仙台・中学教諭自殺:「全中大会は公務」 公務外認定、地裁が取り消し命令 /宮城

 98年の全国中学校バドミントン大会(全中大会)の事務局責任者を務めている最中に自殺した仙台市の中学校教諭、大友雅義さん(当時36歳)の遺族が、
地方公務員災害補償基金県支部による「公務外災害」の認定取り消しを求めた訴訟の判決が28日、仙台地裁であった。
潮見直之裁判長は「自殺は公務に起因するものと認められる」と述べ、認定取り消しを命じた。
 訴えによると、大友さんは98年、総務部長として同市で開かれた全中大会の準備にかかわったほか、
授業、生徒会指導などの過重な業務による肉体的疲労とストレスからうつ病を発症、大会終了前日の8月、ホテル自室で自殺した。
 遺族は公務災害の認定請求をしたが、同支部は03年に「任意団体の県中学校体育連盟(中体連)の主催であり、公務外」と、
公務外災害扱いとした。裁判では(1)中体連の関連業務が公務に当たるか(2)自殺が公務によるものか――の2点が争点となった。
 判決で、潮見裁判長は(1)について、
▽市中体連にはすべての中学校が加盟しているのが実態で、(その大会は)学校行事の一環と認識されている
▽大友さんは校長の職務命令でバドミントン部顧問になった▽校長は全中大会に際し出張命令も出している
――などとして、大会関連業務は公務に当たると認定した。