「ノートを取る時間があれば、教科書に書き込めばいいし、頭の中にインプットすることの方が大事」と考えたという。スマホ(スマートフォン)世代の傾向だろうか、「ノートを書くのは苦手」と話した生徒も目立ち、学びのスタイルも変わりつつあるようだった。

 「ここに行きたい。ここしかない」。モチベーション(やる気)を高めるため、池末さんはあえて受験前、九大寮への入居予約を済ませた。退路を断つためだ。「大切なのは学校の授業。受験は時間との闘い、どう生かすかは自分で考えよう」

 「受験は団体戦」と振り返ったのは、文学部に合格した福岡高(福岡市)の井元優花さん(18)。昨年夏ごろから平日は毎朝7時に登校し、夜は7時まで学校で自習。休日も登校し、朝7時から午後5時まで自習。「一人では心が折れそうだった。
友だちも頑張っているから、私も頑張れた」と話す。

 「予備校生やってると『おれ、何やってるんだろう?』って、訳わかんなくなる。他の友達は大学生で楽しい生活を送っているのにと。そんな自分といつも闘っていた」。山下俊介さん(20)は2浪して、念願の芸術工学部に合格した
。「漫然と授業を受けるのではなく、2浪目は予習中心に切り替えた。学びのポイントも明確になり、効果的だった」