これからの対話の研究は、
ChatGPTをベースにそれをどう使うかということになっていくと思います。すでに言語を考えて話をする技術の部分は完成しており、今後はChatGPTを使って、どうロボットをうまく動かしていくか、たとえば視覚情報の活用法などの議論になってくるでしょう。ロボットもコンピューター、OS、GPT、その上に、色々なシステムが載ることになっていきます。
日本企業だけで進められないのであれば、国家プロジェクトとして、政府が早急に取り組んでいかなければいけないと思いますね。
 加えて、人材の問題も同時に考える必要があります。今のところITもネットも、すべて米国主導で外堀を埋められてしまっている状況にあり、これから日本政府が動き、どれだけAIエンジニアを育てることができるかがポイントになるでしょう。

「AI時代に日本が世界の製造のスタンダードになれる理由」
 ChatGPTによって完成度の高いコミュニケーション支援型のロボットやアンドロイドが登場すれば、当然ながら製造現場の状況もドラスティックに変わっていくでしょう。むしろ人間よりもAIのほうが賢い領域が増えるため、AIが人間にコマンドを出したほうが効果的な作業も出てくるかもしれません。
 ただし欧米では、簡単にはいかないかもしれません。海外では「機械に使われている」と感じる労働者が多いからです。もともと欧米では、ロボットはパートナーというよりも召し使いと考えるスタンスがあり、このままChatGPTを活用したロボットが普及しはじめると、ひずみや捻じれ現象が起きてくると感じています。