「危機」と「不安」はまったく違う。

津波が迫ってきた、それは「不安」だろうか?
否、否、それはまったく不安ではない。

危機である、一大事である、
国家的あるいは宗教的信念はクマや津波や死や現実の挑戦の前ではまったく通用しない
危機は、生きた現実であり、真の現実と対面したのだ。

即座の対応がいる一大事である。
あなたは明日どうなるか? なんて考えたスキに財産を家に取りに帰り、明日を迎えずに死ぬのだ。

津波だ、クマだ、即座の対応がいる一大事どうなるのか?

あなたがイメージの世界で遊んでいる有機的な機械人形でなければ、
即座に目を見開き全方位に全面的に注意をめぐらせ、すべてをあますところなく見るのではないか?

完全に無選択にすべてを見るそこから思考を通さずに「行為」が生まれるのである。
そこに矛盾はない、「私」が消えて、完全にすべては完璧に為されて、その結果は後から知るのみである。