周囲の目が怖い。
子どもにフェイスシールドはダメ?

子どもにマスクをつけないことで、親たちが恐れているのは、いわゆる世間の同調圧力だ。コロナ禍で、同調しない者を敵対視したり、いじめや嫌がらせをする自警団のような人も一部に見られる。


「トラブル回避策としては、今後も人混みを避ける、人との距離を十分とるように」と増田先生。加えて「例えば入店時に、マスク着用することと張り紙がしてあっても、2歳未満はしなくていいと思います。店側も周囲の大人も、乳児のマスク着用は危険であることを知って、温かく見てあげて欲しい」とも。

それでも、心無い視線や言葉を投げかけてくる人は一定数いるだろう。その場合には、「一時的に子どもにマスクやフェイスシールドをして、素早く用事をすませるといった対応も絶対にダメとは言い切れません。トラブルによって、子どもに危険が及ぶこともないとはいえませんから。フェイスシールドについては、マスクよりも子どもの顔色が把握やすいというメリットはあるでしょう。

その場合でも、フェイスシールドの安全性の確認は必要です。小さい子どもは、事故などの危険が迫っていても言葉で伝えることができません。いずれにしても子どもの様子から目を離さないように十分に気をつけて、何よりも子どもの安全を確保してください」(増田先生)





販売されているフェイスシールドの多くは、コロナ禍で急ぎ市販されたものも多い。素材や通気性、機能面など、子供が使用した際の安全性をどれだけ担保できているかは、正直わからないものが多いだろう。感染ばかりに囚われず、そういった部分にも着目することも必要なのかもしれない。

これまでのアドバイスから、小さな子どもがマスク着用をしない前提で注意するといいのは以下の点となる。

●2歳を過ぎた子どもや小学生の低学年ぐらいまでは、マスク着用で体への負担が大きくなることから無理にさせないことが大切。

●マスクを着用していない場合には、人との距離を十分に取る。やむを得ない時には、小さい子は抱きかかえてその場を離れる

●保護者や周囲の不安が強い場合は、大人の多く集まる人混みを避けることが重要

●集会などでは、マスクをしていない子どもからの感染の不安を訴える方々のために、小さな子ども連れの保護者専用区画を設けて一般と空間隔離するなどの工夫をすることも良いかもしれない

●後ろめたさを多少でも和らげられる方法として、鼻や口を押さえつけないよう通気性のよいスカーフなどを緩く巻いて周囲に配慮しているように見せる、ベビーカーのシェード(ひよけ)を出す、泣いたりおしゃべりしている子どもは、親向きに抱いて他人に顔を向けさせないなどが考えられる。