「制服」って、何の為にあるの? [無断転載禁止]©2ch.net
ジャージー登校定着したけど…制服再開の動き 生徒「なぜ今」学校「TPO意識大切」
教育 社会 新型コロナウイルス
2022年12月25日 08:10
https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/177509
ジャージー姿で制服の着こなしセミナーを受ける生徒=11月末、岐阜市鏡島精華、精華中学校
新型コロナウイルス禍に伴い、登下校や授業時にジャージーや体操服を着ることを認めてきた岐阜県内の中学校で、制服主体に戻そうという動きが出ている。
コロナ禍も約3年となり、入学以降ジャージーでの生活に慣れた生徒からは「なぜ今になって」との声も上がり、制服の在り方を見直す動きがある一方、「場所に合った服装をすることも大切」との学校の考えもあり、意見が分かれている。
11月末、岐阜市鏡島精華の精華中学校で開かれた制服の着こなしをテーマにしたセミナー。講師が制服の着用について「メリハリをつけた着こなしを」と呼びかけると、生徒から「なんで」「嫌だ」と口々に不満が漏れた。教員が「高校入試は制服を着て受けるから、着慣れていないと実力が発揮できないよ」と説得したが、納得できないような表情の生徒もみられた。
同校では、コロナ禍に伴い2020年6月にジャージーの着用を許可。現在の在校生は入学以降ほとんどジャージーで過ごしており、今年に入って近隣校が原則制服着用のルールに戻し始めたため、決めたという。
制服着用は来年1月からの予定で、山内茂樹校長は「楽な服装でいたい気持ちは分かるが、将来困らないよう制服に慣れる練習も必要。生徒には重ねて説明しており、ジャージーの着用も柔軟に認めるつもり」と話した。 中学生の服装に関する規定は学校ごとに異なるが、一様にジャージー着用へ傾いたのは県内の学校がコロナ禍で一斉休校した20年5月以降。県教育委員会が県立校向けに感染対策を示した「学校再開ガイドライン」がきっかけとみられる。
ガイドラインには「制服に付着したウイルスを洗濯によって除去する場合、多数回の洗濯には適さないことから、家庭での洗濯が比較的容易な服装(学校指定の体操服やトレーニングウエア等)での通学を可能とすること」との記載がある。これで服装を選択制とする対応が拡大して生徒がジャージーで登下校するようになり、結果的に制服を着る機会が大幅に減った。
ガイドラインの公表から2年以上たった現在も、ジャージーの着用を認めている学校は各地にあり、考え方はさまざまだ。
可児市東帷子の広陵中学校では、制服に戻す話も出始めている。定期試験や始業式などは制服着用をルールとしているが、「せっかく買ったので着る機会を増やしてほしい」という声が保護者から上がったという。
一方、大垣市三塚町の東中学校の石橋佳之校長は「いまの在校生はコロナ前を知らないので、制服に『戻す』という考えがないのでは」とくみ取り、ジャージー着用を今後も可能とする方針。
近年は多様性の尊重や経済的負担への配慮から、全国で制服のデザインを変更したり、着用を義務とするルールを見直したりする動きがあり、東中もジェンダーレスな制服を近く導入するなど選択肢を増やす検討をしている。
岐阜市内では今年に入り、複数の学校が制服着用に戻している。岐阜市京町の岐阜中央中学校では選択制を続けているが、今月から「月曜日には制服を着よう」と勧めている。上松英隆校長は「制服を着ると場の空気が引き締まり、時には必要と感じる。コロナは制服を着る意味を改めて考える機会を与えてくれた」と話した。