>>186のつづき
森友学園は氷山の一角 尾木ママが警告する「教育勅語」と教育の行方


前半は「親孝行をしろ」「学問に励め」等、普遍的な道徳について説かれる。が、問題となるのは後半、「万一危急の大事が起こったならば」から続く一文。
すなわち「何かあったら天皇のために命を捧げろ」という意味であり、尾木氏は「一身一命を捧げてでも国家を守ろうという精神が醸成され、戦争に駆り出された結果、
多くの人が犠牲になりました」と解説する。

だが、教育勅語を現代の教育に用いることの問題点は、軍国主義教育への回帰という懸念に留まらない。憲法上の問題があるのだ。

「日本は敗戦後、日本国憲法によって、天皇主権から主権在民というまったく逆の枠組みへと転換しました。それに伴い、
天皇主権を前提とする教育勅語は1948年に衆参両院の決議で排除・失効が確認されています。政府は教育勅語を教材として使うことを否定できないと述べていますが、
これは憲法99条に違反する恐れのある非常に危険な発言なのです。

教育勅語を教育に用いると言ったとき、社会科の授業などで日本が戦争に至った歴史を学ぶための資料として使われることをイメージする人も多いと思います。
一方で、親孝行すること、友達を信じることといった内容を部分的に抜き出し、道徳の教材として使用することを否定しない、といった意見が政権から出ていることは看過できません」

そんな教育勅語を、森友学園の幼稚園児たちは朗唱し続けてきたわけだが、どんな影響が考えられるのか。

「子どもたちが教育勅語の意味を理解して朗唱していたとは考えづらい。九九を暗記するような感じで唱えていたのではないでしょうか。
とはいえ、森友学園は教育勅語だけでなく、子どもを自衛隊の船に乗せたり、『安倍首相頑張れ』と唱和させたりと、偏向的な教育を繰り返し行っていましたから、結果的に影響されることはあり得ます。

このような教育の問題点は、子どもに特定の思想を押し付けるだけでなく、物事を押し付けられるのに何の疑問も抱かず、ロボットのように受け入れる人間を育ててしまう危険があることです」


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