【国内】「運動会の組体操」はだれのため?
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1402634159/

 運動会の人気種目、組み体操について書いた社説(5月31日付)にインターネット上で数多くのツイートをいただいた。

 小学校で年間約6500件の負傷事故が発生している現状に触れ、
死亡や重い障害が残った事故の情報が全国で共有されているとは思えず、
見栄えを求めて「人間ピラミッド」の高さを競い合うことの危険を指摘した。
一層の安全配慮を求めた内容で、組み体操の廃止を訴えたわけでない。

 ネット上では「組み体操がなくなったら運動会が盛り上がらない」
「危険なことを体感しながら取り組むことで子どもたちは心身ともに成長する」などの書き込みを目にする。

 作家の内藤みかさんは組み体操が全員参加であることに疑問を感じている2児の母。
「地域の祭りが廃れてしまった今、運動会がその代わりの行事になっていて、
組み体操をすることが若者の通過儀礼になっているのではないか」と指摘する。
前年に事故が起きても翌年も実施する学校が少なくないのは「伝統の継承」が目的化してしまっているからかもしれない。

 子どもたちの個々の運動能力を考えず、スペクタクルな演技で見る人たちの心を動かそうとする。
そうした運動会の祭礼化、儀礼化、興行化は最近始まったわけではなく、
1900年代以降、全国の教育雑誌が批判する共通のテーマになっていたことを、
社会学者の吉見俊哉さんが「運動会と日本近代」(青弓社)で指摘している。

 時代が変わっても運動会は地域社会全体の行事という性格を持ち続けるだろう。
その価値は認めつつ、子どもたちが傷ついている現実から目をそらしてはならない。
http://mainichi.jp/opinion/news/20140612k0000m070134000c.html