2009年7月新聞報道

昭和大学女子大学経歴詐称事件 (=一部では「西尾事件」とも呼ばれる)。


昭和女子大学(在東京都世田谷区)は同年7月16日(木)付で、西尾 克明 准教授( b.1952 or ’53: 旧東京教育大、現筑波大卒)=56歳を懲戒解雇。
教育界に大きな波紋を呼ぶ。

 全国初のケースとして注目されていた都内の5女子大(昭和女子大学、大妻女子大学、実践女子大学、東京家政大学、日本女子大学)による、
2010年4月開設予定の共同教職大学院構想が、この事件を受けて白紙撤回。申請取り下げは同年7月21日(火)付。

 大学院認可申請書に、西尾 克明 氏が記載した内容が虚偽であることが判明。西尾 克明 氏はこともあろうにトップの「教職研究科長」に就任する予定だった。

  職歴に書かれた「岐阜県教育委員会指導主事(1997年〜)」「同研修課長・教育センター第2研修部長(2002年〜)」「同県立高校長 (2003年〜)」
などの経歴がいずれも虚偽だった。西尾克明 氏は岐阜県立高校教諭の経験はあったが、管理職を務めたことはなく、文部科学省(文科省)の指摘を受けて昭和女子大学側が確認。
岐阜県教委でも西尾克明 氏が、県立高校教諭時代に東京大学大学院博士課程を修了したとする記録について改めて東京大学に照会し事実ではないことが判明。

 五年前の2004年4月に昭和女子大学が助教授として採用した際も、西尾克明 氏は、同大学に虚偽の経歴を伝えていたが同大学はチェックが甘く気づかなかった。

 事件を重く見た文部科学省は、昭和女子大学に向こう二年半の新学科・新研究科の開設も、既存学科の定員数の増減も認めず、助成金を約5億円カッ トするという罰則(penalty)を科すことに。
事件を受けて同大学は専任教員全員の学歴・職歴を初めて厳しくチェック。 刑事事件ではないため、西尾克明 氏は逮捕を免れる。

 同大学は、西尾克明 氏に対して損害賠償を求める民事訴訟を東京地方裁判所(東京地裁)に起こし、その後、同地裁は被告人、西尾克明 氏が原告学校法人昭和女子大学に対して,
約3千万円を支払うよう命じる判決を下すも支払い能力の有無や、同氏が支払いに応じたか否かは定かではない。

(毎日新聞の記事を一部改変・ 加筆)