産経新聞 10月21日 10時5分配信

住宅のトイレや幼稚園・保育園の多くが洋式便器にも関わらず、小学校のトイレはいまだに和式便器が主流。小学校に上がって、和式便器に“初対面”し、使い方が分からず戸惑ってしまう子供も多い。
校舎の耐震化優先などで洋式への改修が進みにくいなか、トイレ教育は、家庭だけでなく学校でも必要とされている。(油原聡子)

■「足を突っ込んじゃった」
 「和式便器の中に足を突っ込んじゃった」「わざわざしゃがまいといけないのが面倒」。和式便器に苦手意識を持つ児童は多い。

 千葉県君津市立外箕輪(そとみのわ)小学校(鈴木彩子校長、児童数185人)は、平成6年に開校。校内に8カ所ある児童用のトイレは全て和式だ。
タイル張りの床は臭いがたまりやすく、水で流して掃除するため、掃除もしづらく、トイレ全体が暗い雰囲気だ。

 使い方が分からなくて利用を控える児童もいる。
和式便器のふちに大便がついても、どうしていいかわからずにそのまま個室を出てしまう子供も。

  同校ではこの夏、1年生と3年生が使うトイレ1カ所を改修した。社会貢献活動の一貫として、小学校に洋式便器を贈っている、小林製薬から寄贈を受けたのだ。

 男女それぞれ1基ずつ洋式便器を設置。床全体に木目調のシートが敷かれ、明るい雰囲気に。和式便器の脇には、足跡シールが付けられ、使い方を分かりやすくした。
児童からも「床がすごくきれいになった」「家のトイレみたい」と好評だ。鈴木校長は「床も掃除しやすくなった。きれいなトイレは、きれいに使おうという意識が児童に生まれた」と話す。