に寄り添う報道特注や、月刊hanadaあのあたりが
彼女をまるでハニトラのように扱っているので、本当なのか?先ずはきちんと本書を読むべきであろうと購入した。
何より、ネット番組とはいえ、国会議員がワイングラス片手に準強姦犯として告発をされ逮捕状まで出た人物を迎える姿に、何かこの国でとんでもないモラルハザードが起きているのではないか?と強い危機感を持った。

正直、これほどまでに冷静で、すっきりとした文章で綴られているとは思わなかった。余計な装飾も、過剰な誇張もない。

そこにあるのは、伝えたいこと、それのみである。
思い込みのたっぷり入った感情的な表現などは一切なく、淡々と時系列に沿って、自身の心身のあり方、取ってきた行動を綴っている。彼女は真のジャーナリストであると信頼を得られる文章であると感じた。
これほどまでに、自分を突き放し、観察することは難しい。ましてや性犯罪の被害者という立場にあって尚、この毅然とした態度に、彼女のジャーナリストとしての強い自負を感じた。

不起訴だったからと言って真っ白か?と言う話は、特に保守や右翼、と言う立場を自認している人に聞きたいが、
浄財を韓国バーや自身の愛人に使い悪びれなかった、田母神俊雄を思い出してほしい。

山口敬之はなぜか安倍自民党の選挙での勝利をもって、官邸に近い自身も許されたと勘違いしているのか、
最近になって再び表に現れるようになった。盛んに伊藤さんを加害者、自分は被害者であるような発言を繰り返している。

伊藤さんのせいで父親が倒れたという山口の言い分を見ても首をかしげるものである。
50過ぎの人間の父親は、どう考えても齢80近い、もしくは齢80を過ぎた高齢者である。年齢的に、体調に不調を来すのは、特段不思議なこともなかろう。
自分と自分の父親が特別に可哀想な目にあってると、涙ながらに訴えるには無理がある。
そのような齢の父親を憔悴至らしめているのは、50過ぎた既婚男性であるにもかかわらず、愚劣な行為に走った自分自身のせいとは考えないのであろうか?

そういえば、田母神俊雄もおちゃらけた態度でネットの番組では自分こそ被害者のように発言をしてたが、
不起訴だったということ、推定無罪という言葉が含むグレーな部分を知っていれば、こうした態度に何かしらの違和感を感じるはずだ。

本書を手にとってもらえれば、彼女には元検事の叔父がいることがわかる。自身も明確に日本人である。と書いている。
法律のプロである叔父も、後任の検事も、それから性犯罪に関して彼女の弁護に当たった女性弁護士も口を揃えて、
この事件の経緯(警察の取り調べ、逮捕状を持って逮捕に向かっているその最中に、刑事部長が逮捕をやめるように指示をするなど)をあり得ない事態だという同様の見解を述べている。

友人などにも手伝ってもらい事実の断片を必死に集めていく。心身を傷つけられながらも、次々に立ちはだかる壁と、どう向き合い戦ってきたのか。艱難辛苦の記録を一冊の本にまとめて上梓することの何が、売名行為なのだろうか?

山口敬之が出演したネット番組のコメントを見ると、山口をハニトラの被害者としてまつり上げ、徹底して伊藤さんを罵るコメントばかりで卒倒しそうになる。それにまた高評価がついたりするから、唖然となる。
本書も読まず、会見も見ず、一方的に水商売の女性、整形したエセ美形、在日のハニトラ要員だの、勝手に決めつけて悪し様に罵っている。

卑劣な犯罪行為を前に、民族も職業も関係ない。
悪質で、良心のかけらも感じられないコメントを残してる人が数多いることに心底落胆した。

何より驚くことにそれは正義として行われているのだ。

山口は、ライダイハンの存在をクローズアップし、韓国軍の関与を指摘した重要な保守陣営のジャーナリストなので、
彼を貶めるような会見を開いて伊藤詩織は悪質なハニトラ要員だと、本気で思って叩いている。
この幼稚さは度し難い。